そろそろ来年4月からの保育所入所の申込みが始まる時期となっています。
大阪市では10月1日から入所要綱を公表し、同中旬から入所申込みを行う予定となっています。
保育所や区役所には既にポスターが掲示されています。

さて、皆さんはどういった基準で保育所を選ばれるのでしょうか。
自宅からの距離、駅からの近さ、施設の広さや新しさ、ご近所さんの評判等、様々な基準があるかと思います。

でも、最も重要なのは「自分で感じた雰囲気」です。
大事なお子さんを毎日長時間に渡って預ける施設です。
保育所の雰囲気が合わないのであれば保護者にとって苦痛でしょうし、恐らくお子さんにとっても過ごしにくい時間となってしまいます。

少しでもそうした心配を避けるにはどうすれば良いのでしょうか。

ホームページ等を見るのは基本的な手段ですが、ホームページを開設しかつ定期的に更新している保育所は少ないのが実情です(特に市町村立保育所)。
情報技術を有した職員の不在・慢性的な時間不足・情報発信しなくても自治体が園児を割り当て、運営費は自治体から支給される制度的な問題等が原因でしょうか。
実際に通っている方の声を聞くという手段もありますが、近所にそうした知り合いがいなかったり、いても忙しくて(だから保育所を利用している)話をしにくいかもしれません。

やはり「自分の目で見に行く」、つまりは「保育所を見学する」のが一番です。

1.見学申込み

「入所を考えている」という理由であれば、原則としていずれの保育所でも見学を受け付けています。
気軽に電話しましょう。
仮に理由なく見学を断られるのであれば、その保育所への入所は勧められません。
普段の様子を見るという観点からアポイントメントなしでの見学を勧める方もいます。
が、一見学者の為に取り繕う時間がない・園児は嘘を付かない・行事や練習等が重なると見学できない・見学予約しておけば事情に詳しい園長や主任保育士等が対応してくれるという理由から、やはり事前に見学したい旨を伝えて時間を決めてから伺うのが良いでしょう。
朝は登園で忙しい、昼は昼食や午睡で忙しい、夕方は降園で園児が少ないので、普段の雰囲気を知るには10時~11時が望ましく、またこの時間帯での見学を指定する保育所も多いでしょう。

また、運動会・発表会・バザー等の行事の際には一般の方にも公開している保育所もあります。
普段の雰囲気とは異なってしまいますが、気軽に保育所内部を見る事ができ、かつ保育所が地域とどういった関わりを持っているかを知る事が出来ます。
たとえば、バザー等のパンフレットに掲載している広告商店名から「この保育所はこうした商店と取引があるのか」と分かります。
運動会に参加している家庭の数から、保育所と家庭との関係の強さも窺えます。

見学の際には必ず入所予定のお子さんを連れて行きましょう。
お子さんに対する園児の様子や、おもちゃ等に対するお子さんの様子を知る事が出来ます。

2.チェックポイント

見るべき点はよい保育施設の選び方 十か条(厚生労働省)チェックポイントがよくまとまっています。

3.実は大切な「保護者同士の相性」

見学時のチェックポイントを掲載しているホームページは多々ありますが、「保護者同士の相性」を指摘しているページは多くありません。
保育所で子供同士が友人を作るのと同様、保護者同士でもいわゆる「ママ友」や「話し相手」ができる場合があります。
しかし、小さい子供は比較的誰とでも友達になる一方、保護者同士では合うか合わないかと言う、いわゆる「相性問題」が出てきてしまいます。

相性が合うか合わないかは入所しないと分からないという指摘もありますが、実は入所前から見通しを付ける事ができます。
「登園・降園時の様子」から保護者の様子を窺い知ることができるのです。

たとえば9時過ぎに登園したり4時前に降園する児童のお母さんが多ければ、短時間のパートタイム勤務や育休中の方が多いと考えられます。
高級自動車による送迎が多ければ、高所得者層が多いと推察されます。
夕方に迎えに来ている祖父母が多ければ、二世帯同居や近居が多いのでしょう。
こうした点から、自分達の状況が保育所やその保護者の主たる状況に合うかが見通せるのです。
可能であれば、入所後に予定している登園・降園する時間帯に保育所回りを見学されるのをお勧めします。

待機児童問題が深刻な地域ではなかなか保育所を選べる状況ではありませんが、少なくとも申込み前に見学するのをお勧めします。
また、複数園を見学する事により、比較検討する事も可能となるでしょう。