今年4月に大阪市立堀江小学校が東学舎(従来の堀江小学校)西学舎(旧大阪市立西高校敷地を利用)に分離した事をお伝えしました。

学区分割、管理職5人、教育方針・行事は同一 堀江小学校が東学舎・西学舎に

西学舎の新設から1カ月が経ち、両学舎の性格が明白となりました。関係資料等によると、両学舎の関係は下記の通りです。

項目東学舎と西学舎の関係
校舎独立
ホームページ独立
授業独立
行事合同?
人事共通
PTA共通?

西学舎の設置に伴い、新たに「堀江小学校 西学舎」というホームページが開設されています。西学舎で日々行われている教育内容が掲載されています。東学舎からは独立して授業等を行っています。

意外だったのがホームページのタイトルです。何と「大阪市立堀江小学校分校」とされています。建前上は「地域分校」なので「分校」と記しているのでしょう。

西学舎の学校日記には、各学年毎の授業内容等が掲載されています。ごく一般的な小学校に見えますが、運動場が妙に広かったり人工芝が敷かれているスペースがある等、以前は高校だった名残も感じられます。

行事は合同して実施する可能性があります。

5月2日の学校日記には「5年生の教員がパソコンをつないで、東学舎と運動会の打ち合わせをしていました。東西でパソコンをつないだり、放課後にそれぞれの学舎に行って打ち合わせをしたりしています。」と記されており、オンラインで打ち合わせを行っている写真が掲載されています。

両学舎の運動会をどういった形態で行うかは明らかにされていません。両クラスの児童が一斉に集って行う大運動会(児童だけで1000人超え)なのか、時間帯をずらして行うのか、それとも全く別の運動会として開催する可能性も否定できません。

人事は歪です。西学舎の学校だより4月号には「本年度の教職員の紹介」というコーナーが掲載されています。両学舎合わせて108人もの教職員が紹介されています。

各クラス担任は「東○年○組」「西△年△組」と紹介されています。両学舎は共に「×年1組」から始まっているので、この様な形で区別しています。


堀江小学校西学舎の学校だより4月号(管理職以外の氏名はマスキング)

教頭・教務主任・クラス担任・特定科目の授業を担う専科教員・養護教諭・事務職員・管理作業員・特別支援学級を担うひまわり・生活指導員等が東西いずれかを担当し、校長・准校長・副校長・栄養教諭・スクールサポーター・C-net(外国語担当)等は両学舎を併任しています。

現時点でPTAは両学舎で共通しています。4月26日に行われたPTA決算総会は共に西学舎で開催されました。昨年度までの決算を承認する総会なので、一つの会議体で実施するのは自然です。

ただ、今後も両学舎共通のPTA組織を構成するのか、それとも別個の組織を形成するかは判然としません。

歪な地域分校

先の記事でもお伝えした通り、西学舎は「事実上の独立校」です。

これらより日々の学校運営や授業等においては西学舎は「独立校」です。一方で人事や行事等は東学舎との調整や指導等を要すると考えられる事から「分校」的な性格を有しています。

まだ始まったばかりという段階ですが、両学舎が積極的な交流を行う様子は見えません。あくまで独立校に主軸を置き、行事等においては一時的な交流等を行うものだと考えられます。

外部の第三者の視線からは「非常に分かりにくい」のが本音です。恐らく地域では「堀江小学校」という名称を出す度に「東?西?」と聞き返されているのではないでしょうか。

それ以外にも郵便物の誤配・訪問先の誤り・進学先の勘違い等、紛らわしい名称に帰因するトラブルは幾らでも思いつきます。組織が非常に大きいので、管理職が各教員や児童の様子を把握できません。

現在は未だ東学舎だけだった時代を知っている教職員や児童が多数いる為、西学舎と分離しても人的な交流は残っています。

しかし、東学舎単体だった時代をしっている児童は5年後には全て卒業します。教職員も多くが入れ替わります。「分校」と言われても、そうした実感が持てない児童が多くを占めるでしょう。

保護者も同じです。特に子供が西学舎に通学している保護者としては、よく分からない東学舎の教員やPTA関係者から指示等を受けても「実態が分かっていない」と反発しかねません。

こうした歪な組織は長続きしません。早ければ今年度末にも完全な分離独立へ向けた動きが生じる可能性があると考えています。歪な地域分校は長続きしないでしょう。