認定こども園さくら保育園(大阪府八尾市)での保育士(園長・副園長夫婦の息子)による園児への強制猥褻事件、遂に園児の保護者が提訴に踏み切りました。5月27日付けです。

希望先へ転園できない児童も、調停難航中か
八尾市議会で請願不採択、調停は大阪地裁へ移送
八尾市議会で請願審査、集団・個別転園の判断期限は12月12日
保護者有志が現地での保育継続を願う署名実施・民事調停申立、八尾市は集団転園先での保育事業者を内定
ちちんぷいぷい(MBS)で特集、保護者が請願書を提出へ
グッディ!で大特集、生々しすぎる猥褻行為と口止め、バイキングでも特集
「とくダネ!」で大特集
保育士30人全員退職の衝撃、在園児は集団転園か(10/24)
来年3月末に休園・1年後に再開したい意向、在園児は強制転園?、逮捕された息子を庇い続ける園長・副園長
第2回保護者会で園長夫妻は園児への猥褻行為を全否定、謝罪せず
和田敬之容疑者(保育士、さくら保育園の園長・副園長の息子)を園児への強制猥褻で起訴
大阪府八尾市の認定こども園「さくら保育園」で働く男性保育士(園長・副園長の息子)、園児に強制猥褻で逮捕

こども園休園問題で保護者が提訴

大阪・八尾市にある認定こども園が、保育士が園児の体を触るなどして逮捕・起訴されたことをきっかけに休園した問題で、転園を余儀なくされた園児の保護者たちが27日、市が適切な指導をしなかったなどと主張して損害賠償を求める訴えを起こしました。

大阪地方裁判所に訴えを起こしたのは、八尾市にある認定こども園に子どもを通わせていた保護者10人です。

このこども園では、去年、保育士として働いていた園長と副園長の息子が子どもの体を触ったなどとして逮捕され、強制わいせつの罪で起訴されています。

事件のあと、こども園はほかの保育士の退職希望が相次いだため、ことし3月に休園することになり、転園を余儀なくされた園児の受け入れ先などを市が調整していました。

訴えでは、こども園は事実関係の調査や再発防止策などを怠り、市も適切な指導をしなかったなどと主張して、こども園側と市にあわせて550万円の賠償を求めています。

提訴した保護者は「こども園の勝手な事情で、子どもが突然ばらばらに転園させられ苦しんでいる。なぜこんな対応が許されるのか問いたい」と話しています。

一方、八尾市は「訴状が届いていないのでコメントできない」としています。

https://www3.nhk.or.jp/kansai-news/20190527/0015961.html

 大阪府八尾市の私立認定こども園が突然休園したため転園を強いられ、精神的な苦痛を受けたとして、元園児の保護者10人が、園を運営する社会福祉法人や理事、園を監督する同市などに慰謝料など550万円の損害賠償を求める訴訟を27日、大阪地裁に起こした。

訴状などによると、この園では昨年6月、理事長の息子の男性保育士(31)が園児への強制わいせつ容疑で大阪府警に逮捕された。その後、他の保育士が相次いで退職を希望するなど園の運営が混乱し、市は今年3月に休園を認可した。

原告側は、運営法人の理事らが理事長を解任するなどの措置をとらなかったため、保育士の信頼を失って大量の退職希望者を出して休園に至ったと主張。市は法人に適切な指導・助言をせず、休園を認めたと訴えている。

原告となった元園児の父親は提訴後に会見し、「こどもたちが新しい園になじむには時間がかかる。理不尽を強いられたやり場のない気持ちがある。このようなことは二度とあってはならない」と話した。

市は今年4月、園児の受け入れ先として、別の運営事業者による認定こども園を新たに開園。だが、一部の保護者が「遠くて通えない」などとして、市議会に以前の園の継続を求める1万2千人以上の署名と請願書を提出。東大阪簡裁に調停も申し立てたが、不調に終わっている。

