平成29-30年度末で廃園・民間移管を予定する大阪市立幼稚園が発表されましたの続報です。
大阪市会教育こども委員会・本会議において、市立幼稚園の廃止・民営化に伴う条例案が審査されました。
下記の様な結果となりました。
幼稚園 結果 海老江西幼稚園(福島区) 否決 玉造幼稚園(中央区) 否決 五条幼稚園(天王寺区) 否決 野里幼稚園(西淀川区) 否決 新高幼稚園(淀川区) 否決 城東幼稚園(城東区) 否決 墨江幼稚園(住吉区) 否決 堀江幼稚園(西区) 継続審査 日東幼稚園(浪速区) 上程されず
日東幼稚園は当初民間移管の対象とされました。が、隣地の日東小学校が小学校適正配置(統廃合)の対象から外れる事となり、日東幼稚園も市立のまま継続する事となった様子です。
各幼稚園の地元住民から数多くの陳情書が市会へ提出され、また多くの地元出身議員が「地元理解が足りない」等として反対する主張を行いました。維新会派のみが賛成し、他会派は全て反対とし、堀江幼稚園を除く7園の廃止・民営化案は否決されました。
ここ数年の市会では毎年の様に市立幼稚園廃園・民営化に関する条例改正案が審査されてきました。
廃園・民営化そのものの是非は判断できませんが、いったん否決された議案をほぼ同じ内容(廃園対象は一部異なる)で繰り返し審査する方法には少し疑問が残りました。
一方、市立幼稚園への入園者が落ち込んでいるのは事実です。
昨年の資料ですが、各園毎の定員・実員一覧表があります。
大阪市立幼稚園 園別定員・実員一覧(平成26年5月1日現在)
http://www.city.osaka.lg.jp/contents/wdu260/live/pdf/20140520matiba.pdf#page=3
「市立幼稚園の存続」地元住民の総意とされていますが、その地域に住む子育て世帯の行動は異なっています。全体の定員充足率は72.5%となっており、園児であふれかえっている幼稚園とは全く異なっています。「地域住民」と「子育て世帯」の違いを感じます。
市立幼稚園の広い園庭やゆとりがある施設が羨ましい反面、ここまで充足率が落ち込んでいるのは市立幼稚園の制度や内容に重大な欠陥が生じていると考えざるを得ません。私立保育所やこども園であれば多くの申込が殺到する地域にある市立幼稚園も少なくありません。
地域の声も重要です。しかし、より重要なのは大阪市や当該地域で子供を育てている、もしくはこれから育てようと考えている若年層の意見ではないでしょうか。保育所志向が強い若年層の意見や行動を踏まえ、市立幼稚園をどうするのかという議論が必要だと感じています。廃園・民営化ありきではなく、市立こども園や保育所化も検討に値するのではないでしょうか。
なお、継続審査となった堀江幼稚園は、極度に過密化しつつある堀江小学校の増築問題と密接に絡んでいます。
別の投稿でお伝えする予定です。
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(10/19追記)
過密する堀江学区(大阪市西区)の教育・保育環境を掲載しました。
タワーマンションが続々と建設される、都心の人気地区の落とし穴です。
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