(6/10追記)

5月下旬に市議会で取り上げられた後も、新たな不適切調理等が発生しています。

市は5月下旬にも、学校へ市の職員を2名派遣し、調理や食器の洗い方などの指導を行ってきましたが、給食の味については改善が見られるものの、28日にはごみ箱を触った手で調理をしてスープの提供が中止されたり、現在も食器の汚れが確認されるなど、衛生面での問題が続いているということです。

市は学校からこれまで指摘してきた食器の洗浄が不十分であることや誤った調理方法で給食の提供が遅れるなどの問題が改善されたかどうか、13日までに報告を受ける予定ですが改善が見られなければ、業者を変更する可能性もあるとしています。

https://news.yahoo.co.jp/articles/ca45425c3e05f4bb398a47900b0774a41477df20

幾度にも渡って大阪市の担当者が改善指導等を行いましたが、問題が解消される見込みが立っていません。契約解除はやむを得ません。

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大阪市会こども教育委員会での質疑により、東住吉区にある大阪市立小学校の給食にて異物混入や食器の洗い残しが相次いで発生している事が明らかになりました。

金属片や虫の死骸…大阪市の小学校給食で異物混入相次ぐ 「気持ち悪い」「信頼できない」憤りの声も
https://news.yahoo.co.jp/articles/02d7548a084f3c057ad16ddce8e90f60d489cb2a

自民党の渕上浩美大阪市議が取り上げました。同市議は東住吉区の選出です。地元選出かつこども教育委員会に所属している市議として、当該小学校のPTAから相談がありました。

当該質疑を文字起こししました。

https://youtu.be/0GY-blIdiQ4?si=w6QrKC0amRGm3IHj&t=3257

【渕上浩美市議(自民)】
私は一貫してこの業者を変えるべきだという観点から今回質疑をさせていただきます。
教育の一環である学校給食についてお伺いいたします。資料をちょっとご覧ください。一覧を出させていただいております。
これ東住吉区にある、ある小学校の給食の内容でございます。令和7年4月から学校給食の提供で不適切な事案がこんなにも起こっています。これは本当に問題だと思っています。
今日も多分保護者の方がいらっしゃってるかもしれないんですけども、すごい問題になっているので本当に真剣に皆さん考えていただきたく思います。

学校に対してこれらの不適切な事案に対して、報告を行っていると学校から報告を行っているということなんですけれども、写真をご覧ください。しゃもじに関する写真があると思います。
これはですね、提供される前は失礼いたしました。提供される前のしゃもじです。こんなに汚れてます。
それから、問題でもありますけれども、学校の、給食の従事者がしている手袋。これも破損です。分かりますか?こんな事案がこの案件には書かれています。
それから食器にですね、金属が入ってたというこれですね。

この金属、幸いにも学校の栄養師さんだったり、給食の関係の校長先生もしですね、これを提供することには至んけれども、かなりの事案が起こっているということは皆さん問題だと思いませんか?思いますよね。

で、これ4月14日のところ、この一覧見てください。油に異物が入っているということが書かれています。で、この時ですね、学校給食の従事者からは加熱したら大丈夫という言葉が発せられてます。それからいや、融通聞かせてよていう言葉が発せられたりしています。こんなんでいいんですか?

それから、この、学校で、主任とされる方がいや、もうあの栄養師の免許持ってるのと。栄養師の先生に質問したりですね。
あとどうせまた教育委員会に言うんやろうと言ったり、会社から呼び出されるからもう嫌やわみたいな暴言があるんです。こんなん許されます?
加えて調理の仕方が分からなかったようにフライヤーの使い方が分からないとかありえないんですよ。

これね、この一覧以外にも調理員がね、白衣を着て給食室から出てるとか、これ衛生管理ダメです。それからドアの締め忘れとかもなってないんですよ、基本が。
で、4月11日見てください。食器の汚れが多くて校長判断で副食がストップしてるんです。子供たちはひもじい思いで帰ってますわ。本当に許されますか?

