大阪市で再び保育料の算定ミスが発覚しました。
先月2月に各保育所等を経由して区役所へ提出した現況届を担当者が確認していたところ、世帯所得に計上すべきだった父親の所得が含まれていない事に気づきました。父親は単身赴任中でした。
保育所等へ入所してから現在までの約2年弱に渡り、本来より低い保育料が請求されていました。差額は699,000円に上ります。
1 概要と事実経過
令和6年3月12日(火曜日)、北区内のある認可保育施設を利用している児童の保護者より提出された保育現況届を確認していたところ、世帯員の箇所に父親の氏名が手書き追加され、就労証明書が添付されていたため、当区福祉課の担当職員が総合福祉システム及び申込書の内容を確認したところ、父親が単身赴任していることが分かりました。当該児童の保育料は、母親の所得のみで算定されていたことから、3月12日(火曜日)に父親の単身赴任先自治体へ課税状況照会を行い、3月14日(木曜日)に回答があった父親の課税状況を基に保育料の算定を行ったところ、児童が入所した令和4年4月から令和6年1月までの間、保育料を誤って本来より低い区分で決定し徴収していたことが判明しました。
2 影響額
699,000円(令和4年4月~令和6年1月分)3 判明後の対応
令和6年3月14日(木曜日)、保護者へ電話により事実経過を説明のうえ、謝罪を行い、3月15日(金曜日)に遡及して発生した保育料の支払いについてご了承をいただきました。今後、具体的な手続きを進めてまいります。4 発生原因
担当職員が、保育施設入所申込み時における世帯情報の入力内容の確認や、市外転入、単身赴任等で保育料が算定できない世帯における確認が不十分であったことが原因です。また、複数人によるチェックが不十分であったことも原因です。https://www.city.osaka.lg.jp/hodoshiryo/kita/0000622960.html
上記の事実関係によると、当該児童は令和4年4月に保育所等へ入所しました。入所申込書には父親が単身赴任中である旨が記載されていました。しかし、何故か父親が「存在しない」とし、母親の所得のみで保育料が算定されました。
大阪市は毎年1月~2月に掛け、保育所等の利用者に「現況届」を配布しましす。保育所等を利用している世帯の状況を届け出る書類です。
現況届には「子どもの家族状況」という項目があり、子どもの世帯員の氏名・生年月日・4月1日現在の年齢が印字されています。これに必要な情報(職業等)を手書きで加え、勤務証明書等を添付して保育所等へ提出します。
同封されていた案内文には「保育料を正しく算定するため、こどもの世帯員の続柄をご確認いただき、誤りがある場合は訂正してください。」という一文が太字で添えられています。
この一文を読み、父親の氏名等が印字されていない事に気づき、手書きで追加されたのだと思われます。
が、父親の名前が手書きで追記されるケースは決して多くありません(多くは再婚など)。念の為にと思って過去に遡及して確認したところ、保育所等への申込書にも父親の氏名と単身赴任中である旨が記入されていました。
利用者が保育料の算定ミスに気付くのは非常に難しいです。源泉徴収票に記載される所得税とは異なる住民税、しかも夫婦2人の住民税額を合算し、保育料表に当てはめて保育料を算出します。
今回は完全に区役所の落ち度です。同時に、毎年提出している現況届の利用実態の一部が明らかになりました。