(姉妹の写真、NEWSポストセブンより)

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(2/13追記)
2月15日に初公判が開かれ、19日に判決が言い渡される予定です。

高松2女児放置死 母が起訴内容認める方針 15日に初公判

 高松市で女児2人が乗用車内に放置され死亡した事件で、保護責任者遺棄致死罪に問われた母親の竹内麻理亜被告(27)の裁判員裁判が15日、高松地裁で始まる。竹内被告は起訴内容を認める予定で、争点は量刑となる見通し。 (中略)

公判は16日まで証人尋問や被告人質問などがあり、17日に結審、19日に判決が言い渡される。 (以下省略)

https://mainichi.jp/articles/20210213/k00/00m/040/080000c

(2/19追記)
検察側の求刑通り、懲役6年が言い渡されました。

【速報】車内に姉妹を放置死の罪 母親に懲役6年の判決 高松地裁「動機は身勝手」

 2020年9月、高松市で幼い姉妹を車内に放置して熱中症で死亡させた罪に問われた母親に対する裁判で、高松地裁は、検察の求刑通り、懲役6年の有罪判決を言い渡しました。

 保護責任者遺棄致死の罪で判決を受けたのは、高松市川島東町の無職、竹内麻理亜被告(27)です。

 判決によりますと、竹内被告は2020年9月2日の午後9時10分ごろ、バーで飲酒しようなどと考え、高松市の駐車場に止めた車の中に当時6歳の長女と3歳の次女を置き去りにしました。そして、2人を約15時間放置し、熱中症で死なせました。

 15日に始まった裁判員裁判で、竹内被告は「間違いありません」と起訴内容を認め、裁判の争点は「量刑」に絞られていました。 検察側は「家族に知られず飲み歩きたいと危険な放置行為を繰り返したあげくの犯行で、母親として無責任かつ悪質」と指摘し、懲役6年を求刑。

 一方、弁護側は「これまでの経験やしつけから危険性は低いと考えていて故意の程度は弱い」、「育児での疲労や家族との行き違いで、苦悩を抱えていた」と主張。情状酌量を求めていました。

 19日の判決公判で、高松地裁の近道暁郎裁判長は「2人の子どもが亡くなった結果は重大で、この不幸は計り知れない。以前からバーで飲酒し、危険があると分かっていて、動機は身勝手で非難されるべきだ」と指摘しました。

 そして、育児ストレスや孤独感という背景があっても、経緯はくめないとして、検察の求刑通り、懲役6年の判決を言い渡しました。

 判決の言い渡し後、裁判長の「分かりましたか」という問いかけに、竹内被告は「はい」と一言だけ答えました。

https://news.ksb.co.jp/article/14203362

検察側の求刑通りに認めたのは、裁判所が「2人の幼い子供が亡くなり、母親に酌むべき事情がないにも関わらず、この求刑は軽すぎる」と考えている様に感じました。

子供2人へ暴行や暴言等を加えたわけではありません。しかし、深夜の車両に長時間に渡って放置したのは虐待そのものです。

虐待により2児死亡といえば、10年ほど前に大阪市西区堀江で発生した2児餓死事件を思い出します。殺人罪等で起訴された母親へは懲役30年が言い渡され、確定しています。

大阪の2児放置死、母親の懲役30年確定へ 最高裁が上告棄却
https://www.nikkei.com/article/DGXNASDG2702S_X20C13A3CC1000/

放置したのが一晩と数十日という違いは小さくないでしょう。ただ、2児死亡という結果は同じです。酌むべき事情もありません。ただ、懲役30年と懲役6年の違いは大きいです。

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更に続報です。

【香川2女児放置死・9/5更新】死因は熱中症、知人男性と一晩中飲み歩いた母逮捕 高松

【香川2女児放置死】「1人で3軒飲み」「クーラーで大丈夫」「店員には『子供預けた』と」(時系列集約)

【香川2女児放置死】姉妹は逃げる痕跡なし、母は頻繁なバー通い、父は写真をネットから削除

【香川2女児放置死】実家帰省と偽って週4回のバー通い、文春「ウソ人生」

【香川2女児放置死・9/17追記】母「外飲みを注意されて預けられず・車窓に日よけ・クーラーかけず・エンジンを止めて飲みに」

母親が保護責任者遺棄致死罪で起訴されました。

家族(父親?)に度重なる外飲みを注意された母親は「実家に帰省する」と偽り、子供を深夜の車内に寝かせて飲食店をハシゴしていました。

こうした行為は常習化していました。少なくとも事件が起った日を含めて3夜連続で子供を放置していました。

【独自】「おかあさんだいすき」折り紙も…高松の死亡姉妹、母が3夜連続放置・飲酒か

高松市内で女児2人が乗用車に約15時間放置されて死亡した事件で、香川県警に保護責任者遺棄致死容疑で逮捕された母親の無職竹内麻理亜容疑者(26)(高松市)が、事件当日を含め3夜連続で2人を車内に残し、飲酒していたとみられることが、捜査関係者への取材でわかった。県警は放置が常態化していたとみている。

高松地検は24日、竹内容疑者を保護責任者遺棄致死罪で起訴した。

起訴状によると、竹内容疑者は2日午後9時13分~3日午後0時22分、市内の駐車場に止めた乗用車に、長女の真友理ちゃん(6)と次女の友理恵ちゃん(3)を放置し、熱中症で死亡させたとされる。地検は竹内容疑者の認否を明らかにしていない。

