大阪市は市内4か所目となる児童相談所を、鶴見区今津南1丁目に設置する方針を決定しました。

児相「4特別区」カバー 鶴見区に8年度設置

 大阪市は30日、市役所で戦略会議を開き、市内4カ所目となる児童相談所(児相)を鶴見区の市有地(約2300平方メートル)に設置することを決めた。児童虐待への対応を強化するためで、令和8年度の開設を予定している。

 大阪市の児相は現在、中央区(浪速区に移転予定)と平野区にあり、3年4月には東淀川区に3カ所目が開設される。

 市の児童虐待相談件数は、平成25年度の3193件から、30年度には6316件に倍増。虐待を受けた子供らを保護する児相併設の「一時保護所」の定員超過も常態化し、児相の増設が急務となっていた。

 4カ所目の建設予定地は鶴見区今津南の自動車部品工場跡地の市有地。この日の会議では、JR放出駅から徒歩5分という利便性や必要な床面積が確保できることから、最適な土地であると説明された。

 大阪市を廃止し特別区に再編する大阪都構想では、市を4特別区に分ける案が提示されており、4カ所目が現在の鶴見区内に置かれれば、全特別区に児相が設置されることになる。

 松井一郎市長は記者団に「特別区になってもならなくても、大阪市には4カ所の児相が必要だ」と強調した。

 会議ではこのほか、府市で港湾を一体的に運用するための新組織「大阪府市港湾局」(仮称)を共同設置することも決まった。来年10月の業務開始を目指し、開会中の府市両議会に関連議案を提出する。

https://www.sankei.com/life/news/191031/lif1910310003-n1.html

設置場所は大阪府大阪市鶴見区今津南1丁目3−30です。現在は駐車場として利用されています。コノミヤ放出店の裏手ですね。

大阪市公有財産データベースで「公害工場跡地 鶴見区今津南1丁目 2376.43平方メートル」と記載されている土地が該当地でしょうか。

目的は2点です。増加する児童虐待への対応と、大阪都構想によって分割される大阪市の各特別区のそれぞれに児童相談所を設置する為です。

児童相談所の増設は素直に評価できます。

子育て世帯が何か相談したくても、また児相職員が訪問等を行うにしても、児相と子育て世帯が物理的に離れていると支障を来します。

児相増設と同時に、職員の増員等も必要です。ただ、残念な事に大阪市は「会計年度任用職員」という形で募集を行っています。

大阪市こども相談センター(児童相談所)では、以下の会計年度任用職員を募集しています。

児童相談所における業務
総合相談窓口相談員   家庭復帰支援員   保護状況調査員  ケース・マネジメント・アドバイザー   児童虐待通告調査員 児童虐待ホットライン相談員   施設退所児童等自立支援コーディネーター 重症心身障がい児訪問相談員   医療事務   里親等相談支援員 里親等委託調整員   里親包括支援相談員   生活支援相談員 里親子専門心理相談員   家族再統合担当心理職員 療育手帳判定員   児童心理判定員  

一時保護所における業務
一時保護所指導員    個別対応指導員   一時保護所対応指導員 一時保護所学習指導員   こども教育専門員   一時保護業務員 栄養士 

https://www.city.osaka.lg.jp/kodomo/page/0000483506.html

本気で子育てを支援し、虐待への対応を強化するのであれば、「正規職員」で採用すべきです。

就職氷河期世代も含めるように年齢制限を緩め、年齢に見合う待遇等を打ち出せば、様々な優秀な人材が応募するでしょう。大阪市の子育てに貢献できます。

ケースワーカーや大阪市教委での講師採用に代表される通り、大阪市は教育や福祉分野での会計年度任用職員の募集が目立っています(他の自治体も似たり寄ったりでしょうが)。

肝心な「人」がいなければ、箱物を作っても無駄です。

また、「各特別区への児童相談所設置」は、公明党が求めていた条件の一つでした。

 公明側が今年5月、都構想賛成にあたり維新側に要望した条件は、住民サービスの維持▽移行コストを最小限に抑える▽現24区役所の窓口機能の維持▽全4特別区に児童相談所を設置-の4つ。

https://www.sankei.com/west/news/191105/wst1911050037-n1.html

分割後の大阪市特別区が児相を保有するのは、良い考えだと思います。

ただ、報じられている内容によると、令和8年度は大阪市が既に分割される時期に相当します。分割が決定していない段階で、これを見越した設置計画を推進するのは違和感があります。