保育所や認定こども園への申込みにあたっては、まずは「平成27年度 保育施設・事業利用の案内」を読む必要があります。
施設種別の概要・保育の必要性の認定・申込方法・必要書類・利用調整・保育料の決定等が記載されています。
以下、上記案内から気になる点や変更点等を記していきます。

【1.地域型保育事業】

子ども・子育て新制度によって新たに導入された保育施設です。
昨年から始まった保育ママも含まれます。
認可保育所や認定こども園よりも小規模・少人数な施設にて、0-2歳児を預かります。
以下の4類型があります。

(1)家庭的保育:定員は5人以下。きめ細かな保育を行う。主に従来の保育ママ5人型。
(2)小規模保育:定員は6-19人。従来の保育ママ10人型も含む。
(3)居宅訪問型保育:保護者の居宅で1対1で保育を行う。他の施設・事業の利用が著しく困難な場合のみ利用可能。
(4)事業所内保育:企業等が有する保育施設で、地域の子どもも受け入れる。

大阪市内で開設されている(予定を含む)家庭的保育(保育ママ)や小規模保育施設の一覧は小規模保育施設・保育ママ一覧表にまとめています。

【2.保育の必要性の認定】

これも子ども・子育て新制度によって導入された基準です。
保育所・認定こども園(長時間利用の場合)・地域型保育事業を利用する場合には、「保育を必要とする認定(保育認定)」を受ける必要があります。
従来の「保育に欠ける」と似た様な概念であり、保育認定の事由もほぼ同一です。

1 1か月に48 時間以上労働することを常態としている場合
2 妊娠中であるか又は出産後間がない場合
3 疾病にかかり、若しくは負傷し、又は精神若しくは身体に障がいを有している場合
4 同居の親族(長期間入院等をしている親族を含む。)を常時介護又は看護している場合
5 震災、風水害、火災その他の災害の復旧に当たっている場合
6 求職活動(起業の準備を含む。)を継続的に行っている場合
7 就学している場合
8 その他、保育が必要な状態にあると区保健福祉センター所長が認める場合

http://www.city.osaka.lg.jp/kodomo/cmsfiles/contents/0000278/278239/hoikusisetujigyouriyounoannai.pdf#page=2

保育認定と同時に保育必要量の認定も行われます。
(1)保育標準時間:施設を1日に最大で11時間利用可能。両親がいずれもフルタイム就労している場合等。
(2)保育短時間:施設を1日に最大で8時間利用可能。両親の両方又はいずれかがパートタイム就労している場合等。

保育の必要量は保育認定事由や就労時間等によって認定されます。
原則として認定された時間の枠内で保育施設を利用できます。

これらは保育施設を利用するのに必要不可欠な手続となります。
認定は市が行います。

【3.保育施設の利用申込み方法・期間】

保育施設を利用するには各区の保健福祉センターにて申込みを行う必要があります。
保育所・認定こども園を平成27年4月1日から利用したい場合は、平成26年10月1日(水)から15日(水)の間に申込みを行う必要があります。(地域型保育事業の受付期間は別途設定)。
この期間内に申込みを行わなかった場合は原則として期間内に申し込んだ分の利用調整を終えてからの調整となり、著しい不利益を被る事となります。
特に待機児童が数多く発生している地域や1-2歳児の申込みであれば、年度途中に入所出来る可能性は極めて限られます。

書類不備等であれば期間後に補正手続を行う事が可能な場合もありますが(保証するものではありません)、期間後に申込み手続を行っても救済されるケースはまずないでしょう。
経験上、役所関係の手続における期間設定は極めて厳格に扱われています。
昨年の申込手続期間が終えた後、「保育所 申込み 忘れた」などのキーワードで当Webを訪問された方が多数おられました。
絶対に忘れない様にして下さい。

【4.申込みに必要な書類】

書類の書式は区役所保健福祉センターやホームページから入手できます。
就労先等の第三者に作成を依頼する必要がある書類があるので、早め早めに作成依頼・書類作成を進めて下さい。
直前になって慌てても間に合わない場合があります。

【5.利用調整】

利用申込みがあった各児童に月、保育利用調整基準(案)に基づいて点数が設定されます。
点数が高い児童から入所先が決められていきます。

ここで重要なのは保育利用調整基準(案)とされている点です。
実は10日から子ども・子育て支援新制度における支給認定及び利用調整事務手続の概要(案)の作成にかかる意見募集が行われています。