それで、私の方からですね、もう学校に毎日の様にお電話をして学校に行ったりして状況を聞いたり、あと保護者の方からも連絡が入ったりとかしてずっと追っかけてきました。
それでも教育委員会の対応は私は遅かったと思っています。資料を見ていただきたいんですね。あのですね、この教育委員会は食器の汚れ等がほぼ毎日あるということで、市教が担当を派遣して学校に。で、洗浄作業における改善点について助言をしているにもかかわらずです。

その、市教委が立ち合ってるのが4月21日から25日ですね。これを見ると4月30日っていうのはもうその立ち合いが終わってる時期じゃないですか?
そうすると洗浄がきちっと行われてると皆さん思いますやん。ところが学校の薬剤師っているんですけども、4月30日に検査した時に学校給食調理室衛生検査書、これも資料でつけさせていただいてますけれども、それによるとですね、食器のほとんどに汚れっていう風にメモが書かれてます。

こんなんで学校は給食を出さなきゃいけないわけで、毎日何かが起こるんです。本当にこの小学校にはですので業者の調理従事者は再度の指導をこれ受けてます。現在も受けてます。
だけれどもこれはもう許しがたい。私の方からね、ちょっとお伝えしたいのは今日もですけども、日々毎日、事務所に電話だったりとか、あと、インスタのDM、Twitterのメッセージなどでもう保護者から声が寄せられてます。もう本当にね、信頼がないんです。
業者に対しても学校の給食に対してこの小学校の保護者の方々は去年までこんなことなかったんですよ。ちなみに業務契約書とか使用書っていうのがあるんです。あの、資料は出してませんが、こういうものあります。
ただあの事案が起こるので私も1個ずつチェックしました。もうこんなん苦手ですよ、私。だけども1個ずつチェックすると大体ね、例えば衛生管理の問題だとか、学校給食の提供の遅延だとか、そもそも安心で安全な学校給食を提供するというそもそもの目的すら達成できていないという風に思っていて、そういう件数30件以上あります。これは異常です。とっても異常です。

そこでちょっとお伺いしたいです。この業者っていうのは実はこの4月から変わったばっかりなんです。入札で。で、その4月から変わったこの1ヶ月間にこんなにあるんですよ。
そこでお伺いしたい。教育委員会として日々の学校給食に影響を与えているじゃないですか。それに対して例えば、事故とか報告義務というのがあるんですけども、教育委員会どれぐらいの件数を確認しているのか、それからこれまでの経緯と対応について教えてください。

【保健体育担当課長】
お答えいたします。委員ご案内のあった事案につきましては、まず安心安全な学校給食の実施に重大な懸念を生じさせる事案を発生させたことにつきまして、教育委員会事務局として重く受け止めておりまして、大変ご迷惑をおかけしたことを深くお詫び申し上げるとともに、それらの事案を発生させた民間事業者に対しては大変遺憾に思うところでございます。

当該事案につきましては、東住吉区内にある大阪市立小学校から令和7年4月からの学校給食の提供に関して、報告を受けているところでございます。

こうした状況を受けまして、まずは当該における学校給食が途切れることなく提供できるよう改善を図るため、教育委員会事務局から担当者を派遣し、当該校と共に受注者の民間事業者に対する聞き取り調査を行いましたところ、調理機器の使用方法や器の洗浄方法などに対する調理従事者の認識不足など民間委託業者の学校給食の安定供給に向けた体制が不十分であったことが判明いたしました。

これらを踏まえまして、受注者である民間事業者に対して業務責任者を通じまして、調理従事者に対する調理機器の使用方法の徹底を図るとともに、実施体制の再構築として人員の見直しを図るなど再発防止に取り組みを厳しく指導を行ってまいりました。

また当該校に対しましては、当面の間受注者と学校との打ち合わせに教育委員会事務局の担当者を同席し、調理手順や実施体制を日々確認することや、特に課題のあった職期の洗浄不足に対して当該校の教職員が食器の洗浄状況をチェックする際のフォロー及び、洗浄作業における改善点に対する助言など決め細やかなサポートを行いながら、日々の学校給食の提供が途切れることのないよう対応に当たってきたところでございます。

なお、日々の学校給食への影響を与えうるものとして、学校から報告を受けている件数につきましては現在におきまして6件でございまして、全市平均との比較においても件数は多い状況となってございます。

【渕上浩美市議(自民)】
5月16日の金曜日に当該校の保護者を集めて緊急の説明会が開催されています。これもちょっと問題だなと思っているのが、子どもさんは出ないというようなことを言ってた。そんなことあるかいということで、結局のところ、保護者を対象に、学校、それから教職員、教育委員会、業者さんが出られて、学校給食について説明をされていました。

保護者からはもう信頼できないとか業者変えてくれ、それからこの業者のコンプライアンスはどうなのかとか、学校が今日説明に来ているのを子供たちになんて説明したらいいんですかっていう素直な意見ですよね。それから備品のないってやっぱり調べてるんですよ。保護者さんいっぱいね。過去にやらかしてるやんっていう話とか。

あとも月曜日からお弁当を持たせて欲しいという保護者さんもいて、極めつけには調理室にカメラをつけてくださいというような意見もありました。はっきり言って信頼されていないんですよ。

