京都市では「待機児童ゼロ」を達成したそうです。
ただ、依然、特定保育所への希望する等して保育所へ入所できなかった児童は少なくありません。

京都市「待機児童ゼロ」  近畿政令市初、保育所増設で

京都市は20日、市内で認可保育所への入所を希望しても入れない「待機児童」が今年4月1日時点でゼロになったと発表した。保育所の新増設など受け入れ枠の拡大を続けてきた結果としている。「待機児童」が現在の定義になった2002年以降、近畿の政令市でゼロを達成したのは初めて。ただ、条件によっては入所できなくても待機児童には該当しないケースがあり、今後も課題は残る。

市によると、市内の待機児童数は05年度にピークの271人を記録した。市は民間保育所に補助金を積極的に交付し、新設や増改築などを促してきた。保育所定員はこの10年で計1990人分拡大し、13年度だけでも495人分増えた。自宅などで少人数の子どもを預かる昼間里親などの拡大も進めており、この結果、昨春94人だった待機児童数は今春はゼロになった。

一方、市は保護者が入所を申し込んでも育児休業中などで子どもの面倒を見ることが可能だったり、市が紹介した保育所を断って特定の保育所だけを希望したりする場合は、現在の国の定義に基づいて「待機児童」にカウントしていない。このため、今年4月の入所申し込み児童数は実際の入所児童数(2万8868人)より931人多いが、これらの多くは待機児童にあたらないとしている。

このほか保護者が「入所は厳しい」と判断して申し込みをしないなど、潜在的な保育需要が存在することも指摘されている。

政令市では昨年度に横浜など4市が、本年度も千葉、福岡の両市が待機児童ゼロ達成を発表している。

門川大作市長は記者会見で「子育て環境を高めることは人口減少社会への大きな挑戦だ」と「ゼロ」の意義を強調した上で、「今後もニーズにあった多様なサービスや保育の質向上に努めたい」と話した。

【 2014年05月20日 23時04分 】

http://www.kyoto-np.co.jp/top/article/20140520000168

詳細なデータは京都市役所HPに掲載されています。

保育所入所児童,待機児童等の状況について
市長記者会見資料(PDF形式, 192.83KB)
http://www.city.kyoto.lg.jp/hokenfukushi/page/0000166681.html

上記会見資料で注目したのは下記の点です。

1.平成20年度以降に民間保育所新設・増改築・分園設置で49カ所、昼間里親12カ所、小規模保育事業等6カ所、計67カ所で受入能力の向上等を図った

平成20年度の保育所入所児童数は25,572人だったところ、平成26年度には28,868人と3,296人、率にして13%も増えています。
同期間で入所申込児童数はほぼ同数の3,267人増えており、保育所新設等による受入能力の拡大が効いてます。

目を引いたのは「小学校入学前児童数に占める保育所児童の割合」です。
平成25年度で42.5%、そして平成26年度では43.5%と高い数字になっています。
大阪市の場合は平成25年度で35.5%です(大阪市の保育所入所待機児童数について その2)。

保育所に対するニーズは地域に於ける世帯・就労・幼稚園等の状況によって異なります。
平成25年度の大阪市の保育所入所待機児童数について その2によると、いわゆる待機児童(特定保育所等への希望者を除外したもの)が発生している区で最も保育所在籍率が高いのは、浪速区の39.8%(12人)でした。
また、在籍率と待機児童数には明らかな負の相関関係(在籍率が低いほど待機児童数が多い)が見受けられます。
大阪市が待機児童ゼロを達成しようとする場合、少なくとも在籍率40%を見越した保育所等の整備が必要になると推測されます。