実父による虐待によって死亡した栗原心愛さんは、児童相談所に保護された際に「父親の栗原勇一郎容疑者に下着を下ろされた」等と訴えていました。

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 千葉県野田市の小学4年、栗原心愛(みあ)さん(当時10)が虐待死したとされる事件で、心愛さんが県柏児童相談所に一時保護されていた際に、父親の勇一郎被告(41)=傷害致死罪などで起訴=に下着を下ろされたなどと訴えていたことがわかった。性的虐待の疑いがあると医師が診断したものの、約2週間後に柏児相は保護を解除していた。

 県の虐待対応マニュアルでは、性的虐待の疑いは保護の緊急性を高くすべきケースにあたる。保護の解除にあたって医師の診断がどう評価されたのかなどは明らかになっておらず、一連の経緯を検証している国や県は、重要な焦点として児相や関係者への聞き取りを進めている。

 関係者によると、心愛さんは2017年11~12月の保護期間中、医師や柏児相職員らに対し「(父親から)夜中に起こされ、窓の外に誰かいるから見てこいと言われた」場面について話した。「パパが急にズボンを下ろしてきた。パンツも脱げて『やめてよ』と言ってすぐに上げたら、パパから『そんなこと言うとバレるだろ』と言われた」と打ち明けたという。

 さらに、寝ている時に起こされて手で口と鼻をふさがれ、「息ができなくて死ぬかと思った」「朝起きたら唇が腫れていてマスクをして学校に行った」などと身体的な虐待も訴えた。母親がいない時や就寝中に、こうした被害に遭っていたという。

 診断した医師は「暴力行為だけではなく性的虐待を含み、(心愛さんの)恐怖心はかなり強い」との所見をまとめた。心愛さんが「父親の悪夢を見る」ほどで、不安になったり被害内容が話せなかったりする症状も出ていたため、12月中旬、「PTSD(心的外傷後ストレス障害)の状態と診断される」とした。

 勇一郎被告は一時保護中の柏児相との面接で、こうした虐待を否定している。(以下省略)

https://digital.asahi.com/articles/ASM597WSQM59UDCB010.html

女の子はおととし11月、小学校のアンケートに父親の暴力を訴え、児童相談所に一時保護されましたが、その際、医師が、父親から暴力に加えて性的虐待を受けている疑いがあるとする診断結果をまとめていたことがわかりました。

関係者によりますと女の子は医師らに対し、父親から受けた虐待の1つとして「急にズボンを下ろされ、下着も脱げたことがあった」と訴えていたということです。

女の子は一時保護の際、PTSDの疑いがあると診断されていたこともわかっていますが、児童相談所は診断のおよそ2週間後に一時保護を解除し、その後、両親のもとに戻す決定をしました。

この事件をめぐっては、千葉県の第三者委員会が当時の児童相談所の対応について検証を進めています。

県の幹部はNHKの取材に対し「性的虐待が疑われる行為が確認されたのが1回だけだったため、当時、関係者の間では重くは受け止められなかったようだ。女の子の尊厳に関わることなので、県から積極的に明らかにすることはできなかった」と話しています。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190514/k10011915481000.html

明らかな性的虐待です。

千葉県子ども虐待対応マニュアルには、性的虐待に対する対応策等が繰り返し記載されています。

性的虐待
・ 子どもへの性交、性的行為(教唆を含む)。
・ 子どもの性器を触る又は子どもに触らせるなどの性的行為(教唆を含む)。
・ 子どもに性器や性交を見せる。
・ 子どもをポルノグラフィーの被写体などにする。 など

(4) 性的虐待の初期対応の留意点
性的虐待は、その他の虐待に比べて発見が困難なうえに客観的証拠に乏しく、子どもの心身に生涯にわたって深刻なダメージを与える。被害を確認し阻止するためには、些細な兆候をとらえて即座に調査を始めなければならない。通告受理後は直ちに(原則的にはその日の内に)一時保護の判断を要するため、市町村で性的虐待の通告を受けた場合は、直ちに児童相談所へ送致する等、迅速な対応が必要である。また、誘導・教唆を避けて正確に被害を聴き取り、今後の対応につなげるために、特に関係機関からの通告に対しては、それ以上子どもに対して被害を訊ねないこと、守れない約束(「誰にも内緒にするから話して」等)をしないこと、子どもとの接触と安全確保への協力を依頼する。

性的虐待など家族関係の維持が不適切な場合には家庭復帰は避け、子どもが自立する支援計画を立てることが必要である。

性的虐待を繰り返していた父親、嫌がる子どもを施設から連れ帰った父母に対して親権喪失宣告が認められたことがある。

https://www.pref.chiba.lg.jp/jika/gyakutai/jidou/sankou/documents/honnpennsyoshikihenn.pdfより一部引用

10歳の娘の下着を下ろすとは、気持ち悪いとしか思えません。

千葉県柏児童相談所は、身体的虐待に加えて性的虐待も行われていた事実を把握していました。

しかし、栗原勇一郎容疑者はこれを否定しました。児童相談所とのやりとりを経て、勇一郎容疑者は「心愛が性的虐待を児相に告げ口した」と認識した筈です。

児相は心愛さんを父親の下へ帰してしまい、虐待行為は水面下で継続し続けてしまいました。

日々の業務に忙殺されているとは言え、柏児童相談所が心愛さんの訴えに真摯に耳を傾けず、事態を軽視したのは否めないでしょう。心愛さんを見殺しにした構図です。

それと同時に、勇一郎容疑者の異常性・残虐性がより強く印象づけられました。

心愛さんを浴室で裸にし、殴る蹴るの暴行、首を絞める、排泄させて大便を握らせる、これらの虐待を撮影する、食事を与えない、死亡後も死後硬直が始まるまで放置、そして一連の行為を躾と強弁しています。

「おかしい」としか言い様がありません。