把握している範囲では、義務教育学校で発生した最大規模のクラスターとなります。

川越市立野田中学校で大規模なクラスターが発生しています。少なくとも生徒34人・教職員1人が感染しています。

TBSで「同居家族から感染した生徒が発端」「近隣小学校等へ情報提供するため、公表します」と報じられました。

 埼玉県川越市内の公立中学校で6日、新たに生徒30人、教師1人の感染が確認され、川越市はクラスターが発生しているとして調査を急いでいます。

 埼玉県川越市立の「野田中学校」では、5日までに生徒4人の新型コロナウイルスへの感染が確認されていましたが6日、新たに生徒30人、教師1人が感染し、合わせて35人の集団感染が確認されています。

 川越市によると、家庭内で感染した生徒から学校内で感染が拡大したとみられるということで、市は、クラスターが発生しているとして近隣の小中学校への情報提供を行うなど注意を促しています。

https://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye4144442.html

朝日新聞も報じています。家族の濃厚接触者として生徒数人が検査を受けた後、多くの生徒を一斉に検査した様子です。

埼玉・川越市立中、生徒ら35人クラスター 重症者なし

 埼玉県川越市は6日、市立野田中学校(生徒数274人)で、新型コロナウイルスのクラスター(感染者集団)が発生したと発表した。5日までに判明した感染者は1~3年の男女生徒34人と20代女性教諭の計35人。重症者はいないという。市によると、県内の小中学校でクラスターが発生したのは初めて。

 感染した親の濃厚接触者として検査を受けた男子生徒2人が2日に陽性と判明したため、市は休校にして、それぞれの学級の生徒らを中心にPCR検査を進めていた。これとは別に、4日には家族に感染者がいる女子生徒と、発症して自発的に検査を受けた女子生徒の感染も判明していた。市は同校の休校を16日まで延長し、検査対象を全校生徒に拡大した。

https://digital.asahi.com/articles/ASND65W7LND6UTNB008.html

感染しているのは主に1年生ですが、2年生や3年生でも感染が確認されています。明日以降に2年生や3年生の検査結果が出るので、感染者はさらに増加する可能性が高いです。

中学1年生が22人、2年生が1人、3年生が11人、教員が1人で、いずれも軽症か無症状で、3年生と2年生については、まだ検査結果が出ていないクラスがあるということです。

https://www3.nhk.or.jp/shutoken-news/20201206/1000057159.html

学校ウェブサイトには臨時休校中の課題のみが掲載されています。

12月4日(金)臨時休業中課題一覧について
https://www.city.kawagoe.saitama.jp/kosodatekyoiku/sho-chu-ko-shien/chugakko/noda/korona.files/gakushuukadai.pdf

クラスター が発生した原因と指摘されているのは合唱コンクールの練習です。先月中頃から練習を行っていたそうです。

 同校は5日に全校生徒が参加する合唱コンクールを予定しており、11月中旬から合唱練習に取り組んでいた。市教育委員会はマスクを着用するよう呼びかけていたが、徹底されていない場合もあったという。

https://news.yahoo.co.jp/articles/1c187f8ec4072fb672154e9e05133a4d4228dceb

確かに同校の行事予定表に「第39回合唱祭(5日)」と記載されています。

https://www.city.kawagoe.saitama.jp/kosodatekyoiku/sho-chu-ko-shien/chugakko/noda/gyojiyote.html

合唱クラスターは市川中学校でも発生しました。合唱は一度に数十人が感染する大クラスターを発生させます。

【コロナ・12/1追記】市川中学校(兵庫県)関連で33人感染クラスター、授業参観を兼ねた合唱コンクールで拡大か

コロナ禍での合唱、開いた口が塞がりません。合唱が危険だとは春先から指摘され続けてきました。仮に今も練習に取り組んでいる学校等があれば、すぐに止めて欲しいです。リスクに全く見合いません。

川越市のウェブサイトには同市における患者一覧が掲載されています。

新型コロナウイルス感染症患者の発生状況
https://www.city.kawagoe.saitama.jp/kenkofukushi/byoki_iryo/kansensho/COVID19-p-C.html

ただ、10代の感染者は非常に少ないです。11月1日まで遡っても6人しか掲載されていません。また、掲載されている6人の多くは同居家族も感染しています。

概要(感染確認243例目)
年代:10歳代
性別:男性
職業:学生
居住地:川越市
発症日:12月1日
発症時の症状:発熱
陽性判明日:12月2日
現在の状況:入院調整中。症状は安定している。
濃厚接触者:同居家族5名
接触歴:家族に陽性者あり
備考:同居家族3名陽性

概要(感染確認244例目)
年代:10歳代
性別:男性
職業:学生
居住地:川越市
発症日:なし
発症時の症状:無症状
陽性判明日:12月2日
現在の状況:入院調整中。症状は安定している。
濃厚接触者:同居家族5名
接触歴:家族に陽性者あり
備考:同居家族3名陽性

中学校でクラスターが発生した可能性を認識した時期、そして集団検査を行った時期が非常に気になります。校内感染が水面下で蔓延している気配を察知できなかったのでしょうか。

子供は感染しても重症化した事例は殆どないと指摘されています。しかし、同居家族には高齢者もいます。「子供だから大丈夫」ではなく、基本的な感染予防対策を徹底すべきなのは言うまでもありません。

実は中学生の感染予防意識の低さは大阪でも気になっています。下校中にマスクを外して友人達と話している中学生が非常に多く、心配になっています。徹底してマスクを着用している小学生とは好対照です。