「キッズライン」が提供するベビーシッターのマッチングアプリを利用して預かった男児の下半身を触ったとして、元保育士の男が逮捕されました。
———–
(6/17追記)
逮捕された1人目のシッターは、、驚く事に疑惑によってキッズラインの登録を抹消された直後に別のベビーシッターサービスへ応募していたそうです。
実は、昨年11月~複数のわいせつ事件を起こして5月に逮捕されたベビーシッターの男は2019年11月25日、私の会社にも求人応募があった。(エントリー時点で不審な点があり不採用にしたため面識はない。)衝撃的だったのは、応募のタイミングが容疑がかかり、ベビーシッターマッチングアプリの登録を抹消されたと思われるすぐ後だったこと。5月の報道で容疑者の名前を見た瞬間、恐怖で震えた。
執拗に幼児を付け狙う犯罪者、「怖い」としか言い様がありません。
———–
(6/12追記)
別の男性シッターが逮捕されました。異常事態です。
女児にわいせつ行為の疑い アプリ派遣のベビーシッター逮捕
東京 目黒区のマンションで5歳の女の子にわいせつな行為をしたとして、マッチングアプリを通じて派遣されていたベビーシッターが警視庁に逮捕されました。このアプリをめぐっては、別の男もわいせつな行為をしたとして逮捕されています。
逮捕されたのは東京 大田区蒲田の職業不詳、荒井健容疑者(30)です。
警視庁によりますと、ことし4月下旬から先月にかけて、ベビーシッターとして派遣されていた目黒区のマンションなどで5歳の女の子の体を触るなど、わいせつな行為をしたとして、強制わいせつの疑いが持たれています。
当時、女の子の母親は、新型コロナウイルスの影響で在宅勤務をしていたため、ベビーシッターを紹介するマッチングアプリを通じて、8回にわたって荒井容疑者の派遣を依頼していたということです。
警視庁によりますと、母親の目が届かないマンション内や近くの公園のトイレで繰り返し女の子の体を触ったとみられています。
調べに対し、容疑を認めたうえで、「気持ちをおさえきれなかった」と供述しているということです。
荒井容疑者は、保育士と幼稚園教諭の資格があり、おととし7月、ベビーシッターを紹介するマッチングアプリに登録していました。(以下省略)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200612/k10012468521000.html
プレスリリースが掲載されています。
一部報道にあります通り、誠に遺憾ながら、新たに別の男性保育士サポーター1名への被害届が提出されていることは事実で、現在警察の捜査に協力しております。この度はご利用者様及び関係者の皆様にご迷惑をおかけしておりますことを、心よりお詫び申し上げます。(中略)
【6月12日追記】
本日15時過ぎに、上記の被害届が出ていた該当サポーターを警察が逮捕したと弊社に連絡がございました。
詳しい被害状況は、下記サイトに掲載されてます。
【速報・詳報】キッズラインのシッター2人目、わいせつ容疑で逮捕 内閣府補助対象、コロナで休園中に被害
https://news.yahoo.co.jp/byline/nakanomadoka/20200612-00182683/
コロナ禍で在宅勤務している最中、隣室に保護者がいる部屋や外遊びに出掛けた公園で犯行に及んでいました。あまりに大胆、そして卑劣な手口に絶句しました。
シッターサービスを利用している方、利用を検討している方、そして現にキッズラインのシッターを利用している方は是非ご覧下さい。
———–
これを受け、キッズラインは対策を打ち出しました。「男性シッターの原則業務停止」です。
男性シッターによるサポート一時停止のお知らせ
本日2020年6月4日14時から、男性シッターによる新規予約受付を一時停止いたしますので、お知らせいたします。
5月3日に弊社よりお知らせをさせていただきましたが、過去に登録していた男性サポーターが逮捕されたことを重く受け止め、様々な安全管理の対策のみならず、性犯罪撲滅のためにも、社内に安全対策委員会を設置し、専門家とも度重なる協議を重ねてまいりました。
弊社としましては、国や自治体との性犯罪データベースの共有が実現することや、安全性に関する充分な仕組みが構築されるまで、また、専門家から性犯罪が男性により発生する傾向が高いことを指摘されたことなどを鑑み、男性サポーターのサポート(家事代行を除く)を一時停止することといたしました。
現在、男性サポーターをシッター利用されている方で、同じ方に引き続き利用を希望されるご家庭は、サポートセンターにご相談ください。
弊社のベビーシッターはほとんど全ての方が高い評価を受け、創業依頼100万件を超える依頼を受け運営してまいりましたが、一部風評が広がってしまっていることも誠に遺憾で、サポーターの皆様にも安心して活動していただけるよう、またお客様にも安全安心でご利用いただけるよう断腸の思いで一時停止させていただきます。
弊社としては、お客様へのアンケートやヒアリングなど調査を重ねるとともに、性犯罪防止や安全管理に関する十分な仕組みを構築し、男性サポーターの活動も再開できるよう、今後も安全対策委員会、また専門家とともに引き続き検討を重ねてまいる所存です。
大変ご迷惑をおかけし恐縮ではございますが、ご理解いただきますようお願い申し上げます。(以下省略)
容易な対策の一つである一方、様々な指摘が噴出する内容です。大手会社が安直に取り得る方法ではありません。
一つずつ指摘していきます。
国・自治体との性犯罪データベースの共有?
