認定こども園さくら保育園(大阪府八尾市)での保育士(園長・副園長夫婦の息子)による園児への強制猥褻事件、事態は泥沼化しています。

保護者有志が現地での保育継続を願う署名実施・民事調停申立、八尾市は集団転園先での保育事業者を内定
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12月以降の動きを整理します。

八尾市議会で請願審査

保護者有志が八尾市議会へ「現地での保育継続を願う」趣旨の請願を提出しました。

【さくら保育園・12/5追記】保護者有志が現地での保育継続を願う署名実施・民事調停申立、八尾市は集団転園先での保育事業者を内定

これにつき、八尾市議会にて審査が行われました。各会派からの質問や八尾市の見解を引用します。

紹介議員(共産党)から保護者の思いを代弁した趣旨説明が行われ、「1人,2人と転園をし、子どもたちが、お友達がどんどんいなくなって寂しいと言っている。」と現状を紹介。休園はありえず、この場での保育の継続を子どものために実現をして欲しいと保護者の思いを紹介しました。

紹介議員に対して、各議員が質問しました。

【民主系市議】
「こんな問題を公の場で議論する事に、ちゅうちょはないのか」

【自民系市議】
「この問題がマスコミに取り上げられたことは遺憾だ。どう思っているのか。」

【八尾市】
「休園は望ましいとは思わないが、この社会福祉法人が、この場での事業再開を目指しているので、市がこの場を借りて保育を継続するとか、他の法人が行うとかは無理です。だから休園はしかたない・・・・旨。」
「(職員が退職し、新しい職員を採用できない理由は)マスコミの影響です。市も同じ考えです。」
「(社会福祉法人が)社会的信頼を失っているかどうか、客観的事実が無くわかりません。」

【請願に対する態度】
採択賛成 日本共産党
採択反対 公明・自民系・民主系・大阪維新

http://yuko.jcp-web.net/?p=3486 より一部引用(括弧内は引用者追記)

こうした質問や答弁が事実であれば、論点ずらしにすらなっていない論点ずらしでしょう。

当事者が求めているのは「休園問題の原因、八尾市の責任、保育継続の為の努力」です。しかし、これらに八尾市は何も答えていません。

「休園問題」を報道したマスコミに嫌悪感を示し、今からでも臭い話題に蓋をしたい態度が垣間見えます。

集団・個別転園の判断期限は12月12日

さくら保育園に在園している児童の保護者に対し、八尾市は「来年度からどの施設での保育を希望するか」を12月12日までに回答する様に迫っています。

12月12日までに転園をするか山本南に移動するか決めなくてはなりません。

ところが、「夙川学園に決定しました。」はHPでの広報のみ。保護者にはA4の簡単な概要を書いたお知らせのお手紙だけ。最低保護者説明会を開き、夙川学園がどのような保育を行う考えなのか、引継ぎはどうするのか説明を行い、12日までの判断を保護者ができるようにすべきです。

保護者が、思い余って市役所に電話すると、「山本南に移動した園児対象に2月に保護者説明会をする予定です。」(!?)と言われたとか。

しかも、前回の保護者説明会では、市はさくら枠を私立の保育園のご協力で作りますと豪語していたのが、5園で約10弱人足らず。場所も遠方で志紀とか久宝寺などです。この枠を在園児で競い合うということです。

転園にあたってのさくら加点もありません。(認定こども園への継続園の公立の保育所の園児の転園は加点アリ。)

保育サポートの方は、さらに大変で、選択肢が大幅に狭まっています。

今でも延長保育ギリギリまで仕事がある。山本南に移動するともう今の仕事は続けられない。体力が持つかどうかわからない。など不安と懸念の声が広がっています。

12日までに最低保護者説明会を開いて、転園か山本南か決めさせて欲しい!との声広がっています。

http://yuko.jcp-web.net/?p=3495

さくら保育園や八尾市が休園を回避する意向を全く示さない以上、この様に期限を設定して保護者へ判断を求めるのは予想された出来事でした。

仮に方針が変わらないとしても、集団転園先の保育所を運営する事業者が説明会を開催して保育内容等を示し、保護者が判断する材料を提供すべきでしょう。

公募から内定までは1カ月という短期間でした。見事な手筈です。保護者への対応と180度違うものです。

集団転園ではなく、別の保育所等へ個別に移りたい保護者も少なくない様子です。しかし、個別転園用の入所枠は10人弱、しかも距離が離れた保育所が中心だそうです。

また、一般的な入所枠に応募しても加点措置がないそうです。高等森友学園保育園の休園に際して最大限の優先転所措置を行った大阪市と比べ、八尾市の消極性が際立ちます。

高等森友学園在籍児童への優先転所措置が公表

集団転園先は3kmも先、個別転園は激戦、一般入所では優遇措置無しです。休園に対して何ら責任がない保護者・園児に対して、余りに冷たい仕打ちです。

江戸時代であれば、一揆や焼き討ちが行われても不思議ではありません。

ある保護者の方が語っていたそうです。

「市役所が、ワイセツ事件での逮捕・起訴のときから、子どもと保護者の立場に立って対応してきたなら、休園を避けるための手立てを全力で講じていたなら、万策尽きたと山本南の提案にもついていきます。」

「しかし、社会福祉法人が自らの行いで社会的信頼を失った結果の休園を、社会福祉法人がその自覚が無く、社会的信頼を取り戻す努力をせず、休園で幕引きとし、市も同じ立場に立っている。その幕引き休園のために、税金を使って代替え施設を用意し、在園児は移動させられるは、納得がいかない。」

私も同感です。

さくら保育園の園長・副園長の息子(保育士)による園児への猥褻問題から発した休園問題は、このまま闇に葬られるのでしょうか。