5月下旬のある日、家族で大阪・関西万博へ出掛けました!
ネット上には既に様々なレビューや訪問記が掲載されているので、ここでは未就学児と一緒に訪問する際の楽しみ方や注意事項等をまとめました。
【持ち物】
優先度が高い持ち物です。特に小さな子供と一緒に来場する方には準備しておいて欲しいです。
日傘 | 強い日射しを遮るのに必須 |
軽量椅子 | 子供が座って待ちます。 |
水筒 | 持ち込むお茶だけでは足りません。給水スポットでの補充が不可欠です。 |
昼食・おかし | レストランは待ち時間が長く、子連れだと落ち着けません。 |
手ふきタオル | 飲食前に使います。会場内は手洗い場が少ないです。お尻ふきでも代用できます。 |
印刷したQRコード | 絶対に必要です。スマホでQRコードを表示させる度にバッテリーが減り、子供から目が離れます。 |
モバイルバッテリー | 当日予約を諦め、QRコードを印刷しておけば、出番はありませんでした。 |
スタンプ帳 | 子供が楽しく押していました。来場前に会場外でも購入できます。 |
つじさんマップ(通称) | 事前に印刷し、必要な情報等をメモ書きしておきましょう。 |
地下鉄中央線・夢洲駅はスムーズに移動
通勤ラッシュほど混まず、肩が触れるか触れないか程度の混み具合でした。ベビーカーは問題なく持ち込めます。
夢洲駅ホームからコンコースへ上がるエレベーターは1期しかありません。不思議な事に殆ど待たずに乗れました。理由は大型スーツケースでした。万博会場はスーツケースの持ち込みが禁止されており、持参した方は入退場ゲートで1万円を払って預ける必要があります。こうした情報が徹底されているのでしょう。一般的な駅等でも大型スーツケースはエレベーターへ持ち込まず、車いすやベビーカーを優先させるもらいたいです。
夢洲駅改札外から地上へ上るエレベーターは2基ありました。大人数が一度に乗れる大型タイプです。観光客とは思えない多くの外国人が同乗し、地上部のエレベーター出口から万博会場関係者出入口へと一直線に歩いて行きました。近道でした。
酷暑の東ゲート、日傘の先端が子供に当たる
第一の鬼門です。当日は9時20分頃に到着しましたが、東ゲートを通過できたのは9時50分頃でした。30分ほど待ちました。
日射しが厳しかったので、終始日傘をさして待ちました。周囲に並んでいる方も多くが日傘を利用していました。
問題は子供です。周囲の日傘の先端が子供の頭に刺さる高さにあり、非常に危険でした。子供が日傘をさして自衛するのも難しいです。子供に日傘を被せる様にして守った結果、親は日傘の陰から外れてしまいました。
一部には「超軽量タイプの折りたたみ椅子が重宝した」という意見もあります。確かに子供が座って休め、かつ周囲の日傘の先端から逃れられます。
しかし、待ち行列は少しずつ動きます。その度に椅子を持ち上げて移動して座る動作を繰り返すと疲れます。長時間その場から動かないのであれば軽量椅子は重宝しますが、小まめに動く場所では使いづらいと感じました。
地面からは強い熱を感じませんでした。遮熱性舗装の効果を実感しました。
アメリカ・フランスパビリオン前にある「ボーネルンドの遊具」は要注意
東ゲートで入場した後に一直線に進むと、人気パビリオンの一角であるアメリカ館とフランス館が見えてきます。その手前に落とし穴があります。ボーネルンドの遊具です。いわゆる「子供ホイホイ」です。
我が家もこのトラップに嵌まりそうになりました。遊具で遊びたがる子供を必死で宥め、何とか引き離しました。パビリオン等を一通り回った後ならともかく、入場直後に遊び始めると計画が全て狂ってしまいます。
子供を見ながらの当日予約は無理
事前予約できているのは一番ですが、2か月前抽選や1週間前抽選はなかなか当たりません。3日前先着順予約も難しいです。我が家はとあるパビリオンの予約が3日前に辛うじて取れました。
それ以外は当日に並ぶしかありません。重要なのは待ち時間です。口コミ情報を基にリアルタイムの待ち時間をまとめているのが「万博GO」です。いつ見てもイタリアパビリオンの待ち時間に驚かされます。
会場内に入場してからは「当日予約」もできるとされていますが、子供分も含めた複数人の予約を行うのは困難でした。
リロードを繰り返すと稀に少人数の空きを示す「△」が表示されるのですが、クリックしても「人数分の予約枠はありません」と表示されるばかりでした。1人や2人ならば予約できたでしょうが、家族全員分は無理でした。スマホを見るよりも子供と一緒に風景を見るのが大切だったので、途中で諦めました。
