大阪市は2025年度保育所等一斉入所の結果等を公表しました。

2025年4月1日時点での待機児童は初めて「0人」となりましたが、利用保留数は昨年より増加しました。

 大阪市における令和7年4月1日現在の待機児童数は0人となり、国(旧の厚生省、現在のこども家庭庁)が待機児童調査を開始した平成7年(1995年)以降、初めて待機児童ゼロを達成しました。(中略)

 令和6年度は保育所等の整備について、前年度の約2倍の予算を確保するなど重点的に取組を進めた結果、前年度の694人分から2倍以上となる、1,778人分の入所枠を新たに確保することができ、令和7年4月1日現在の保育所等在籍児童数については前年度より779人増の56,168人となり、待機児童数は0人となりました。(以下省略)

https://www.city.osaka.lg.jp/hodoshiryo/kodomo/0000653074.html

より詳細な数字や資料等は、大阪市の保育所等利用待機児童数について(令和7年4月1日現在)に掲載されています。

詳細版の資料には、各保育所等毎の点数帯毎の入所決定人数も掲載されています(但し年齢毎の区分けは無い)。

Download (PDF, 612KB)

大阪市は「待機児童0人」を強くアピールしていますが、子育て世帯の実情に合致するのは「入所決定率(入所保留率)」です。

2024年度一斉入所における入所決定率は「80.15%」でした。大して2025年度は「80.19%」でした。ほぼ横ばいです。入所希望者から見た「入所のしやすさ」に変化はほぼありません。

それ以外の気掛かりなポイントを指摘します。

利用保留数の内訳で「育休中」は313人も減りましたが、代わりに「特定保育所希望等」が388人も増加しました。

昨年の数字と比較したところ、募集数に対して申込数が圧倒的に多い区等で「特定保育所希望等」が大幅に増加していました。東淀川区は30人増、鶴見区は92人増、住吉区は28人増、東住吉区は38人増などです。

これらの区でここ数年の間に新設された保育所等は少ない一方、子育て世帯の居住希望や入所希望は根強いものがあります。子育て世帯のニーズと保育所等の設置場所・地域がマッチングしておらず、「特定保育所希望等」の増加という結果に繋がったのではないかと推測しています。

中間発表時から懸念していたのは、旭区の1歳児入所です。1歳児の入所希望倍率は1.96倍と著しく高い数字でした。

【2025保育所等一斉入所申込分析】(5)旭区/市内ワーストの入所倍率1.39倍 0歳児0.97倍、1歳児1.96倍、3歳児1.97倍

最終的には申込数221人に対し、利用数123人となりました。利用決定率は55.7%に留まりました。

旭区で入所できた1歳児は申込数の半数強に過ぎません。旭区での保育所等の整備が著しく遅れており、区民の不満が溜まっているのは一目瞭然です。

結果発表に関するより詳しい内容等は後日に別記事で掲載します。