(11/27追記)
90万人割れは不可避です。

少子化のペースが加速している。厚生労働省が26日発表した人口動態統計(速報)によると、1~9月に生まれた子どもの数は67万3800人と前年同期に比べ5.6%減った。年間の出生数が5%を上回る減少となったのは直近では1989年。2019年は30年ぶりの大幅減となる可能性がある。政府は土曜日の共同保育の推進など少子化対策の拡充を急ぐが、人口減に歯止めをかけるのは簡単ではない。

速報値には日本人に加え、日本生まれの外国人や海外生まれの日本人も含む。日本生まれの日本人に限ると、出生数は速報値よりも年間で3万人程度少なくなる。

18年の日本生まれの日本人は91.8万人で、現在の減少ペースが今後も続くとすると、19年の出生数は87万~88万人程度になる可能性がある。10年前に比べて20万人程度少ない。1899年の統計開始以来、最少だ。(以下省略)

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO52631090W9A121C1EE8000/

————–

今日は平成最後の日、平成31年4月30日です。明日は令和元年5月1日です。

令和はどんな年代になるのでしょうか。

加速する少子化

先日、人口動態統計速報(平成31年2月分)が発表されました。

同月に産まれた子供は67,284人でした。前年同月の71,952人から6.5%も減少しました。両年とも閏年ではありません。急減です。

このペースが続くと、平成31年/令和元年/2019年の出生数は90万人を割り込む恐れがあります。

出生数が100万人を割ったのは2016年でした(詳細はこちら)。わずか3年で更に10%も減少する見通しです。

25歳~39歳の女性が急減

最大の原因は「出産適齢期人口の減少」です。

日本人の大半は、(1)父母が婚姻している、(2)25歳~39歳の母親から産まれています。適齢期人口が驚くべき勢いで減少しているのです。

国立社会保障・人口問題研究所の各年齢別人口(2017年)国立社会保障・人口問題研究所の各年齢別人口(2017年)から基に、2019年時点での年齢別人口を推測しました。

現在、40歳~44歳の女性は約430.1万人、45歳~49歳は約485.3万人もいます。 第2次ベビーブームと重なる世代です。年齢別人口が200万人を超えた年もありました。

しかし、35歳~39歳の女性は372.3万人、30歳~34歳は330万人、25歳~30歳は300.9万人しかいません。年を追う毎に急減しています。

ここ数年、毎年85万人~95万人近い女性が40代に達していました。反面、25歳に到達する女性は60万人~70万人程度でした。約25万人/年も減少しているのが実情です。

このペースは今後も大きくは変わりません。母親になる女性の人口が減少する以上、出生するが減少し続けるのは避けられません。

これに加えて、婚姻率や完結出生児数の減少も拍車を掛けるでしょう。様々な事象が「出生数の減少」という結果へ邁進しています。

当面は年2~3%のペースで出生数が減少すると見込まれます。

全国各地で急増した保育施設も徐々に余っていくと考えられます。

今後も現役世代が集中すると予想される都市部は保育施設不足が続きそうです。しかし、それ以外の地域はますます少子化が進み、保育施設の統廃合が加速するでしょう。

令和は日本人が急減する時代となります。

——————
(10/7追記)
4月末に公開した記事を上回るペースで出生数が減少しています。

日本の出生数が急減している。1~7月は前年同期に比べて5.9%減り、30年ぶりの減少ペースとなった。団塊ジュニア世代が40代後半になり、出産期の女性が減ったことが大きい。2016年に100万人を下回ってからわずか3年で、19年は90万人を割る可能性が高い。政府の想定を超える少子化は社会保障制度や経済成長に影を落とす。出産や子育てをしやすい環境の整備が急務だ。

 厚生労働省の人口動態統計(速報)によると、1~7月の出生数は前年同期比5.9%減の51万8590人。減少は4年連続だが、19年は月次でも3月に7.1%減となるなど、大きな落ち込みが続く。18年1~7月は同2.0%減だった。(中略)

19年は7月までの減少ペースが続けば、90万人を割り込む公算が大きい。外国人を含んでも90万人に届かない可能性がある。

国立社会保障・人口問題研究所が17年にまとめた推計では、19年の出生数は92万1千人(総人口ベース)だった。90万人割れは21年(88.6万人)としており、仮に19年なら2年早い。(以下省略)

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO50672490W9A001C1MM8000/

7月までの出生数は、人口動態統計速報(令和元年7月分)に掲載されています。