関東でも関西でも同じ様に保育士が不足しているそうです。
給与が少なければ思う様に応募が集まらないのも仕方ないでしょう。
一方、保育士の給与を増額する為には自治体等からの交付金・補助金を増額するのが必要不可欠ですが、保育料の値上げという形で家計に跳ね返ってくる可能性は否めません。
保育所の新設に掛かる直接費用が逓増する状況にある中、保育所の新設に伴う負担に耐えきれなくなる自治体が生じるのも時間の問題かもしれません。
新設等による受け入れ枠の拡大が望めないとなると、入所希望者が増える中で真っ先に影響を受けるのは8時間勤務に満たず、200点を下回る方です。
入所面接で「パート勤務では恐らく第1希望保育所へは入所できないでしょう」と言われた話も耳にしました。

横浜市は待機児童「増加」 保育士不足の現状を取材しました。
神奈川・横浜市は、保育所の待機児童ゼロを2013年4月に達成しました。
しかし、10月の時点では、ゼロだった待機児童が231人にのぼることがわかり、横浜市は、さらに保育所を増やすなどして、待機児童ゼロを再度目指すことにしています。
全国的に見ると、保育所の数は年々増えていますが、保育士が足りないというのが現状です。
その現場を取材しました。

11月、東京都内で行われていた就職説明会。
採用担当者が必死でアピールするその職種は、保育士。
今、待機児童解消に向け、各自治体で保育所の増設が急ピッチで進められ、その陰で働き手の保育士不足が深刻化しているという。
採用担当者は「各園数名ずつ、保育士が現状として足りないというところもあるので」と話した。
しかし、保育士不足の原因は、施設が増えたことだけにとどまらない。
東京・日野市に住む専業主婦・佐竹綾乃さんは2年前、娘を出産した。
子育てが落ち着いてきたことから、昔からの夢だった保育士として働きたいと考えている。
その一方で、不安に感じているのが待遇面。
佐竹さんは「正直、すごく大変だったりすると…、もし給料が見合ってなかったりすると、迷っちゃうかもしれないです」と話した。
保育士の平均給与は、月21万4,200円。
全職種と比べても、およそ11万円以上少ない。
そのために就職に二の足を踏む人も少なくない。
厚生労働省は、保育士の賃金アップのため、補助金340億円を投入。
2014年度から、月収30万円の保育士で、月8,000円程度、賃金がアップすることになる。
しかし他業種との格差は、依然、大きなままとなっている。
佐竹さんは「いくら待遇がよくても、ただただ大変な仕事もありますので、そこはてんびんにかけていきます」と話した。
2013年4月に開園した横浜市の北寺尾むつみ保育園。
ここも保育士不足に頭を悩ませていた。
横浜・北寺尾むつみ保育園の長深田 悟園長は「これがそのときの印です。結局、ここも、ここも、(採用は)無理であったと」と話した。
開園の1年近く前から、保育士を14人募集したが、7カ月間で応募数はゼロだったという。
長深田園長は「このときはショックでしたね。(保育士が)全くいなかったということです」と話した。
その後、遊具の一部を中古品で購入したり、延長保育などの実施を決定することで、国からの補助を確保。
その差額分を1カ月2万円の給与アップなど、保育士の待遇改善に充てることにした。
その結果、開園直前となった2月末、ようやく定数ぎりぎりの人数を確保することができたという。
長深田園長は「必死で、どうなるかと思いましたね、寿命が縮まりました。職員(保育士)が集まらない限りはスタートできませんので、もう本当にほっとしましたね」と話した。
11日、待機児童ゼロ達成宣言から再び231人に増えたことを発表した横浜市。
現在、保育士獲得に向けて説明会を行うなど、取り組みをスタートさせている。
横浜市保育対策課・佐藤英一課長は「保育所の整備をしていくということでいうと、やっぱりどうしても、それに必要な保育士さんの確保っていうのは喫緊の課題になっています。やはり保育士さん、本当に大変な仕事です。給料も安いっていうようなことも言われています。その意味では、処遇改善ということでは、国の方に対して、やはりぜひ改善をしてくれっていうことで、要望をあげているところです」と話した。
http://www.fnn-news.com/news/headlines/articles/CONN00259553.html