(混乱が続く大阪市立中央図書館、wikipediaより)

大阪市立中央図書館の業務トラブルは依然として継続しています。

大阪市立中央図書館の窓口等業務が停滞中 新業者が安値落札

5月20日に開催された大阪市会教育こども委員会にて、永田市議(公明)と武直樹市議(自民くらし)が質疑で取り上げ、大阪市の担当者が答弁を行いました。録画中継等より要旨を抜粋します。

永田市議
・図書の予約本が届かない。
・ホームページ上に謝罪文が掲載された。
・以前は高いサービスを誇っていた中央図書館での市民サービス低下を懸念している

中央図書館総務担当課長
・平成19年度から図書館の窓口業務を民間に委託している。
・当初はプロポーザル方式、その後は総合評価一般競争入札を採用している。
・現在の事業者も競争入札により正当に選ばれており、調達方法に問題はなかった。
・人材配置の不足・スタッフの業務熟練度不足で業務が停滞している。

永田市議
・新事業者により業務が混乱している事実は否定できず、スタッフが図書館業務を十分理解していないことが原因である。
・入札制度そのものの是非というより、実際に図書館業務を遂行できる適正な事業者の選定が重要である。
・図書館は市民に愛されている大阪市の財産であり、混乱は非常に残念であり、信頼を損なう事態である。

武直樹市議
・2024年4月に大阪市立中央図書館の窓口業務委託事業者が図書館流通センター(TRC)からバックスグループに変更された。
・この委託業者の変更を契機に、図書の予約・受け取りの遅延が頻発し、市民から多数の苦情が寄せられている。
・4月8日に予約した本が4月28日になっても届かず、利用者は理由も知らされずに困惑している。別の例では4月29日に予約された本が5月18日になってようやく届いた。
・異常事態としてSNS上でも話題になった。特に5月3日には中央図書館がSNSトレンド入りするなど、市民の不安や怒りの声が広がった。

図書館利用サービス担当課長
・人員配置の不足と新規スタッフの業務習熟度の低さが原因である。
・特に返却された本の棚戻しと予約本の書架からの取り出し作業が遅延している。
・ピーク時には予約本の未処理件数が1万件以上に達していた。5月16日時点で約2,700件まで減少したが、なお業務は平常には戻っていない。
・バックスグループに対して、人員の確保と業務への習熟を強く指導している。
・急ぎの本の対応や作業手順の助言など、図書館全体で市民サービス維持に努めている。

武市議
・新たな委託業者であるバックスグループは、入札において予定価格(約5億7,200万円)を大幅に下回る約4億200万円で落札。
・この低価格による業務受託が、人員不足やサービス低下を招いているのではないか。
・図書館業務は高い専門性が求められる分野であり、価格の安さのみを基準にした最低価格落札方式では不適切である。
・業務品質も評価に加える総合評価方式の導入や、公募条件の見直しが必要である。

問題の根本は「十分な業務遂行能力を有しない事業者が、どうして最も業務繁忙である中央図書館の窓口等業務を落札できてしまったのか。」という点に尽きます。

大阪市は業者の指導等を強く行った上で今後も図書館窓口等業務を委ねる意向です。業者の責任は重大ですが、予定価格を1億7,000万円も下回る金額での安値受注を認容した大阪市の姿勢は強く問われます。誰も「安すぎる、不安だ。」と感じなかったのでしょうか。

先日取り上げた東住吉区の小学校給食といい、文教分野の混乱が目立ちます。