竹内容疑者はこの間、近くの繁華街で2軒の飲食店をはしごし、3軒目で知人男性と合流。明け方まで飲酒後、男性宅で過ごしたことが、これまでの捜査で分かっている。捜査関係者によると、竹内容疑者は1日から2日にかけても繁華街の飲食店を訪れていた。姉妹を車内に放置し、飲酒していたことを認めたという。

竹内容疑者は1日早朝も娘を連れて繁華街近くのコンビニエンスストアを訪れており、県警は3夜続けて子どもを車内に残したまま飲酒していたとみて、裏付け捜査を進めている。

竹内容疑者は逮捕当初、県警の調べに「エンジンをかけ、エアコンをつけたまま車を離れたが、戻ってみると止まっていた」などと説明していたが、「子どもが眠っているのを確認し、エンジンを切り、窓も閉めた」と供述を変えていた。

当初は自宅や実家で姉妹を寝かしつけていたが、飲み歩くことが増え、「家族に注意され、預けられなくなった。昼間は母親としてしっかりしていた自信があり、娘が寝ている夜なら飲みに行ってもいいと思った」とも供述。夫には「実家に行く」と告げ、実家には「自宅に戻る」とウソをついていたという。

真友理ちゃんと友理恵ちゃんは、シンデレラごっこやアンパンマンがお気に入りで、近所でも評判の人懐こい姉妹だった。

自宅近くの住民や関係者によると、休日は父親が運転する車で、姉妹が好きだったという香川県内の水族館などに家族で外出。父親が経営する会社の従業員と散歩に出かけたり、自宅でバーベキューをしたりする姿も頻繁に目撃されていた。姉妹は従業員に会うと、「お疲れさまです」と駆け寄っていたという。

父親は夕方になると仕事を一度切り上げて姉妹を風呂に入れ、その後、深夜まで残業するのが日課だった。住民らは「休日にはビニールプールで遊んだり花火をしたりして、子どもたちを大事にしていた」と話す一方、竹内容疑者については「ほとんど見かけなかった」と口をそろえる。

来年、小学校に入学予定だった真友理ちゃんのために、8月には机やベッドが買いそろえられていた。自宅からは、真友理ちゃんが「おかあさんだいすき」などと書いた折り紙が見つかっているという。

https://www.yomiuri.co.jp/national/20200925-OYT1T50056/

読売新聞の記事からは、記者の丁寧な取材と静かな怒りが伝わってきます。

母親が姉妹を放置したのは8月31日夜~9月1日朝、9月1日夜~9月2日朝、そして9月2日夜~9月3日昼でした。

母親が幼稚園へ「コロナが怖いので幼稚園を1週間休む」と連絡したのは9月1日でした。これによって幼稚園の準備が不要となり、深夜の飲食に拍車が掛かったのでしょうか。

9月1日~3日の気象情報を見ると、日が経つにつれて気温が上昇していたのが確認できます。

9月1日は8時台に気温30度を超えました。


http://www.data.jma.go.jp/obd/stats/etrn/view/hourly_s1.php?prec_no=72&block_no=47891&year=2020&month=9&day=1&view=

9月2日は7時台に気温30度を超えました。


http://www.data.jma.go.jp/obd/stats/etrn/view/hourly_s1.php?prec_no=72&block_no=47891&year=2020&month=9&day=2&view=

そして9月3日は7時台に気温30度を超えた後、8時には33.2度に達しました。


http://www.data.jma.go.jp/obd/stats/etrn/view/hourly_s1.php?prec_no=72&block_no=47891&year=2020&month=9&day=3&view=

母親が車に戻った12時過ぎは36度を超えていました。車内の気温は優に40度を超え、50度近くに達していたでしょう。

一連の経緯を見る限り、母親から姉妹への愛情が感じられません。育児放棄(ネグレクト)の傾向を感じます。

典型例は父親が夕方に姉妹と一緒に入浴していたエピソードでしょう。会社経営で忙しい父親が仕事を中断して子供と入浴するのは余程の事です。

母親が専業主婦であれば、家事や育児(入浴を含む)は全て任せきりになるケースが専らでしょう。

これに対して母親が深夜の外出や飲酒を繰り返していたそうです。父親が注意するのは当然です。家の中は荒れ、幼稚園の準備もままならなかったと考えられます。

気になるのは幼稚園の対応です。姉妹を車に放置して飲食を続けていたら、2人の様子等に何らかの兆候が現れていた筈です。洗っていない体操服・度重なる忘れ物・2人の話ぶり等、「気づき」があった筈です。

また、子供が同じ幼稚園に通っている保護者や幼稚園の先生は酒臭さに気づかなかったのでしょうか。

実は今年はコロナ予防で誰もがマスクを着用しています。呼気は抑えられ、嗅覚も鈍くなります。こうした事情から気づくのは難しかったかもしれません。

本事件は他のネグレクト事案と大きく異なる点があります。2人親・富裕層・育児に理解がある父親・近隣の実家と言う、非常に恵まれた要素です。追い込まれての育児放棄、という要素は見当たりません。

こうした環境にありながら、何故に育児放棄して深夜飲食を繰り返していたのでしょうか。