令和6年度大阪府立高校入学試験への志願者が確定しました。昨年より約2000人も減少し、現行の入試制度下では最低の志願者数となりました。

2024年度大阪府公立高等学校一般入学者選抜(全日制・定時制)は、3月6日まで出願を受け付けた。出願締切時点で、単位制を除く全日制普通科(専門学科併置校を含む)は募集人員2万884人に対して、学校全体の志願者数が2万1,612人で競争率は1.03倍。各校の競争率は、春日丘1.44倍、寝屋川1.10倍、泉陽1.39倍、箕面(普通/グローバル)1.34倍など。

 専門学科のみ設置校は、募集人員9,006人に対して、志願者数が9,947人で競争率は1.10倍。各校の競争率は、総合科学・国際文化学科が、千里1.36倍、住吉1.33倍、泉北1.03倍。文理学科が、北野1.28倍、大手前1.21倍、高津1.56倍、天王寺1.13倍、豊中1.57倍、茨木1.48倍、四條畷1.19倍、生野1.38倍、三国丘1.47倍、岸和田1.23倍、桜和0.98倍。

 総合学科(クリエイティブスクール除く)は募集人員3,585人に対して、学校全体の志願者数が3,505人で競争率は0.98倍。競争率は、柴島1.24倍、今宮1.18倍、芦間1.18倍などが高かった。

https://news.yahoo.co.jp/articles/bfc0fff672b605198cc51cc75ceae5c4329d90db

 全日制は、総募集人員3万4789人に対し計3万6379人が志願し、平均倍率は1.05倍となりました。

 平均倍率が1.13倍だった前年度と比較すると志願者数は約2000人少なく、教育庁によりますと現行の入試制度になった2016年度以降、最も志願者数が少ないということです。

https://news.yahoo.co.jp/articles/4bc250a12f1ffff19f0fb651cec51723beb25eef

小著的なのは定員割れとなった高校の多さです。2023年度入試の14校(全78校)から2024年度入試では32校(全75校)へと激増しました。4割強もの高校が定員割れし、受験=合格が確定しました。

具体的な学校名等は開成教育グループのブログに詳しく掲載されています。

【速報】大阪府公立高校 2024年度一般入学者選抜志願状況【最終集計発表】(旧1・2学区)
https://www.kaisei-group.co.jp/nyushiblog/highschool/42440.html

実はこの年代はまだ人口を維持しています。大阪府の推計人口によると、現在受験を迎えている年代を含んでいる令和5年10月1日現在の15歳人口は75,019人です。

しかし、10歳になると70,394人、5歳は65,802人、0歳は56,052人にまで減少します。何と15年で約2万人、率にして25%も減少してしまいます。(社会増減を除く)。

今年ですら半数近い大阪府立高校が定員割れとなっており、来年以降は更に拡大するのは間違いありません。私立高校授業料無償化と少子化により、府立高校の志願者は減少の一途を辿っています。

大阪府教委は諸制度を変更する議論を進めています。ニーズが高まる通信制高校のスタイルを取り入れた「週5登校の見直し」や、受験負荷を軽減する「入試教科数の削減」が議論に上がっているそうです。

 教育庁は公立高校でも、多様化する生徒や保護者のニーズに対応できるよう「週5登校」や「5教科入試」の前提を見直す議論を進めていて、私立高校への生徒流入を止めたい狙いがあります。
https://news.yahoo.co.jp/articles/4bc250a12f1ffff19f0fb651cec51723beb25eef

今後は府立高校文理学科・普通科上位校等を目指して重厚なC問題を解くべく受験勉強を積み重ねる層、校内実力テストや事前相談によって私立高校への進学を決定する層、通信制高校等へ進学する層にますます分極化していきそうです。

保護者としては、小学校高学年の段階でどういった選択肢を選ぶのかを迫られます。難しいC問題を解いたり英検による加点制度を利用するには、小学校高学年からの準備が欠かせません。中学校へ入学してからでは間に合わない恐れがあります。

私立高校の合格基準が揺らいでいるという話も聞きます。従来は合格水準だった筈なのに、希望者が急増した今年は不合格だったという事例です。

大阪府の高校入試は、今後数年間は大きく揺れ動くと考えられます。保護者としては堪ったものではありません。