大阪市では保育所等の一斉入所募集と並行し、私立幼稚園・公立幼稚園の園児募集も行われています。
先日、大阪市立幼稚園の園児募集における志願状況(10月4日17時時点)が公表されました。3歳児クラスへは一定程度の応募がありますが、4歳児・5歳児クラスへの応募は若干数に留まっています。
3歳児クラスへの応募人数はまだ一桁に留まっている園が多いのですが、募集人員と同程度の願書を交付した園が一定数を占めています。10月18日の締切までにより多くの園児が申し込みを行うと考えられます。
募集人員と応募人員・願書交付数が懸け離れているのが4歳児や5歳児です。約半分が未だに応募ゼロです。特に5歳児クラスは願書交付数すらゼロという園が多く、このままでは5歳児クラスへの新規入園者がゼロという幼稚園が相次ぐでしょう。
こうした傾向は例年通りです。幼稚園や保育所等を利用する児童の殆どは3歳児までに入園し、4歳児や5歳児から入園するのはごく僅かに留まっています。
様々な児童を幅広く受け入れるという公立幼稚園の性質上、応募人員が募集人員を下回るのは制度設計に織り込まれているでしょう。しかし、これだけ多くの欠員が生じており、存在意義を問われる事態となっています。
極めて深刻なのは3歳児クラスを設置していない幼稚園です。たとえば中大淀幼稚園(北区)は4歳児募集人員35人に対して応募4人(願書交付数8人)、5歳児募集人員16人に対して応募0人(願書交付数1人)のみです。
幼稚園で教育活動を行うには一定程度の規模が必要です。総園児数が10人程度の幼稚園で十分な教育活動を行うのは困難でしょう。
一方で非常に多くの応募が集まっている幼稚園もあります。貫江田幼稚園(福島区)と玉造幼稚園(中央区)です。
両園は今春から認定こども園へと移行しました。
給食の実施・2号認定児の受け入れ等、大幅な改変が行われました。これらに魅力を感じた家庭が多かったものだと考えられます。
大阪市立幼稚園への応募人数が低迷しているのは、子育て世帯のニーズと著しく乖離している事に他なりません。3歳児クラスの設置・完全給食の実施・認定こども園への移行・保育時間の延長等、公立幼稚園の魅力向上策は難しいものではありません。
こうした対策を行わなければ、大阪市立幼稚園への応募者が更に減少していくでしょう。特に今後数年間は少子化が急激に進む年代です。応募0人という公立洋一園も生じかねません。
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