正月明けに唖然とするニュースが報じられました。松山政司内閣府特命担当大臣の私的諮問機関として設置される、「少子化克服戦略会議」で議論される議題です。

脱少子化へ有識者会議

 内閣府は5日、子育てに関わる施策を有識者が幅広く議論する「少子化克服戦略会議」を設置すると発表した。今月下旬に初会合を開く。6月をめどに提言をまとめ、経済財政運営の指針「骨太方針」に反映させる。

 戦略会議では、国や自治体だけでなく企業やNPOなどを巻き込み、社会全体で子育ての機運を盛り上げる取り組みについて検討。具体的には(1)商店街の空き店舗を活用した授乳スペースの整備(2)鉄道など公共交通機関でのベビーカー置き場の拡充(3)液体ミルクや電動自動車といった子育てを助ける商品の開発の促進--などを議論する。
https://mainichi.jp/articles/20180106/ddm/008/010/097000c

想定される主な議題として「商店街の空き店舗を活用した授乳スペースの整備、公共交通機関でのベビーカー置き場の拡充、液体ミルクや電動自動車といった子育てを助ける商品の開発の促進」が挙げられていました。

確かに子育てにとって、あればありがたい環境や商品です。でも、これは有識者会議で議論すべき内容なのでしょうか。「少子化の原因」を適切に把握しているのでしょうか。

嫌な予感や疑問を持ったまま3週間、「少子化克服戦略会議」の第1回会合が行われました。嫌な予感は的中しました。

少子化克服戦略会議 6月めどに提言取りまとめへ

少子化に歯止めをかけるため社会全体で子育てを支えようと、政府の有識者会議の初会合が開かれ、高齢者による子育てボランティアの拡大など具体策の検討を進め、ことし6月をめどに提言を取りまとめることになりました。

内閣府で開かれた「少子化克服戦略会議」の初会合には、学識経験者やNPO法人の代表など12人の委員が出席しました。

はじめに松山一億総活躍担当大臣が「去年の出生数の推計値が、94万1000人と過去最少となった。社会全体で少子化を克服するための大胆な取り組みを加速することが重要であり、従来の発想にとらわれずに、幅広い視点から対応策を検討してほしい」とあいさつしました。

会議では、具体的な方策として、高齢者による子育てボランティアの拡大や空き店舗を活用した授乳スペースの整備、それにおむつ替えのスペースがすぐにわかるスマートフォン用アプリの開発などの検討を進めていくことになりました。

そして、ことし6月をめどに提言を取りまとめ、ことしの経済財政運営と改革の基本方針、いわゆる「骨太の方針」に反映させることを確認しました。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180122/k10011297891000.html

少子化対策へ有識者会議が初会合

 松山政司少子化相は22日、子育ての支援策を議論する有識者会議の初会合を開いた。企業やNPOの少子化対策への関わり方や、IT(情報技術)を活用した子育て世帯の支援策などを話し合う。6月をめどに提言をまとめる。松山氏はあいさつで「待機児童解消や幼児教育無償化に加えて、社会全体で少子化を克服する取り組みを進めたい」と語った。

 「少子化克服戦略会議」と銘打つ会議には、子育て支援に取り組む企業や地方自治体、研究機関の関係者と関係省庁のメンバーが参加。初会合では、参加者が今後の検討事項をそれぞれ指摘した。「働き方改革が進むなか、保育園の近くに雇用を創出するなど働きながら子育てをしやすくできないか」「大学生など、若者へのアプローチが重要ではないか」といった意見が出た。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO25988100S8A120C1PP8000/

会議で提案された内容は下記の通りです。
・高齢者による子育てボランティアの拡大
・空き店舗を活用した授乳スペースの整備
・おむつ替えのスペースがすぐにわかるスマートフォン用アプリの開発
・保育園の近くに雇用を創出する
・大学生など、若者へのアプローチが重要

松山大臣が発言したとおり、「従来の発想にとらわれずに、幅広い視点から対応策」です。

しかし、効果を上げるとは全く思えません。こうした内容で少子化が克服できているのであれば、とうの昔に出生率・出生数は上向いているでしょう。

提案内容は子育て世代をバカにしているとしか思えません。だから少子化が進んでいます。