保育所保育料のみなし寡婦控除の適用について、大阪市会で補正予算案の審査が行われています。
既に適用を導入している自治体が徐々に増える中、川崎市では保育所保育料の計算に際して寡婦控除をみなし適用する様に不服申立てが行われようとしています。

川崎の女性 切実訴え 未婚ひとり親への寡婦控除みなし適用
2014年5月14日

 川崎市多摩区に住む未婚の母親(25)が、離婚や死別によるひとり親家庭への税法上の「寡婦控除」を、未婚のひとり親にもみなし適用するよう、十五日に市に申し立てる。市は「早期実現へ検討を進める」と議会答弁しているが、実現時期は不明。「早く進めて」との切実な声が上がる。 (山本哲正)

 この母親には四月、長男(4つ)の本年度保育料として昨年の年収百五十七万円に基づき年間約二十万円の請求がきた。寡婦控除がみなし適用されれば、約十九万円は差し引かれる。母親は「親の経済状況は子どもに影響するから、現状は市子どもの権利条例に反し、未婚に不利益なのは憲法の平等原則にも反する」と主張する。

 未婚の親への寡婦控除のみなし適用を実施している政令市は、婚外子の相続差別を憲法違反とした昨年九月の最高裁判決を受け、本年度からの相模原市を含め八市。母親は川崎市にも期待していたが請求額に落胆した。

 子の父親はパチンコ通いなどお金にだらしないといい、結婚せずに別れた。金を出さずに子への面会を求める相手に、子の認知はさせられないという。

 母親の一カ月の収入は事務や倉庫作業のアルバイトで十五万円。生活費、保育料のため仕事は休めない。

 母子家庭の経済的苦難を知り、岡村テル子市議(公明)は市議会でこの問題を取り上げた。市から「みなし適用を含め不平等の解消を検討」(昨年十二月)、「早期実現に向けて」(三月)との答弁を引き出した。

 市子ども福祉課の担当者は「早い時期での実施をと思うが、時期も含め今はまだ分からない」と話す。

 川崎市内のひとり親世帯は約七百五十世帯(二〇一〇年国勢調査)。申し立てをする十五日は国際家族デー。母親は「私の行動で、ほかにも立ち上がってくれる人がいるかも。変化が起きれば」と期待する。
(以下省略)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/kanagawa/20140514/CK2014051402000110.html

みなし寡婦制度は大きく2パターンに分類されます。
(1)保育所保育料のみに適用する(堺市・大阪市(市会で審議中)など)
(2)幼稚園保育料やその他子育てを中心とする各種施策で適用する(池田市新潟市など)

不服申立てを行った方はブログを開設しており、本件に関する記述も行っております。
一個人のブログなのでリンクは張りません。
ただ、関連するキーワードで検索するとすぐに見つかります。

未婚と非婚における不合理な差別を解消するという観点からみなし寡婦控除の適用が主張される一方、未婚と非婚で違いを設けるのは合理的な区別という主張や、そもそも戦争未亡人を想定した寡婦控除自体が時代遅れであって保育料等は父母の所得のみで計算すべき等、様々な主張があるでしょう。

審査請求に対して川崎市がどの様な裁決を行うか、注目していきたいです。
(年収等から計算した保育料やみなし適用後の試算保育料に不思議な点があったので、今後の報道等では修正されるかもしれません)