大阪市、17の庁舎に保育所開設へ 空き会議室など活用
大阪市は新年度から市役所と区役所に計17カ所の保育施設をつくり、0~2歳児266人を受け入れる。待機児童解消に向けた取り組みの一環だ。
大阪市の待機児童は昨年4月1日時点で325人。特定の保育所を希望するなどして入所できなかった潜在的な待機児童を含めると、2989人に上る。大阪市は17年度予算に117億円、新年度予算案に85億を計上して保育所の開設を進めているが、賃料などの問題で開設場所を確保できない場合がある。
このため、市役所の本庁舎と空き会議室などを確保できた16区の区役所で、社会福祉法人や株式会社などに場所を貸し出すことにした。4月に市役所など15カ所で開設し、9月にさらに2カ所で開設する。居住地にかかわらず申し込める。市役所本庁舎では、1階の正面玄関近くにあった授乳室を別の場所に移して95平方メートルを確保。0~2歳児を対象に定員15人の小規模保育園を開設する。
19日に視察した吉村洋文市長は「役所の中に子どもたちのためのスペースを設けることで、大阪市として待機児童対策に正面から取り組んでいるという意思を示したい」と語った。 自治体の庁舎内保育所は、東京都の都議会議事堂の一角に2016年に設けられた例などがある。
腰痛による休養から復帰したばかりの吉村市長が、市役所本庁舎内に設置された小規模保育施設「キッズハーモニー・なかのしま」を視察しました。当日の様子は他メディアも取り上げています。
・大阪市役所内に保育施設 待機児童解消へ活用 吉村市長が視察(産経新聞、動画あり)
・役所内保育所 大阪市17カ所 来月運営開始(毎日新聞)
・吉村市長 市役所内保育施設視察(NHK)
区役所は各区の中心部にあります。区内で働くにも、鉄道で通勤するにも便利な場所にあるでしょう。
また、こうした地域は賃料が高い事が多く、更には保育所等に適した物件が多くありません。全般的に保育所等が不足している地域であり、区役所等を貸し出して小規模保育を整備する効果は無視できません。
庁舎内保育施設はH30一斉入所2次調整で募集されました。全定員を一度に募集するので入所しやすい事もあり、当ウェブサイトで相談された方も数人が入所されます。
市民目線で気になるのは「賃料」です。中之島の一等地の家賃は幾らなのでしょうか。具体的な金額は大阪市庁舎内保育施設設置・運営事業者募集要項に掲載されています。
大阪市役所本庁舎内保育施設(約95平方メートル)の場合、月額賃料は221,340円(定員14人の場合、収益分析法)とされています。
坪あたりの賃料は約7,700円です。付近の不動産相場と比べると破格の安さです。使用目的が保育施設と限定されている、そして契約関係が私法上の賃貸借契約ではなく「行政財産の目的外使用許可」に基づく為です。
売却によらない行政財産の有効活用と、市民ニーズをくみ取った保育施設の整備は良い組み合わせです。
行政財産を用いた保育施設の整備は、今後も積極的に進められていく見通しです。天王寺区真法院町・中央区森之宮・大正区等で計画されています。