色々私の方でも調査するとですね、例えば令和6年かな、12月5日に大阪市立小学校・中学校での加熱不十分な給食とか、12月20日に大阪市立中学校で加熱不十分な給食提供という報道発表が大阪市からされているんですけど、こういう事故が立て続けに起こってます。この委員会でもやっぱりそれは指摘されていて、今回の業者と思われるところなんですね。

その業者さんに対して、公明党の委員さんですけれども繰り返しの指導だけでもう限界だよという言葉まで発せられています。それを受けて、令和6年2月に2ヶ月間競争入札停止措置というものに至っている業者でございます。

民間業者を選定するには令和6年度から総合評価方式に変わっているんですけれども、今回の事案を踏まえると、この総合評価方式では安全な給食が事案が起こっている小学校には提供されていないと私は強く思っています。4月から業者が変わるということで、学校に期待して楽しい給食を待っている子供たちが不安でしかないし、送り出すお母さん方も不安でしかない。要するに不安で信頼関係が損われた状況で業者を変えてという圧倒的な保護者からの意見なんです。

これにつきましては私の方は業者を変えていただきたいと思っています。契約上色々業者を変えるということは制限があると思いますが、このについての見解を教えてください。

【保健体育担当課長】
お答えいたします。委員ご指摘の契約につきましては、契約書上発注者の解除権として第43条第1項において相当の期間を定めてその履行の催告をし、その期間内に履行がない時は契約の全部または一部を解除することができる。ただし当該履行がこの契約及び取引上の社会通念に照らして軽微である時はこの限りではないと規定されております。

また第2項においては、同条第11号において契約の履行にあたり、児童・生徒・保護者・教職員・発注者に損害または危害を及ぼした時、第12号に食品衛生上重大な食品事故が発生した時、ただし受注者が事故の責めにないことを証した時はこの限りではないなどに該当する時には催告することなく、直ちに契約の全部または一部の解除をすることができると規定されております。

契約解除に至るには複数回の警告を要し、健康被害の実害が出ていない限りは解除は困難という見解が示されております。現時点におきましては民間事業者に対する指導を行い、学校給食調理業務の改善に取り組んでおり、児童等に健康被害は発生していない状況でございます。

これらを踏まえると、早期契約解除という措置は慎重に判断していく必要があると考えております。しかしながら、保護者説明会での意見も含め、教育委員会としても重く受け止めており、民間事業者による具体的な改善策の提示を求めていくことを含め、契約の確実な履行を図りつつ、契約解除の可能性も検討してまいります。以上でございます。

【渕上浩美市議(自民)】
契約制度を所管する契約関財局にお伺いします。過去の入札停止措置があった今回の業者ですが、これを解約解除というより厳しい措置に進む段階に入っていると思います。指導だけでは限界があるわけですが、この事象についてどのような対応が考えられるかお聞かせください。

【契約関財局委託物品契約担当課長】
お答えいたします。一般的な説明となりますが、契約関財局では契約の適正な履行確保のため競争入札参加停止処分を設けております。

例えば契約内容が履行されないなど契約違反があれば、所属からの報告に基づき手続きを経て措置要件に該当した場合、有資格者に対し競争入札に参加させない措置を講じます。

標準的な契約書では、発注者が契約内容を変更する場合や契約を解除する場合の権利規定が設けられております。

本件は教育委員会事務局が適切に判断し対応することになりますが、契約制度所管局としても教育委員会からの相談に応じ、引き続き対応してまいります。以上です。

【渕上浩美市議(自民)】
保護者が強く求めている契約解除には市教委の対応次第と受け止めました。信頼回復のためには早急に契約解除すべきと思います。学校給食は今日も提供されています。不安の中で子供たちは食べなければならず、親御さんは送り出しています。その気持ちを考えてください。

学校給食提供に信頼が置かれておらず、不安や心配しかない状況をご理解されていますか?今後食中毒が発生し、学校の調理が原因で児童の命が落ちるようなことがあれば契約は解除になるでしょうが、それでは遅いのです。今も栄養管理士や教職員が必死に防いでいます。これを受け止めてください。犠牲者が出てから委員会として何をするのか、責任はどこにあるのか。児童の命に関わるため、早急に契約解除に踏み込んでこの場で約束していただきたい。教育長の考えをお聞かせください。

【教育長】
教育委員会としても子供たちに安心安全な学校給食の提供は大変重要であると認識しております。心配される事案が発生しないよう学校給食調理業務委託の民間事業者と契約関係にあり、契約通り履行するよう引き続き指導監督に努めてまいります。