子供は体験系パビリオンに夢中、寝た子は大音響・照明に大泣き
会場内には様々なパビリオンが出展されています。
音響や照明を重ねた映像を投影する展示(映像系)するパビリオンが多く、他には自国から運搬した貴重品を展示(展示系)したり、中には様々な展示品や設備に触れて体験できる展示(体験系)もありました。複数のタイプを組み合わせたパビリオンもありました。
小学校入学前の子供が楽しく遊んでいたのは体験系のパビリオンでした。映像や展示物を見るだけではすぐに飽きてしまいましたが、遊べる伝統工芸品や触れられる展示品からはずっと離れませんでした。
ただ、どのパビリオンが体験系かはなかなか分かりません。大人の下調べが重要です。
例えば一番人気ともいわれるイタリアパビリオンは展示系でしょう。反対に砂漠の砂に触れられるヨルダンパビリオンは体験系と言えそうです。
前評判より遙かに良かったのは、同じ建物内に複数の国がブース形式で出展しているコモンズです。それぞれのペースで各国の展示を次々と観ていけます。気に入ったパビリオンがあれば、時間を気にせず滞在できます。
子供は触って遊べるパビリオンで夢中となってしました。展示品を乱暴に扱って壊さないかと不安に感じ、目は離せませんでした。
殆どのパビリオンはバリアフリー化されており、ベビーカーや車いすでも支障なく入場できました。上層階があるパビリオンにはエレベーターもありました。ただ、とあるパビリオンでは「ベビーカーは入り口に預けて下さい。」と言われました。
旧ツイッターには投稿者が各パビリオンの評価をまとめた表があります。私や子供達の反応とは異なる評価もありますが、参考にして下さい。
https://x.com/takacho_01/status/1928233166944321859
錯綜するベビーカー優先
一部のパビリオンはベビーカーや車いすを利用している来場者が優先的に入場できる運用を行っていると聞きました。
その一つに並んでみたのですが、そうした雰囲気は全くありませんでした。他の来場者と同じ様に並んでから入場しました。
優先入場等は当日の担当者・曜日・混み具合等で運用が異なるのかもしれません。優先入場は期待しない方が良さそうです。
食事は持ち込み&テイクアウト推奨、パビリオン内レストランが穴場
来場者数に対し、飲食物販やレストラン等が圧倒的に足りていません。特にピークタイムには長蛇の列が出来ていました。大人だけなら待てますが、小さな子供と一緒に待つのが困難です。
子供向けのメニューを準備している飲食店もありますが、多くは大人向けのメニューです。各パビリオン内にある国際色溢れた食事も同じです。
価格も高めです。一部のフードコートやコンビニは街中と同じ価格でしたが、多くはいわゆる「観光地価格」でした。万博会場で一生に一度しか食べられない物を食べると思えば割高感は薄まりますが、懐には辛い値段です。
待ち時間やメニュー等を踏まえると、自宅等から持ち込んだ食事をベンチや大屋根リングの下で食べるのが最適だと思います。会場内で食べたい物があればテイクアウトを利用するのがお勧めです。
たまたまタイミングが良かったので、我が家は海外パビリオン内のレストランを利用出来ました。子供が食べられる物が何かを探るのに気を遣いました。
意外に困ったのが「手を洗う場所」です。特に屋外のベンチ等で座って食べる際には近くにトイレがなく、遠くのトイレまで子供と一緒に移動するのは疲れます。手を洗う代わりに、手ふきタオルやお尻ふきで汚れた手を拭きました。
大屋根リングとユスリカ
大屋根リングの上にも上りました。エスカレーターは各所にありますが、エレベーターの設置箇所は多くありません。少し歩かざるを得ないのが難点でした。
リングの上からは大海原や六甲山地が見通せ、よい景色でした。上から見るとパビリオン毎の位置関係や人の流れがよく分かります。
問題視されている「ユスリカ」の集団も目撃しました。児童公園では蚊柱を見ますが、この日は蚊柱の比とはならないぐらいの大群でした。大飢饉を生じさせる、イナゴの集団を思い浮かべたぐらいです。
ユスリカは海に面した大屋根リング南部に多く、北部は少なかったです。小さな子供と一緒に移動する方には、北側をお勧めします。
QRコードと紐付いたリストバンドや「目立つ工夫」で迷子防止
万博会場内は迷子が発生しやすい構造となっています。親はパビリオンの外観・内装やスマホの予約画面に集中しがちとなるので、どうしても子供への注意が散漫となってしまいます。