 平成27年4月施行予定の子ども・子育て支援新制度においては、特定教育・保育施設、特定地域型保育事業の利用を希望する場合、子どもの保護者は、教育・保育給付を受ける資格があること等の認定(以下、「支給認定」という。)を受ける必要があり、さらに、保育を必要とする子どもが保育所、認定こども園、地域型保育事業の利用を希望する場合には、市町村による利用調整を受けたうえで利用することとされています。

 本市では、平成26年10月1日より支給認定及び利用調整にかかる保護者からの申請受付を開始することから、これにかかる規則、要綱等の整備が必要となりますが、現在、子ども・子育て支援法及び改正後の児童福祉法の施行日が確定していないこと等から、基準等も含めた規則、要綱等を制定することができません。

 したがって、現時点では、支給認定及び利用調整にかかる事務手続の概要をこども青少年局内において作成し、当面の間これらに基づき事務手続を行うこととします。

 これらの事務手続の概要の作成にあたり、次のとおり市民の皆様からのご意見を募集します。

 なお、この意見募集は、「規則等を定める際の意見公募手続等に関する指針」に基づく意見公募ではありません。支給認定及び利用調整にかかる基準等を定める規則及び要綱を制定等する際には、改めて市民の皆様からのご意見を募集する予定です。

http://www.city.osaka.lg.jp/kodomo/page/0000281394.html

保育利用調整基準(案)について、従来からの変更(だと推測される)点や気になる点がいくつか見つかりました。

(1)家庭的保育事業等の卒園児の連携施設への優先利用決定(平成27年4月2日以降)

待機児童が多く発生している都心部等での影響が大きい点です。
保育ママや小規模保育等が利用できるのは、児童が3歳を迎えた年度末までとなっています。
卒園後の受け皿として主に連携施設を検討している様子です。
案によると、連携施設への入所を希望する場合は点数に関わらず最優先として利用決定が行われるものとされています。

家庭的保育事業等の卒園児が、当該家庭的保育事業等の連携施設となっている保育施設等の利用を希望する場合の利用調整においては、保育利用調整基準にかかわらず、当該卒園児を最優先として利用決定を行うものとします。(平成27年4月2日以降からの利
用にかかる利用調整について適用します。)
http://www.city.osaka.lg.jp/kodomo/cmsfiles/contents/0000281/281394/riyoucyouseijimutetudukigaiyouann.pdf#page=2

卒園後に保育所への登園を検討している場合、連携施設の場所はしっかりと考慮すべきでしょう。
また、連携施設と設定されている保育所へ3歳児から入所を検討している場合、募集枠があっても家庭的保育事業等の卒園児によって埋まってしまう恐れがあります。
保育ママや小規模保育等が今後も増加すると考えられ、決して小さくない変更点です。

(2)保育施設・保育事業の卒園児への点数加算

現在は保育ママ・認可保育所の卒園児につき5点が加算されていましたが、新年度からは「保育施設・保育事業の卒園児について、6点の加算を行う」と変更される見通しです。
5(1)と同じく卒園児の受け皿確保を強化する方針の一つでしょう。

(3)転所希望の取扱い(平成27年4月2日以降)

従来は保育所から他の保育所へ転所を希望する場合に、基本点数が1/2とされていました。
新年度からは、保育施設(保育所・認定こども園)から他の保育施設、又は保育事業(家庭的保育事業等)から他の保育事業の利用を希望する場合も基本点数が1/2とされる見込みです。
保育事業から他の保育事業への転所が行いにくくなります。

【6.保育料】

9月市会にて保育所保育料・市立幼稚園保育料を引き上げ、私立幼稚園保育料を引き下げる案について、何らかの協議が予定とされています。
【重要】大阪市子ども・子育て支援新制度にかかる利用者負担額(保育料設定、所得別素案あり)
【超重要】【ニュース】大阪市立幼稚園と私立幼稚園の保育料を同額&保育所保育料値上げ?(素案発表)

これとは別に、今年までは前年の所得税額を基準として保育料が決定されていましたが、新制度では主に両親の市町村民税額を用いて決定される事となっています。
また、保育必要量の区分(標準時間/短時間)の別で保育料が設定される事とされています。
保育施設の利用を申し込む段階で保育料が定まっていないとは変な話です。
いずれにしろ、従来の保育料から大きな変動が予想されます。

保育施設を利用したい場合に必要となる手続内容はほぼ同一です。
ただ、従来の制度から大きな変更が行われています。
早め早めに準備を行い、不明点等があれば区役所等へ早めに訊ねるようにして下さい。
申込期間の終了間際は窓口に長蛇の列ができるかもしれません。