現時点では民間業者に対する指導を継続的に行い、健康被害も発生しておらず、過去のリーガルチェックを踏まえると早期契約解除は慎重に判断する必要があると考えております。

しかしながら、この間の状況を踏まえ、契約書上の選択肢の実現可能性を含め検討を進めてまいります。

【渕上浩美市議(自民)】
慎重に判断とか言ってる場合ではない。本当に教育長が選択肢の検討と言ったが、その中に解除も入っていることを強く願います。最後にありがとうございます。今回約1ヶ月の異常事態です。教育長の答弁を受けて本市の学校給食提供に対する信頼が崩れている。この状況に対して子供たちの安全命を守る観点から市長の見解を問います。

【大阪市長】
お答えいたします。安全安心な学校給食の実施は児童や親御さんにとって当然、美味しく安全な給食が提供される認識です。これを裏切る事態を重く受け止め、深くお詫び申し上げます。

一刻も早く通常の状況に戻し、信頼回復に努める必要があります。学校給食は教育の一環であり、児童生徒の健全な発育を促す重要なものです。児童生徒の食に対する正しい理解と判断力を養う役割も認識しています。

現在教育委員会は学校現場に寄り添い安全安心給食の提供に取り組んでおり、私も連携し対応を支援していきます。

【渕上浩美市議(自民)】
市長、校長が月曜日からお弁当オッケーにしており、昨日は35名、今日は57名がお弁当を持参していると聞いています。児童数は410名の学校です。

昨日、体調を崩して下痢している児童がいると聞いています。因果関係は不明ですが、トイレが渋滞していたこともあり、早急に調査をお願いしたい。慎重対応ではなく、行政の信頼はこういう問題の改善から始まります。政治が信用されないのはこういうことからです。

ここで提案ですが、当面の間、別の業者に緊急で業務を委託できないか調べていいます。ます。そうでなければ子供たちが給食を食べに行かない親が出てくると思います。

今後は入札に関して総合評価方式はいいが、現場の声も聞いて入札に組み込み、選定基準も見直してほしい。もっと踏み込んで行政指導すべき事案だと思っている。早期解除を求めます。

学校名や業者名を言わなかったのは早期解除を願う一心であり、慎重に対応してほしいです。以上。

大阪市は小中学校での給食調理業務の相当部分を民間事業者へ委託しています。東住吉区では㈱ニチダン・ナンブフードサービス㈱・㈱馬渕商事・㈱南テスティパル・キョウワプロテック㈱・㈱マルタマフーズ・ ㈱ミセスコロケットが受託しています。

実施校及び受託業者一覧(令和7年4月1日現在)
https://www.city.osaka.lg.jp/kyoiku/cmsfiles/contents/0000045/45873/listR7.pdf

この問題を質疑で取り上げた渕上市議は1か月以上に渡って地域住民の相談に応じ、学校や市教委等からのヒアリングに足を運んでいます。
https://x.com/fuchikami_h/status/1912838106446979373
https://x.com/fuchikami_h/status/1915729031837999321
https://x.com/fuchikami_h/status/1921849478471954691
https://x.com/fuchikami_h/status/1923383566953549837
https://x.com/fuchikami_h/status/1924031629162668245

教育こども委員会での質疑等にはありませんでしたが、4月3日に行われた教職員試食会では誰も完食できない出来でした。校長は「米がきちんと炊けていない、豚肉が油臭い。」と市教委へ報告し、翌日には米の炊き方指導が行われました。

渕上議員の質疑からは、当該校へ子供を通わせている保護者の怒りが伝わってきます。度重なる要望や指導では改められず、調理担当者が交代してようやく改善へ向かい始めました。

児童生徒が適切な栄養を摂取し、学校活動に彩りを添える給食は極めて重要です。給食を安心して食べられない学校には通いたくありません。

渕上市議は早期の契約解除を主張し、横山市長も「契約解除の可能性も視野に」としています。不安に感じる保護者はお弁当を持たせています。

一方で担当者の交代によって問題は少しずつ解消されており、5月20日の給食だったカレーライスは美味しかったそうです。新たな事業者と早急に契約できるかも定かではありません。

今後の推移をもう少し見守りたい反面、万が一にも再び問題が発生したら契約解除は避けられないと感じています。

そもそも米もまともに炊けない担当者を派遣する事業者と契約したのが間違いでした。「安かろう悪かろう」という業者と契約していないでしょうか。問題の発端は大阪市立中央図書館でのトラブルと共通しています。