先の市長選で当選した吉村洋文大阪市長が市議会で施政方針演説を行いました。子育て世帯を重点的に支援していく方針を鮮明に打ち出しています。

https://www.youtube.com/watch?v=VUvDk-pIzho

吉村洋文大阪市長(大阪維新の会政調会長)は25日の市議会で、就任後初の施政方針演説に臨み、平成28年度から保育所と幼稚園に通う5歳児の保育料の無償化に取り組む方針を示した。市の担当者は「政令市での無償化実施は聞いたことがない」としている。

吉村市長は「子供の教育費、医療費、無償都市大阪」と理念を掲げた上で、「親の経済格差が子供の教育格差につながることがあってはならない」と訴え、全ての子供に教育の機会を保障する考えを表明した。

演説後、記者団に5歳児無償化は「来年度から実施したい」と述べ、任期中に段階的に対象年齢を広げるとした。5歳児無償化には、国などの助成を除いた市独自財源が最大で約33億円必要という。

演説では、経済的に恵まれない家庭を支援する「子供の経済困窮対策チーム」を設立し、自らトップの座長を務める意向や、「子供と子育て世代を切れ目なく支援する」として妊婦健診の公費負担と18歳までの医療費助成を拡充する方針も示した。

http://www.sankei.com/west/news/151226/wst1512260036-n1.html

大阪市の吉村洋文市長が25日、市議会での施政方針演説で、大阪を子育てや教育施策に重点を置く「子どもの教育費・医療費無償都市」にすると宣言した。

吉村氏は「力を入れて取り組みたいのは子育てと教育。現役世代や子どもが元気でないと、大阪を豊かにできない」と表明。具体的な施策として、医療費助成の範囲を現行の中学校修了時から18歳までに拡充▽民間事業者を活用した保育所整備▽5歳児の保育料無償化――などに取り組む、とした。自ら座長となり、低所得世帯の子どもを対象にした政策を検討する「子どもの経済困窮対策チーム」を発足。児童福祉司の拡充による児童虐待防止などに取り組むことも盛り込んだ。

http://www.yomiuri.co.jp/local/osaka/news/20151225-OYTNT50289.html

施政方針演説から、子育て世帯に関係する部分(趣旨)を引用します。

【総論】
・市民サービスの拡充、大阪の改革と成長を目指したい
・現役世代への重点投資、とりわけ子育て、子どもの教育が重要
・次代の大阪を担う子ども達・孫達が素晴らしい教育をしっかり受けられる環境、親たちが子育てしやすい環境をしっかり作ることが重要

【子どもの教育費、医療費無償都市大阪】
・子どもの教育費、医療費無償都市大阪を目指す
・親の経済格差が子どもの教育格差に繋がってはならない
・子ども達を同じ土俵に乗せ、等しく学び、成長出来るように支えるのが目指すべき将来像
・象徴的なのが子どもの教育費、医療費
・成熟した先進都市では子どもの教育費、医療費は無償であるべき、無償化都市を目指したい

【医療費】
・医療費助成を中学校修了から18歳までの拡充を目指す
・これにより出産から高校卒業まで医療費実質無償化を実現できる
・妊婦健診の公費負担を拡大

【教育費】
・大阪府では高校授業料実質無償化があり、大阪市において拡充すべきは幼児教育の無償化
・子どもの教育費無償都市大阪を実現できる
・幼児期の教育は将来にわたる人格形成の基礎を作る重要なもの
・まずは保育園、幼稚園5歳児の無償化に取り組んでいく
・全ての子ども達に教育の機会を保障したい

【中学校給食】
・民間事業者による保育所、小規模保育事業の拡充により、待機児童ゼロを目指したい
・中学校給食は弁当デリバリー方式から親子方式、自校調理方式による100%学校調理へ転換したい

【その他】
・ICT教育、英語教育を充実させたい
・バウチャー事業者の切磋琢磨による、子どもの教育を充実させたい
・子どもを巡る問題が深刻化している
・親が子育ての不安感を抱え込んでいる
・子どもの経済困窮対策チームを設立する
・子ども、子育て世代を支える事が、ひいては高齢者世代を支えることになる

https://www.youtube.com/watch?v=WlixfJHRHUc

施政方針演説の半分を子育て世帯への重点投資に割いています。財源問題・細かい部分の是非はありますが、こうした方針は子育て世帯にとって本当にありがたいものです。

少し気になるのが無償化によって最も大きな経済的メリット受けるのが高所得者層、という点です。現在の保育料表を見てみましょう。

保育所等(保育標準時間)
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市立幼稚園・私立幼稚園(新制度)
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(市立幼稚園在園児及び平成27年度の新入園児は、経過措置として卒園まで現行水準と新制度保育料を比較して低い基準を適用します。)

平成27年度 子ども・子育て支援新制度にかかる利用者負担額(保育料)より作成

保育所・幼稚園保育料(新制度移行園)の保育料は応能負担とされています。高所得者は高い保育料を、低所得者は低い保育料を支払い、生活保護世帯等は免除されています。

仮に5歳児の保育料が無償化されると、高所得世帯は月額20,200円(幼稚園)から29,800円(保育所)の経済的メリットを受ける一方、低中所得世帯はそれを下回るメリットに留まります。特に高所得世帯の3-5歳児は、平成27年度からの保育所保育料改定により、既に保育料が最大で月額5,000円も引き下げられています。

吉村市長が主張する「全ての子どもに教育の機会を保障したい」のであれば、5歳児の一律無償化ではなく、子育て費用の負担に苦しむ中低所得世帯を重視した方法が求められるのではないでしょうか。

今後の議会等での議論が楽しみです。