数日前、とあるメールを頂きました。

こんばんは。子供が認可外保育園○○○へ通園しています。

5/1に園から連絡があり、新型コロナウイルスによる経営難で7月末に閉園すると突然言われました。

この時期の突然の閉園に保護者は驚き慌てふためいております。次の園を探そうにも新型コロナで見学も行けないですし、転園もできません。

このまま収束しなければ、7月末で保育園が閉園してしまいどこにも行く保育園がないままになってしまうかもしれません。

私はフルタイムで働く医療従事者です。正直非常に困りますし、なんの説明もなく先生方も突然閉園を知らされたようです。

こんなに突然に保育園を閉園させれるものなのでしょうか。どの業種も今は辛いと思いますが、子供達の未来を奪わないでほしいです。とても悲しいです。

4月30日に閉園が決定され、5月1日にこうしたお便りが保護者へ手渡されたそうです。

閉園するのは大阪市の繁華街にある、英語教育に力を入れている認可外保育施設です。

急な連絡だったとのことで、多くの利用者が動揺しているそうです。

コロナ禍で苦しい認可外保育施設

実は今、認可保育所以上に苦しい立場に立たされているのが認可外保育施設です。

認可保育所等の場合、家庭保育の依頼を受けて登園を自粛すると、多くの自治体では保育料が日割りで返金されます。

この度、家庭保育の依頼を受けて保育施設等に登園しない場合は、登園しない日数の保育料を軽減することになります。

https://www.city.osaka.lg.jp/kodomo/page/0000498433.html

また、登園者が減少したり臨時休園を行っても、自治体から交付される給付費は減額されないとされています。

一方、認可外保育施設は違います。

登園自粛を求めて保育料を返金したら収入減、保育料を請求したら利用者が過剰な負担を負います(一部自治体は助成等あり)。

神奈川)認可外保育園、登園自粛が打撃 収入減に直結
https://digital.asahi.com/articles/ASN4W741XN4WULOB018.html

<コロナ緊急事態>休園続けば収入ゼロ 認可外保育 運営の危機
https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/202005/CK2020050202000168.html

登園自粛しても保育料 「仕方なく出勤」招く本末転倒
https://digital.asahi.com/articles/ASN523HB7N51UTFL01F.html

「進むも地獄、退くも地獄」と言える状況かもしれません。

こうした中、同園は7月末での閉園を決断しました。

正確には同園を運営している大手法人で決定し、結論が園職員や保護者へ伝えられたそうです。誰もが「寝耳に水」だったそうです。

多くの認可外保育施設は、ここ数年で利用園児が減少しています。新設保育所等の増加、幼児教育・保育の無償化、企業主導型保育の増加、全てが逆風です。

同園は「国の無償化対象」とされており、月々37,000円の助成金が給付されています。それでも保護者負担は決して軽くなく、年間50万円以上の自己負担となっています。

4月以降、同園は登園する児童に限って保育料を徴収し、自宅保育する児童は徴収していなかったそうです。その為か、コロナ禍による園収支への影響は甚大だったそうです。

既に大阪市内で別の認可外保育施設が4月末に突如閉園した、とも聞きました。

転所先探しも難航必至

メールを下さった保護者の方は「何とか園運営を継続して欲しい」と記していました。

しかし、運営法人が閉園へ舵を切った今、利用者も「閉園後の保育の場」を探す必要があります。このままだと8月以降の保育の場が無くなってしまいます。

ここでもコロナ禍が立ちはだかります。転所先を探すのに大きな障害となります。

・現在進行形で保育施設を利用している家庭は仕事を休めず、家庭保育が非常に困難
・区役所へ相談したり、他園を見学に行く時間すら取れない
・第三者の立入を制限している園が多く、施設見学すらできない
・新たな園児を受け入れるのにリスクを感じ、新規受入を当面見送る園もありそう
・仮に転所できたとしても、転所先での感染リスクにも不安がある

一体どうすれば良いのか、途方に暮れてしまいそうです。

真っ先に行って欲しいのは区役所への連絡です。電話でも構いません。

担当者へ状況を伝えた上、主に「閉園に関する事実確認」と「転所先の探し方」を相談すべきでしょう。

コロナ禍での保育所探しは誰も経験がないでしょう。各園の現況をよく把握している区役所を通じ、アプローチを掛ける方法がベターだと感じています。

苦しいのは現地見学が難しい点です。保護者の立入すら制限している保育所等が少なくない中、第三者の見学が快く受け入れられるとは考えにくいです。

一つの解決策は「オンライン見学」でしょうか。スマホやタブレットのビデオ通話機能を利用して園内を案内して頂き、担当者へ質問できれば良いですね。

保育施設から丁寧な説明を

これと同時に、閉園を予定している認可外保育施設を運営している法人の担当者が、経緯等をしっかり説明する機会も不可欠です。

子供や保護者の生活に欠かせない保育施設の閉鎖は、紙切れ一枚で伝えて良い物ではありません。然るべき担当者が丁寧に説明し、利用者の理解に努めるべきです。

同園以外にも数多くの認可外保育施設の経営が不安定になっているでしょう。コロナ禍に耐えられず、閉園に踏み切る施設が続出しても不思議ではありません。

最後に、頂いたメールの一文をご紹介します。

長く通っていて、先生方がとても良かっただけに本当に残念ですし、先生方も再就職先を探さないといけなく非常に疲弊された顔をされておりました。

こういった事が、今後起こらないためにも、簡単に適当な思いで保育園を作らせないためにもよろしくお願いします。