アメリカのマンションが崩落した事故かと思いきや、大阪市西成区で住宅が崩落していました。
25日午前7時20分ごろ、大阪市西成区の住宅地で、崖の上に建っていた住宅1棟が、のり面の下に倒壊した。けが人はいない。両隣の住宅も崩れ落ちる危険性があり、周辺に避難を呼びかけている。
現場は、大阪市西成区天下茶屋東の住宅地で、午前7時20分ごろ近くで工事をしていた関係者が、「崖から水が漏れだした」と近くの交番に届け出た。
その後、のり面の上に建つ2階建ての住宅が傾き始めたことから、警察が周辺の住民に避難を呼びかけていたところ、午前7時半ごろ、 突然住宅がのり面の下の工事現場に崩れ落ちた。
けが人は、いない。近所の住民によると、倒壊した住宅は以前から「崩落の危険がある」として立ち入り禁止になっていたということ。両隣の住宅も崩れ落ちる危険性があり、周辺に避難を呼びかけている
崩落した瞬間を撮影された方がいます。
崖の上の家が崩落した。
※無断転載禁止#阿倍野 #災害 #西成#斎場 #崩落 #崖崩れ pic.twitter.com/txacDRI3Kc— osmm (@osmm8008) June 24, 2021
現場は大阪市西成区天下茶屋東2丁目1−2付近です。天下茶屋保育所、大谷中学校・高等学校や阿倍野墓地のすぐ近くです。
ここは標高が急激に変わっている場所です。階段の高さで実感できるでしょう。台地の上が阿倍野区、台地の端や下が西成区です。
台地の端っこギリギリに立てられた建物でした。擁壁が適切に管理されていなければ、建物が崩落してしまいかねない場所です。一言で言うと「建てたらダメな場所」でした。
崩落を引き起こしたきっかけだと指摘されているのは、擁壁下の空き地(湿地)です。
ここは天下茶屋湿地とも呼ばれる場所です。市内では数少ない自然の湿地が広がっていました。
古よりこの付近では良質な地下水が湧き出ていました。この地で豊臣秀吉が茶を嗜んだことから「天下茶屋」との地名が名付けられました。
ここでサービス付き高齢者住宅の建築工事が進められていました。が、工事中に崖から水が漏れ出しました。崖内部の地盤を支える地下水が足りなくなり、崩落したのではないでしょうか。
(6/28追記)
崩落箇所に隣接している大阪市立天下茶屋保育所は、当面の間は臨時休園するそうです。
崖の上に残された1軒。6月25日~28日の住宅の様子を比較すると、土台の土が削られ徐々に家が傾いているようにも見えました。こうした状況から、現場近くの保育所は倒壊初日から臨時休園になっていますが、保護者は…
(保育所の保護者)
「びっちり働いている人もいると思うし、めっちゃ困ると思います。仕事なんで(ずっと休む)そういうわけにもいかないし。すごく困っています、お金もないし」再開日は未定ですが、再開しても今の状態で通わせるのには不安を感じるといいます。
(保育所の保護者)
「怖いですね、今まで通り行かすかすかと言ったら、うーんとちょっと考えます。保育所(に行く階段を)降りているときに崩落が起きたらと思うと怖いです」https://www.mbs.jp/news/kansainews/20210628/GE00038994.shtml
更に崩壊して保育所に被害を及ぼす可能性を考えると、園を再開するのは躊躇われます。
しかし、臨時休園が続いてしまうと困る保護者は非常に多いです。出勤できず、親も臨時休業するしかありません。巻き込まれた保護者や家庭への補償も必要です。少なくとも、保育料や主食代等は返金して欲しいですね。
(6/29追記)
大阪市立天下茶屋保育所が再開しました。
5日ぶりに再開した『大阪市立天下茶屋保育所』は倒壊した住宅のある崖のすぐ下にあり、6月25日から園児らに危険が及ぶとして臨時休園していました。大阪市などによりますと6月28日、保育所の一角に高さ3mの鉄製のバリケートを設置するなど一定の安全が確保されたとして再開を決めました。
大阪市は子どもたちを登園させるかについては保護者の自主的な判断に任せているとしていていますが、29日は園児・約70人のうち半数近くが登園したということです。
https://www.mbs.jp/news/kansainews/20210629/GE00039009.shtml
休園が長引くと本当に困ってしまいますね。防護壁を整備し、恐らくは外遊びも取りやめているのでしょう。
崩落しかけているもう1戸の住宅の撤去を進め、子供が安心して外で遊べる環境を作って欲しいです。
(7/2追記)
今日から撤去工事を行うので、天下茶屋保育所は今日から6日まで臨時休園するそうです。