4月に大阪市長が「医療機関で防護服が不足しているので、雨カッパを寄付して欲しい」と呼びかけました。
市民等から30万着以上の寄付が集まったそうです。
新型コロナウィルス感染症拡大による医療現場での個人防護具不足に伴い、4月半ばに市長からサージカルガウンの代替品として雨合羽の提供をお願いしましたところ、市内外から雨合羽をはじめ医療用マスクや手袋等本当にたくさんの物資をご寄附いただきました。
ご寄附いただきました物資は、医療機関をはじめ、必要とする現場で有効に活用させていただきます。
寄附総数(6月1日現在)
雨合羽(ポンチョ含む) 331,000 ガウン・エプロン 40,000 防護服 26,000 N95マスク 34,000 サージカルマスク 444,000 フェイスシールド 54,000 手袋 700,000
4月14日頃に大阪市内で行われた会議にて大阪大学からの出席者が「雨ガッパでも欲しい」と言う趣旨の発言をし、これを(真に受けた)大阪市の松井市長が広く呼びかけたのが発端でした。
この日、コロナ対応で行政や医療関係者が集まる会合が大阪市内であり、そこで阪大関係者が明らかにしたという。「雨がっぱの方が簡単に着られるからいい。でも、いま雨がっぱも売っていない」という趣旨の意見も出たという。
大阪府は防護服の代わりとするポンチョ型のかっぱ約28万枚を購入する方針だ。大阪市の松井一郎市長は14日、記者団に「ご家庭に使用していない雨がっぱのある人、在庫のある人はぜひ連絡いただきたい。購入させていただきます」と呼びかけた。新品の雨がっぱの寄付の受け付けや買い取りを始める。
しかし、医療機関が本当に望んでいたのは医療用の個人防護具(PPE)でした。
https://www.moraine.co.jp/products/ppe/apron_gown/sms_isolation_gown.html
案の定、寄付された大量の雨ガッパは殆ど使われず、市役所の片隅に山積みされました。
本日も大阪市役所の要請と交渉に参加しました。しかし、何を聞いても「知らない。答えられない」ばかりで疲れる。それにしても、誰も残りのカッパの枚数を知る人は居ない。寄付した人達、怒る時ですよ!都合のいいときだけ御願いして、後は知らん顔。大阪市のやり方! pic.twitter.com/7fzBgD4leL
— ピカピカの「連帯ユニオン・有給休暇を取ろうぜ」抗議行動は正義! (@kazebozu) June 8, 2020
どうにかしなければと考えたのでしょうか、大阪市は小中学校や幼稚園等に配布する事にしました。
大阪市教育委員会からこんな通経つが来ました。30万着以上集まった行き場所に困った雨合羽。医療従事者には何の役にも立たない。一部6000枚程は使われた?様です。残った30万着の内1万着実強を学校に回されました。 pic.twitter.com/hUS9434tpo
— 山ちゃん (@JxyEZP9Fou8AYCR) June 5, 2020
「対応方よろしくお願いします」「学校園での活用を行うものです」「指定日時に取りに来られない学校園につきましては(中略)ご連絡下さい」との文言から、学校園に拒否権がない「強制配布」と認識できます。
使うアテが無い雨ガッパを学校園に押しつけるとは、大阪市はいったい何を考えているのでしょうか。
コロナウイルス対応で非常に忙しい中、市役所へ取りに行かされる教職員(教頭先生?)が少し可哀想です。
これに前後して、大阪市は6月10日頃から学校でフェイスシールドを使用するとされています。
毎日放送の柳瀬です。6月の10日にはフェイスシールドがですね、学校に全て準備できて、児童・生徒もつけれるというふうなことなんですけれども
https://www.city.osaka.lg.jp/seisakukikakushitsu/page/0000499032.html
こんなイメージです。
https://digital.asahi.com/articles/photo/AS20200522004240.html
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO59810760R00C20A6AM1000/
しかし、学校でのフェイスシールド、しかもマスクとの併用には多くの批判が寄せられています。
感染対策のプロである聖路加国際病院、QIセンター感染管理室マネジャーの坂本史衣さんは、「学校でのフェイスシールドが必要となる場面はほぼ無いと言ってよいと思います」と見解を述べる。(中略)
「以上からマスクを着けた近距離での会話で飛沫感染が起こるとは考えにくいです。そのため、医療現場でもマスク対マスクの場面ではフェイスシールドの着用を求めていません」
「当然食事の際にはマスクを取り外しますが、対面で会話をしながら食事するのでなければ問題ないと考えます。学校でのフェイスシールドが必要となる場面はほぼ無いと言ってよいと思います」
週明け以降、大阪市の小中学校ではマスク・フェイスシールド・雨ガッパを身につけた先生や児童生徒が登場しそうですね。
要請を受けて、今日は現場復帰し土庫病院の発熱トリアージに従事。
ガウンの代わりに雨ガッパを前後ろ逆に来て、簡易なフェイスシールドを着けてます。
診療開始から二時間で発熱・隔離診察が定員に達する状況です。 pic.twitter.com/QW6kK1SRnv— 向川まさひで(大和高田市議・日本共産党) (@muka_jcptakada) April 21, 2020
吉本新喜劇としか思えません。