0歳児定員と1歳児定員の不均衡は、私も以前から指摘し続けている問題です。
保育園入所の基準について
保育所について
1.保育所の0歳の定員を減らして1歳以上の定員を増やしてほしい。
2.入所にかかる順位表の中で、経済的状況(基準日が1~8月の場合は前々年)を「前々年が育児休業中のものにあっては育児休業に入る前の年」としてほしい。現在0歳の子供の養育をしています。
来年4月の保育園入所を目指していますが、早生まれのため4月には1歳での入所となります。
全国的に言われていますが、保育園は0歳での入所が一番入りやすく、1歳以降では0歳から進級する児童がいるためにごくわずかな募集人数しか無いのが現状です。大阪市では認可保育園については生後半年以降しか預けることができないため、10~3月産まれの子供は希望する保育所に入所するのが難しく不公平感を感じてしまいます。
また、4~9月産まれの子供であっても、0歳で入所させなければ待機児童になる可能性が高くなるため、もう少し自宅で保育したい、育児休業を延長できる場合でも0歳で預けている例が多くあると思います。
一方、基準では保育士一人当たりみることのできる児童の数は、0歳児よりも1歳児以上の方が多いため、0歳児の定員を少なくして、1歳児以上の人数を増やすことが実情に合っているのではないかと思います。
また、入所にかかる順位表の中で、『経済的状況(基準日が1~8月の場合は前々年)』とありますが、1歳4月での入所をする場合、同学年でも4月産まれの場合は基準となる前々年の半分は育児休暇中のため(育児休業給付金は非課税)、所得金額は低くなるなど、産まれ月が早ければ早いほど有利になってしまいます。就労状況申告書で育児休業について記載しているので、育児休業に入る前の年での比較も不可能ではないと思います。
すぐに対応できる問題ではなく、またどこかでの線引きは必要とは理解していますが、これ以上、生まれ月での不公平感を軽減できるようご配慮いただきたいと思います。
https://www.city.osaka.lg.jp/seisakukikakushitsu/page/0000485332.html
長らく大阪市の保育所等一斉入所では「1歳児入所倍率が最も高い」という状況が続いています。
2020年4月一斉入所の中間発表ベースでは、0歳児入所倍率が0.89倍、1歳児が1.39倍、2歳児が1.35倍、3歳児が1.26倍となっています。
単純に計算すると0歳児は全員が入所できる一方、1歳児は3人に2人程度しか入所できません。
実は0歳児も1歳児も募集予定人数はほぼ同じです。しかし、申込人数は1歳児が2500人以上も多く、入所倍率の違いに繋がっています。
全ての子育て世帯に0歳児入所できる機会があれば、まだ公平かもしれません。
しかし、年度後半に生まれた児童は原則として0歳児一斉入所へ申し込めません。0歳児年度途中入所や1歳児一斉入所へ申し込むしかなく、不公平感は尽きないでしょう。
あくまで推測となりますが、1歳児入所枠が少なくて0歳児入所枠が多いのは、(1)0歳児年度途中入所枠の確保、(2)私立園が園児を早期に囲い込みたい為、ではないかと感じています。
0歳児入所枠に余裕があれば、年度途中に生まれた0歳児も5月以降に入所できます。夏に向けて0歳児定員が埋まっていく施設は少なくありません。
ただ、一斉入所で第1希望が集中する保育所では4月から定員が充足しています。余裕があるのは人気が集中しない保育施設が専らです。
問題があるのは「囲い込み」でしょう。0歳児段階で園児を獲得できれば、この先6年間の経営が見通せます。進級に伴って入所する園児も少ないので、安定した保育ができるのかもしれません。
中には非常に偏った入所枠を設定している保育所もあります。
例えば「0歳児定員12人、1歳児定員12人」という施設です。退所者が発生しない限り、1歳児入所は不可能です。きょうだい加点がある児童すら入所できません。
とは言え、単純に0歳児定員を減らして1歳児定員を増やせば良い、という話ではありません。
1歳児定員を増やしてしまうと、翌年の2歳児以降の定員や入所枠に影響が生じます。保育施設の面積基準や保育士配置基準に抵触する恐れが生じかねません。
短期的に解決する方法としては、新設保育所の入所枠は1-3歳児に重点を置く様に指導する方法が考えられます。既設園での定員変更は影響が生じかねませんが、新設園ならば比較的スムーズです。
また、地域型保育事業は1-2歳児定員を重点化する考え方もあります。地域型保育事業の0歳児募集枠は年度後半でも余っている施設が少なくありません。
こうした募集枠を1-2歳児に振り替える、もしくは当初から1-2歳児募集枠を手厚くしておけば、多くの1-2歳児の保育の場が確保できます。
市民の声で指摘されている通り、保育負担が重い0歳児定員を減らせれば、保育施設の負担も軽減されるでしょう。保育士不足の解消にも繋がります(微々たるものですが)。
これらは決して難しい方法ではありません。
なお、経済的状況(基準日が1~8月の場合は前々年)の基準年はいろいろと難しい問題です。同じ審査プロセスで判定するので、基準期間も同一とするのが原則です。