大阪市のH30保育所等一斉入所後の待機児童数が公表されました。

 大阪市は、育休中でも復職の意思が確認できれば子供を待機児童に含めるなど、定義を拡大した厚生労働省の新基準を昨年10月統計分から適用しており、今回も新基準での発表となった。昨年4月時点の待機児童は旧基準で325人で、政令市では岡山市(849人)に次ぐワースト2だった。旧基準では今年4月の待機児童は37人になる。

 吉村市長は10日の記者会見で、「待機児童ゼロは達成できなかったが、背中は見えてきた。手綱(たづな)を緩めずに取り組みを続ける」と述べ、来年4月の実現を目指す方針を強調。67人のうち、半数以上を占める1~2歳児の受け入れ強化が必要だとの認識を示した。

 大阪市ではここ数年間、毎年約2千人分の保育所入所枠を整備。29年度は予算を例年の約3倍に拡充する手厚さで、入所枠も約4700人分に広げ、受け皿確保を急いだ。このほか、保育所を分園(増設)する場合の賃借料補助や、市役所や区役所、市営住宅などの市有施設への保育施設設置、保育士らの人材確保策にも力を入れている。

 市によると、4月1日時点で保育所などの在籍児童数は前年比1209人増の5万1271人。希望の保育所などに入れない保留児童数は同486人減の2503人だった。

https://www.sankei.com/west/news/180511/wst1805110014-n1.html

区別・施設別・年齢別・点数別といった詳細な数字は、大阪市ウェブサイト「保育所等の待機児童数(平成30年4月1日現在)を公表します」に掲載されています。

 大阪市における平成30年4月1日現在の待機児童数は、前年度4月1日から258人減少し、67人となりました。なお、前年度までの厚生労働省旧基準の比較では、平成29年4月1日時点の325人から288人減少し、37人となりました。

 大阪市では、最重要施策として保育所等利用待機児童の解消に向け、認可保育所、認定こども園や地域型保育事業の整備等の取り組みを行うとともに、保育の担い手を確保するための保育人材確保対策等により、利用枠の確保に努めてまいりました。

 その結果、平成29年度においては、新たに4,745人分の利用枠を確保し、保育所等在籍児童数は前年度より1,209人増加し51,271人となり、また、新規利用申込数が161人減少したこと等により、保育所等利用待機児童数は、昨年度の同時期に比べ減少となりました。

 今後も、引き続き利用枠の拡大に努めるとともに、様々な保育資源を有効に活用しながら、子育て世代の視点に立ったサービスを展開し、待機児童の解消をめざします。

http://www.city.osaka.lg.jp/hodoshiryo/kodomo/0000434753.html(リンク先に詳細資料あり)

点数制を導入して以来、大阪市は保育所等一斉入所の結果を積極的に公表しています。ここまでの数字を公表している自治体は、恐らく関西ではありません(ご存じでしたら教えて下さい)。

強いて言うと「施設別・年齢別の入所最低点」も公表されると完璧ですね(一部の区役所では、窓口等で教えてくれると聞きます)。

来週以降、公表された数字を基に掘り下げていく予定です。ざっと数字を見た範囲では、大半の区(特に都心部)でH29一斉入所より入所者の点数帯が下方へシフトしていました。昨年まではギリギリ入れなかった方が入れた形です。

私が重視している「入所保留児童数」も2,989人→2,503人へと減少しています。入所決定率が向上しました。

吉村市長は「待機児童ゼロを実現出来なかったのは努力不足です」という趣旨を述べています。

しかし、ここ数年にわたって保育所等への入所状況を見ている限り、待機児童ゼロは当初から極めて高いハードルだと感じていました。待機児童ゼロを実現出来なくても、保育所等の新増設によって入所しやすくなったのは紛れもない事実です。

今後は待機児童ゼロを実現する為に、淀川区・城東区・都心6区等への新増設に重点を置く計画が公表されています。

平成31年度も数多くの保育所・こども園が開所します!

大阪市全体としての保育所等への新規入所申込者は、恐らくはピークを越えました。しかし、子育て世帯の都心部への集中等により、地域的な偏りはなお存在し続けます。

来週、「第7回大阪市待機児童解消特別チーム会議」が開催されます。平成最後の一斉募集はどうなるのでしょうか。