公募が行われている大阪市の小規模保育事業、31カ所の募集(公募資料によると32カ所)に対して75事業者が応募したそうです。

大阪市の「小規模保育」運営に75事業者が応募…ビジネスチャンスの企業、保育士の不足が課題
2014.4.20 20:16

待機児童解消を目的に大阪市が10月に導入する「小規模保育」の運営事業者の公募で、設置予定の38施設(定員最大722人)に対し事前登録の締め切りまでに75事業者が応募したことが20日、分かった。参入可能になった株式会社が半分程度を占めるとみられ、新たなビジネスチャンスとなっていることを浮き彫りにした。大阪市の待機児童446人(昨年10月現在)の約9割を占める0~2歳児の受け入れ先として期待されるが、不足する保育士の確保が課題になりそうだ。

大阪市は10月から38カ所を開設するため3月に運営事業者の募集を開始。事前登録を締め切った4月11日までに施設31カ所に75事業者の登録があった。登録のなかった7施設は再公募となる。市は詳しい内訳を公表していないが、「民間はかなりの数に上る」(担当者)といい、半数程度が株式会社とみられる。

保育園向け各種商材を製造・販売するビティー(大阪市平野区)も、東住吉区と住吉区の2カ所に応募した。すでに施設として賃貸物件を確保し、調理場には自社開発の衛生的なシンクや殺菌装置などを導入する方針。松本行正社長は「保育園との長いつき合いを生かし、施設運営にも進出したい」と語る。

運営事業者の積極的な参入姿勢の一方、保育士は慢性的な不足が続く。大阪府内の2月の保育士の有効求人倍率は2・21倍と、求人に対し保育士の求職者が大幅に少ないのが現状だ。

厚生労働省が昨年5月に実施した調査によると、保育士の資格を持つハローワークの求職者3万2千人のうち1万6千人が保育士としての就業を希望していなかった。「賃金が希望と合わない」「責任の重さや事故への不安」といった理由が多く、厚労省関係者は「責任の重さに見合う待遇がないと考えられているのではないか」としている。

小規模保育 国が待機児童の解消のため平成27年度に全国導入を目指す制度。定員は6~19人。運営主体は社会福祉法人だけでなく、株式会社や個人でも可能で、国から助成金が出る。55平方メートル以上のスペースがあれば、0~2歳の幼児を19人を上限に預かることができる。定員20人以上の認可保育所と比べ広さなどの基準が緩やかなのが特徴。待機児童解消を急ぐ自治体は前倒しで始めることができ、都内の12市区や仙台市などが導入している。

http://sankei.jp.msn.com/west/west_economy/news/140420/wec14042020160002-n1.htm

現在、「H26保育所・小規模保育施設公募シリーズ」と称して、各区毎の公募地域を取り上げて背景等を記しています。
各区・地域毎の保育ニーズを踏まえ、公募地域が設定されたと考えられます。

再公募となる7施設は福島区(4)・此花区(5)・大正区(9)・淀川区(15)・旭区(20)・住吉区(27)・平野区(31)となっています。
福島区や此花区はそれぞれ同一地域で2事業者の公募を行っていましたが、1事業者の応募しかなかった様子です。
双方とも0-2歳児の待機児童が多い地域なので、再公募に応募する事業者が現れるのではないでしょうか。

一方、大正区・淀川区・旭区・住吉区・平野区の公募地域は既存の保育施設が周囲にあったり0-2歳児保育に対する強いニーズがあるとは考えにくく、採算性の観点から応募がなかったと推測されます。
再公募を行っても事業者が現れるか、ひょっとしたら難しいかもしれません。

また、運営に必要な保育士の募集も重要な課題です。
大阪市の小規模保育事業においては、職員の内、1/2以上を保育士とするとされています。
既存の施設型認可保育所でも保育士の不足感が強く、小規模保育事業が年度途中に十分な保育士を確保できるかは重要な問題です。
ただ、認可保育所と比較して勤務時間が短く、また施設が小規模なので、こうした勤務条件にマッチングする潜在保育士を掘り起こすのがカギでしょう。

運営事業者が選定されるのは6月上旬、開設されるのは10月1日の予定です。