八尾市は「訴状が届いておらず、事実関係を把握できないのでコメントは差し控える」としている。

https://www.asahi.com/articles/ASM5W4SB0M5WPTIL01N.html

原告は元園児の保護者10人です。

そして被告は、認定こども園さくら保育園を運営する社会福祉法人さくら会、同法人の理事、同園を監督する八尾市です。

こども園の運営責任、法人理事としての任務懈怠責任、監督官庁としての監督責任を問う内容となるのでしょう。

詳しい内容は、さくら保育園に通園させていた保護者(ツイッター)に掲載されています。

本件ではさくら保育園や法人役員は一貫して弁明に終始し、自らに何らかの責任があると認めてきませんでした。

また、八尾市は適切な指導や監督を行わず、さくら保育園に肩入れするかの様な態度に終始しました。

八尾市は新たな経営者を迎え入れて同園を継続する、集団転園の便宜を図ると行った措置を行わず、最終的には同園に通っていた園児を遠く離れた他園へ追い出しました。

実は八尾市が適切に対応していれば、ここまで拗れる問題ではありませんでした。さくら保育園の経営者一族が問題を引き起こし、八尾市が炎上させたと感じています。

対照的だったのは、大阪市や東大阪市の対応でした。適切に対応し、保育園の継続や園児の転園先の確保に奔走しました。

【ニュース】みるく保育園(東大阪市)を承継する社福法人を公募しています

【6/30追記】高等森友学園保育園が6月30日で閉園

こうした事情が影響したのか、先の統一地方選では八尾市の現職市長が落選しました。様々な施策が批判に晒されたのでしょう。

八尾市長選挙で現職落選、子育て世帯の批判票が各地の選挙に影響?

新理事長・園長が就任

今更感はありますが、今年4月に新理事長・園長が就任しました。

運営体制を一新しました

認定こども園さくら保育園は、現在休園しております。

平成31年4月の理事会におきまして理事長と園長を新たに選任して心機一転新しい体制で保育事業の再開に取り組む事となりました。(中略)

平成31年4月吉日 社会福祉法人さくら会 新任理事長 山本隆一

http://www.ans.co.jp/n/y-sakura/pdf/taisei.pdf

職員を募集しています

認定こども園さくら保育園は、平成31年4月1日から休園しています。このたび新しい理事長及び園長が就任し、新たな体制になりました。(中略)

採用時期についてはご相談にのります。まずは保育園にお電話をお願い致します。

担当理事兼園長 藤井威

http://www.ans.co.jp/n/y-sakura/pdf/shokuin.pdf

新理事長に就任した山本隆一氏、新園長に就任した藤井威氏の経歴は不明です。

インターネットで検索すると医療関係や社会福祉関係の出身者がヒットしますが、同一人物かは分かりません。

ただ、前理事長の影響力が完全に排除されたかは定かではありません。

実は就任挨拶として掲載されたPDFファイルは「作成者 和田秀之」と記されています。元理事長・元園長です。

新理事長・新園長と前理事長に何らかの関係があるか否かは、訴訟に対するスタンスで見えてくるでしょう。傍聴席にも注目です。

(6/7追記)
産経新聞が取り上げました。

わいせつ事件起きても休園しないで 保護者「継続性」訴える背景

(中略)しばらくして、新年度以降の休園方針が保護者に伝えられた。

 ただ、慣れ親しんだ同園へ引き続き通えるよう求める声は少なくなかった。保護者らは同年12月、休園回避へ民事調停を申し立て、経営陣の刷新などを運営法人に求めたが応じず、今年5月、慰謝料など計550万円を求めて提訴に踏み切った。

 休園後、園児ら約160人は市内の別の園へ通園するようになった。

 「園側の身勝手な理由で、なぜ子供たちが放り出されなければならないのか。理解できない」。原告の保護者の一人は提訴後、大阪市内で開かれた会見で怒りをあらわにした。

 わが子の通園先で事件が起きたにもかかわらず、保護者が同じ園での保育を求めるのには理由がある。

 ある園児は通園時間がこれまでの5分から30分に伸びた。自宅を出る時間を早めたが、園児の生活リズムが崩れ、頻繁に夜泣きするようになった。就寝前には、「(元の)園に行きたい」と漏らすという。

 「(転園先に)行きたくない」「○○ちゃんともっと遊びたかった」とこぼすようになった園児も。精神状態が不安定になったため、通院するようになった園児もいるという。

 環境の変化で崩れたバランス。「保育の継続性」と呼ばれるもので、専門家は幼い子供にとって極めて重要な要素だとする。(以下省略)

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190604-00000550-san-soci

保護者や園児に対し、社会福祉法人さくら会は八尾市は何らの責任も認めていません。存在しているのは「無責任」です。