(男児が給食を語彙した新居浜上部のぞみ保育園)

新居浜上部のぞみ保育園(愛媛県新居浜市)にて慣らし保育中だった男児(当時8か月)がリンゴを喉に詰まらせた事故から1年1カ月が過ぎました。

新居浜上部のぞみ保育園でリンゴを食べた8か月園児が意識不明・報告書公開
生後8か月男児がリンゴ片で窒息 「重大な誤嚥リスクに誰も気付かず」検証報告書が公開 愛媛県新居浜市

24時間体制で看護を続けているご両親が取材に応じました。

給食のリンゴを食べて重体になった園児、1年経っても意識不明 24時間看護する両親の葛藤
https://news.yahoo.co.jp/articles/cf70d17755335bbff1f8c64b6e3a13bc4fd1036c

男児は今も意識が戻っていません。自力での呼吸や食事はできず、寝たきり状態が続いています。回復する兆しは見つかりません。

事故からしばらくの間は病院で治療を受けていましたが、半年ほど前からは在宅での看護を行っています。現在も少なくとも3本の管が繋がっています。

日常生活は困難の連続です。入浴させるのに訪問看護師の協力を得ています。事故当時はご両親が共働きしていましたが、24時間看護との両立は不可能です。当たり前だった日々の暮らしが完全に壊れてしまいました。

もしも同じ立場に立たされたら、終わりが見えない24時間看護を続ける自信は全くありません。仕事は殆どできず、他のきょうだいを構えず、自分の時間もなく、周囲に頭を下げ続ける生活です。自分や子供が何の為に生まれてきたかを自問自答し、絶望してしまうでしょう。

本件事故はリンゴを十分に加熱していれば防げた事故でした。乳児の食事に対する十分な知識が保育士や調理師になく、日々の食事を指導監督する体制も不十分でした。

しかし、保護者はそうは考えません。「保育士は保育のプロだから安心だ」という思いがあります。むしろ保育士の保育に疑問を挟むのは失礼だという考えがあるぐらいです。

それが裏切られた時の衝撃は非常に大きく、保育園等での虐待事件が大きく報道される一因ともなっています。

我が家がお世話になっている保育園では月初に献立表を配布し、その日の献立を職員室前に展示しています。その日に何を食べたかが分かります。また、保育士から食べなかったり苦手そうにしていたメニューを連絡帳等を経由して伝えてもらっています。

多くの人の目に触れられれば、誰かが「おかしいのではないか」と気付ける可能性も増します。医療や保育に従事している保護者も少なくなく、時折何らかの指摘があったとも聞きます。

こうした事故を防ぐには保育施設がガイドライン等を遵守した食事を提供するのに加え、保護者も関心等を持つのが大切です。

なお、我が家での最大のリスク要因は祖父母です。怖くて食べさせていない食材等を、平気で孫に食べさせようとする姿を何度も見かけました。その度に血相を変えて「止めて!」と声を張り上げています。