「古い」という理由で品川区が廃棄したオムツが、様々な業者を経てフリーマーケットサイトに出品されていました。

品川区の備蓄おむつ、廃棄のはずが転売 フリマアプリで


(男性が購入した乳幼児用の紙おむつ。段ボールには「平成26年度 品川区災害対策用品」と書かれた紙が貼ってある)

 東京都品川区が災害対策のために備蓄し、その後、廃棄処分に回した乳幼児用の紙おむつが、フリマアプリ「PayPayフリマ」で販売されていたことが9日、朝日新聞の取材でわかった。出回った経緯は把握できていないという。

 区防災課によると、11月5日、台東区在住の男性から「紙おむつを購入したら、『平成26年度 品川区災害対策用品』という貼り紙が貼られた段ボールが届いた」と連絡があった。同課が調べたところ、区が業者に廃棄を依頼したはずの紙おむつが、埼玉県戸田市のリサイクル業者によってフリマアプリや通販サイトなどで販売されていた。

 この男性によれば、10月下旬に同アプリで「グーン テープオムツ Mサイズ84枚入 3パックセット(2100円)」と「グーン テープオムツ Mサイズ84枚入 6パックセット(3800円)」を購入した。3日後、自宅に商品入りの段ボールが届いたが、すべての箱に「平成26年度 品川区災害対策用品」という貼り紙があるのに気づいたという。

 そもそも、なぜ区は紙おむつを廃棄したのか。

 同課の説明によれば、乳幼児用の紙おむつには「メーカー推奨使用期間」があり、期間は3年~5年だった。そこで、2014年度(平成26年度)に納入した紙おむつなどの衛生用品約4千点について、今年8月下旬、区内の薬業協同組合に廃棄と新規購入を一括して依頼した。(以下省略)

https://digital.asahi.com/articles/ASMD9539ZMD9UTIL02V.html

焦点となっているオムツ(3パックセット)は、アマゾンでは約4,700円で販売されています(後継商品)。

PayPayフリマでは半額以下の値段で出品・販売されていました。また、同フリマでは出品者が送料を負担する仕組みです。

子育て世帯では、Mサイズのテープオムツは大量に利用します。私がこのサイズのオムツを必要とする時期にこの出品を見つけたら、即座に購入したと思います。

品川区は「メーカー推奨使用期間」を過ぎた事を理由に廃棄したそうです。そもそも、同区はこのオムツを廃棄処分する必要があったのでしょうか。

実はグーンのウェブサイトに「古いおむつは使えますか?使用期限はありますか?」という質問が掲載されています。

Q.古いおむつは使えますか?使用期限はありますか?

A.紙おむつは、使用している材料の化学変化が小さいので、食品と異なり年月が経過しても、すぐに使用できなくなるものではありません。そのため、特に使用期限は表記していません。きちんとした状態で保管されていた場合は、製造後約3年は使用可能な状態だと思われます。

<保管時の注意点>

衛生用品ですので、湿気・直射日光にあたらないように、ほこり・虫などが侵入しないように保管してください。
湿気・直射日光にあたらないところで保管してください。中に使用しているパルプや高分子吸収材が湿気を帯び、吸収力に影響が出る可能性があります。
紙おむつに使用している細い伸縮材(細いゴム状の素材)や後処理テープの粘着状態に若干影響がでることがあります。
また、周囲の臭気を吸いやすい状態ですので、強い臭いのするものの近くに置かないように注意してください。
古いおむつを使用する前には、変色がないか、伸縮材や粘着材が効くか、虫などの侵入がないかを確認してください。

https://www.elleair.jp/qanda/baby.php

オムツは段ボール箱に入った状態で届いたので、このままの状態で倉庫等に保管されていたのでしょう。保管場所等に問題は無かったと思います。

しかし私の経験では、パッケージを空けていない古いオムツは実用するのに差し支えはありませんでした。吸水能力や見た目に問題を感じた事はありません。

品川区の対応は理想的です。しかし余りに杓子定規だと感じました。わざわざ廃棄処分せずとも、利用出来る状態だったと思います(問題があれば見た目で分かる)。

区立保育所で利用する、区内の児童養護施設等に寄付する、区役所トイレに置いて乳幼児に利用してもら等、活用する方法はいくらでもあります。

そもそも「メーカー推奨使用期間」を大幅に超過したオムツを保管していたのが問題です。

杓子定規の対応を貫くと、処分直前に災害等が発生しても子育て世帯に配布できません。避難した子育て世帯は「馬鹿な事を言うな。すぐに使いたい!」と怒ります。

「メーカー推奨使用期間」を過ぎる前に新しいオムツと入れ替えると共に、古いオムツは何らかの形で区民に還元すべきでしょう。

話は変わりますが、災害対応物資の使用期間管理は我が家も悩んでいます。

昨年の台風被害依頼、災害時に1-2日間ほど籠城できる水や食料を備蓄する様にしています。しかし、日頃使う機会がない物なので、気づくと使用期間が迫ってきています。

古い物資は日常生活で定期的に利用して新しい物資と入れ替えるのが理想ですが、日々の生活が忙しいと気が回りません。

被災時には使用期間云々は無視して使ってしまうと思いますが・・・・。