子供は見慣れぬ光景等に興味津々です。手を放してしまうと、糸が切れたタコの様に飛び立ってしまいます。
周囲には同年齢の子供も数多くいます。一目で自分の子供を見つけ出すのは難しいです。大屋根リングの柱の陰に隠れただけでも見つからなくなります。
我が家は見落としてしまったのですが、「迷子/ベビーセンター」では「まいごリストバンド」を配布しています。
リストバンドを受け取る際に入場時に使用したQRコードと紐付けているのか、もしも迷子になってしまってもリストバンドから同時入場した保護者の連絡先等を調べられる仕組みとなっています。
同じく迷子が発生する危険性が高いのは、学校単位での参加です。この日は小中学生や高校生の団体もあれば、幼稚園や保育園からやってきたと思われるグループもありました。
迷子防止を徹底していたのは小学生の団体です。非常に多くの学校からやってきており、特に学校同士が入り交じると集団が分散してしまいます。自分の学校の児童を見失いかねません。
そこで一部の学校は「目立つ」工夫をしていました。ビブス(サッカー等で着用する番号入りのベスト)を着用している学校もあれば、制服や帽子に養生テープでマーキングしている学校もありました。これなら多少離れた場所からでも、当該学校の児童だと一目瞭然です。
児童集団の前後には先生がピッタリと付き、しかも「○○小学校」と書かれたプラカードを掲げていました。児童がはぐれても、このプラカードを目印に再合流できます。
どうやらこの手のノウハウが学校間や教育委員会を通じて広まっている様子です。目立つ工夫は家庭でも応用できます。
英語ができると便利
小さな子供と一緒に各パビリオンを回ると、「ベビーカーは持ち込めるのか?」「待ち時間はどれぐらい?」「子供用のトイレ等はある?」等、担当者に確認したい事柄が出てきます。
海外からやってきた各パビリオン担当者の日本語力には高低があります。日常会話等は全く支障がない方もいれば、日本語が全く通じない方もいました。大半の方は英語が通じたので、やりとりは専ら英語で済ませました。子供の素朴な疑問も英訳して伝え、返事は日本語に訳して子供へ伝えました。
英語が上手く話せなくても、簡単な単語とジェスチャーで意外と伝わります。子供の行動を注意しながら英語でやりとりするのには、多くの体力や気力が必要でした。
少ない授乳室・オムツ交換台・子供用トイレ、事前に場所確認を
大人用のトイレと比べ、授乳室や子供用トイレは限られた場所や限られた数しかありませんでした。必要になってから慌てて探しても、なかなか近くにありません。
公式マップは非常に見づらいです。つじさんマップが分かりやすいです。印刷して持ち歩いている方が多かったです。
https://x.com/t_tsuji/status/1927746420393582725
ドローン・噴水ショー前の帰宅はスムーズ
日が暮れる時間に東ゲートから退場しました。夢洲駅へは大回りの迂回路を歩かされ、ゲート退出から20分ほど後にようやく駅へ入れました。
エレベーターにはすんなりと乗れました。万博会場から大型スーツケースを排除したのは大正解でした。
オーバーツーリズムの最たる物が「大型スーツケース」です。公共交通機関や大型商業施設にあるエレベーターへの持ち込みも禁止して欲しいぐらいです。
車内は空いていて、簡単に着席できました。
ドローンショーや噴水ショーの後はゲート退出から駅入場までに1時間以上も掛かる日があったそうです。小さな子供がいる方は、こうした夜間ショーを見ずに撤収するのが正解かもしれません。
小さな子供との来場も強く推奨
万博開催前までは「一度行けば十分ではないか」と考えていましたが、現在は「できればもう一度行きたい」と変わりました。
展示内容が想定以上に興味深く、一度の訪問では十分に回れませんでした。予約が難しく、更に子供と一緒では思う様に動けません。
子供抜きの1人で行きたいのが本音ですが困難です。夏場に子供と一緒に歩き回る体力はないので、二度目の来場は難しいと思っています。
万博を取り上げたテレビニュースを見る度に、子供は「大屋根リングに上った!」「ミャクミャクを見た!」と盛り上がっています。
半年後に万博が終了した以降は、大阪の子供達は「万博経験がある子供」と「万博経験がない子供」に二分されるでしょう。
賛否両論がありますが、大阪・関西万博は数十年に一度の大イベントです。「行かなかった、行けなかった」という思いを引きずらせる訳にはいきません。
特に子供が小さい共働き世帯では、万博へ出掛ける準備や日程調整等は簡単ではないと思います。でも、それだけの価値はありました。