あるツイートが話題を呼んでいます。

ツイートされた方は子どもを認可外保育施設へ登園させつつ、認可保育所の空きを待っています。いわゆる典型的な「待機児童」です。

しかし、驚くべき事に、市役所から「認可外保育施設へ登園している児童は待機児童に計上しない」という旨の連絡があったそうです。本当にこの様な取扱いが行われているのでしょうか?

過去のツイートから、この方は静岡県I市に住んでいると推測されます。サッカーチーム「ジュビロ磐田」で有名な街です。5月20日に静岡県内の待機児童等に関する発表がありました。

「潜在」待機児童1976人 静岡県が初公表
(2016/5/21 07:29)

利用可能な保育所があるのに特定の施設を希望することなどを理由に、待機児童数に算入されない子供の数が4月1日時点で県内に1976人いることが20日分かった。厚生労働省の定義から除外される、いわゆる潜在的な待機児童。県内の実態について県が初めて明らかにした。
県は併せて、定義上の待機児童数は449人だったと公表した。このことから実質的な待機児童は計2400人超に上り、健康福祉部は「潜在的な待機児童も含め、一刻も早く解消に努めたい」と説明した。
待機児童を巡り厚生労働省は特定施設にこだわるケースを「私的理由」としてカウントしていない。市町が独自に助成する認可外施設への入園についても、利用者負担が認可施設と差がないなどとして算入しない。親が育休を延長したり、求職活動を休止したりした場合も除外している。
県によると、1976人の内訳は「私的理由」が1148人▽市町の独自助成施設の入園417人▽求職活動の休止323人▽育休の延長88人。
一方、定義上の待機児童(449人)は過去最多だった前年から331人減らした。施設整備を大幅に進め、保育コンシェルジュの養成促進などにも効果があった。ただ、依然解消には至っていない。0~2歳児の割合が426人と95%を占め、前年に続き9割を超えた。3歳以上に比べ保育士を手厚く配置する必要があるため定員が限られるという。
内訳は県所管分が43人減の189人、静岡市が95人減の46人、浜松市が193人減の214人。掛川市と伊豆市、清水町は待機児童を解消した。前年ゼロだった4市町で待機児童が発生した。

http://www.at-s.com/news/article/education/etc/242684.html

静岡県内の待機児童は449人と発表されました。その中に、ツイートされた方が住んでいるI市は含まれていません。

市役所から連絡があったのは発表の前日、19日の日中でした。静岡県からI市の担当者に対して待機児童数等を確認する電話があり、I市担当者が待機児童へ計上しなかった世帯等へ承諾等を求める旨の連絡を行ったのでしょう。待機児童ゼロと発表する為の言い訳に聞こえます。

静岡県やI市は、ツイートされた方を「利用可能な保育所があるのに特定の施設を希望しているので待機児童から除外する」と判断したのでしょう。

しかし、「利用可能な施設」は極めて広範です。職場と反対方向だったり、自転車で20分以上も掛かる施設であっても、空きがあって入所しなければ「私的理由(特定施設希望)」とされてしまったのでしょう。自宅すぐ近くの保育所のみを希望していたら、待機児童から除外される始末です。

この様に待機児童の定義は曖昧です。言ってしまえば、担当者の裁量でどうとでも変えられます。いわゆる過小発表によって待機児童問題の進展を印象づける一方、実態と異なる数字が一人歩きして子育て世帯を苦しめる結果へ繋がってしまいます。

信頼できる数字は入所保留児童(潜在的な待機児童)です。入所申込をしたが、入所出来なかった児童数です。理由は問いません。

ツイートされた方が住んでいると推測されるI市では、各保育施設毎・年齢毎に入所を希望している児童数を公表しています(詳細はこちら)。

入所を待っている児童は、5月入園調整後の時点で「107人」となっています。理由の如何を問わず、4月1日時点で入所を待っている児童を「待機児童」として発表するのが筋でしょう。