国や自治体との性犯罪データベースの共有が実現すること
不可能な話です。国や自治体が一民間企業と性犯罪データベースを共有する筈がありません。
現在、刑事罰を受けた保育士について、都道府県が保育士登録の取消を行っています。しかし、徹底されているとは言えません。
わいせつ行為などの犯罪で刑事罰を受けた保育士について、神奈川、岐阜、愛知の3県が、児童福祉法に基づく保育士の登録の取り消しをしていなかったことが19日までに分かった。厚生労働省が明らかにした。
取り消しが漏れていたのは、神奈川1人、岐阜1人、愛知2人。厚労省によると、うち神奈川と愛知の1人は事態の発覚を受け、登録が取り消された。残る2人も県が取り消しの手続きを進めているという。
児童福祉法は禁錮以上の刑を受けた場合などに、刑を終えてから2年間は保育士として登録できないと定めている。保育士は資格取得後、都道府県に登録して現場で働く。取り消さなければならない事案が起きた場合、都道府県が手続きをするが、把握が難しい現状がある。
https://r.nikkei.com/article/DGXMZO46284440Z10C19A6CC0000?s=3
自治体内でも徹底されていないデータベース、それを国も交えて自治体間や民間企業で共有するのは極めて困難でしょう。「できない事を言い訳にしている」としか思えません。
安全性に関する仕組み
安全性に関する充分な仕組みが構築されるまで
シッターマッチングサービスの前提が「安全性に関する十分な仕組み」です。これは女性シッターでも男性シッターでも変わりありません。
現時点でこうした仕組みを構築できていないのであれば、女性シッターの安全性も担保できない事を露呈しています。
「今は安全性に関する十分な仕組みがありません」と自白している様なものです。
しかも利用するのは何も判断や抵抗ができない乳幼児です。最高水準の安全性が求められる業務です。
その為に保育所等は保育士数・保育室の広さ等の安全基準が厳格に定められています。
同水準の基準をシッターサービスに要求するのは酷かもしれません。しかし、同社の主張は唖然としてしまいます。
驚くのはシッター募集ページの記載です。報酬面やわずか5時間程度の前準備でシッターを始められる点を強調しています。
これでシッターの安全性を担保できる筈がありません。
性犯罪は男性からより発生する傾向
専門家から性犯罪が男性により発生する傾向が高いことを指摘された
確かに子供に対する性犯罪者は男性が多くを占めているでしょう。
だからといって、全ての男性シッターをシャットアウトするのは過剰な対策です。適切な保育を行っている多くの男性シッターを締め出してしまいます。
また、一部の問題がある女性シッターには継続してマッチングサービスを提供し続けます。「女性シッターは安心です」と証明している様なものです。
男女の性差別を助長する様な取り扱いです。
公的助成の対象にも
しかも、キッズラインが提供するマッチングサービスは、「幼児教育・保育の無償化」や内閣府による公的助成の対象とされています。
自治体から認可を受けた世帯の3歳から5歳までのお子様については、認可外保育施設(キッズラインの幼保無償化対象シッター)の利用料(月額3.7万円まで)が無料になります。
内閣府シッター割引券
内閣府ベビーシッター派遣事業割引券の補助のご利用に関してよく頂くご質問をまとめております。政府の政策である企業主導型ベビーシッター利用者支援事業の補助金として利用できる当券の利用対象者や使用条件などの使い方、ご利用における注意点などをご説明しております。
性差別を公言し、安全性に関する仕組みが構築できていない企業が提供するサービスは、果たして公的助成の対象として相応しいのでしょうか。
性犯罪者の登録を防止し、安全なサービスを提供するのは決して容易ではないでしょう。しかし、シッターのマッチングサービスを提供するのであれば、そうした仕組みを構築する責任があります。
しかも利用者は、判断能力や対処能力がない乳幼児です。メルカリと同列に取り扱うわけにはいきません。