2024年度保育所等一斉入所申込状況分析、第10回は東淀川区です。リクエストを頂きました。

※10月末に発表された数字に基づきます。保育士等優先利用数は申込者数に含んでいます。


昨年と比較し、入所倍率が0.1倍以上増加した箇所はオレンジ、逆に0.1倍以上減少した区は水色、また入所倍率が2倍を超えた箇所は赤で表示しています。

0-2歳児は入所難、保育所等の新設進まず

東淀川区はコロナ禍前までは毎年の様に保育所等が新設されていました。が、ここ1-2年は完全に止まっています。区内を保育所等を探して歩き回ったのも随分昔の話です。

同区の申込数は906人(昨年より122人増)、募集数は858人(同105人増)でした。申込数も募集数も大幅に増加しています。両者が均衡しているので、区全体の入所倍率は1.06倍と横ばいで推移しています。

しかし、年齢毎の数字を見ると話は違います。募集数が大幅に伸びたのは2-3歳児クラスなのに対し、申込数は0-2歳児クラスで急増しています。結果として、0-2歳児の入所は急激に難化しました。

0歳児クラスの入所倍率は0.96倍へと上昇しました。これは港区・此花区に次いで市内3位の高さです。

この3区は少子化が進行している地域ですが、それを上回る勢いで保育需要が増しています。また、保育所等の新設は殆ど行われていません。それが数字となって現れました。

「0歳児入所倍率が1倍を下回っているから、希望者全員が入所できるのではないか」という声もあります。が、それは実態とは異なります。

東淀川区は広い区です。区域面積は市内5位です。より上位にある住之江区・此花区・西淀川区は臨海部にある、原則として居住できない工業専用地域が広がっています。居住可能面積という視点で考えると、平野区に次いで市内2位だとも考えられます。

いくら保育所等の空きがあったとしても、離れた地域へ登園するのは困難です。

また、6年保育を行っている保育所等を第1希望として申し込む家庭が殆どを占めています。0-2歳児保育を行う地域型保育事業は3歳児クラスからの転所を余儀なくされます。6年保育を行う保育所等は兄姉が在園している事が少なくありません。

こうした理由から、入所倍率が1倍を下回っていても、第1-2希望とする保育所等へ入所できない未就学児が数多く発生してしまいます。

0歳児クラスで入所倍率が2倍以上となったのは、アートチャイルドケア東淀川・菅原保育園(5倍)・南江口保育所(優先枠あり)・グローバルキッズ上新庄園・小松保育園(2.67倍)・グローバルキッズ東淡路園(2.5倍)でした。

こうした園の大部分はフルタイム共働き+きょうだい加点がある児童で入所者が内定します。フルタイム共働きであっても入所できない可能性が少なくありません。

より深刻なのは1歳児です。入所倍率が1.28倍から1.38倍へと上昇しました。0歳児以上に入所倍率が高い保育所等が目立ちます。

1歳児入所倍率が2倍を超えたのは、アートチャイルドケア東淀川(優先枠あり)・みのり園(優先枠あり)・下新庄保育所(優先枠あり、3.44倍)・上新庄保育園(優先枠あり、4.67倍)・菅原保育園(3.8倍)・淡路保育園(9倍)
南江口保育所(優先枠あり、3.67倍)・風の子ベビーホーム(2.83倍)。グローバルキッズ上新庄園(3倍)・マザーシップ上新庄保育園(優先枠あり)・小松保育園(優先枠あり、4.83倍)・グローバルキッズ東淡路園でした。

立地環境がバラバラですが、いずれも6年保育を行っている保育所等ばかりです。中間発表後にはより倍率が低い保育所等を第1希望へ変更した家庭があるでしょうが、大勢に大きな変化は無いと見ています。

中には保育士等優先枠の申込者があり、かつ入所倍率が非常に高い保育所等もあります。こうした保育所等はきょうだい加点がある児童でも入所できるとは限りません。2024年度一斉入所においてフルタイム共働き+きょうだい加点があっても入所できなかった事例が発生しました。

0-1歳児クラスと異なり、全ての保育所等が2歳児クラスで募集を行うとは限りません。募集数が若干名という保育所等も少なくありません。また、地域型保育事業での募集は限定的です。募集を行う一部の保育所等に第1希望が集中する構図となります。

ただ、きょうだい加点がある園児の殆どは0-1歳児で入所しているので、2歳児クラスの入所で求められる点数は1歳児クラスほど高くないと推測しています。

入所倍率が跳ね上がったのは、数少ない募集数に第1希望が殺到した保育所等です。ともしび保育園(5.5倍)・グローバルキッズ上新庄園(6倍)・小松保育園(4倍)が代表的です。

登園可能な範囲で他の保育所等が募集を行っていなければ、希望園を変更するのも難しいです。厳しい結果に直面した方が少なくないでしょう。

東淀川区の保育所等の不足は深刻です。第2子保育料が無償化、更には第1子保育料も無償化されると、事態はより深刻になりかねません。

ただ、大阪市や事業者が積極的に保育所等の新設へ動き出す気配はありません。大阪市が令和6年度に同区で新設を目指しているのは、主として地域型保育事業4施設に留まっています。隣接する淀川区では、保育所やこども園を計6箇所も新設する計画があります。対照的です。

令和6年度 保育施設等設置・運営事業者募集の実施について【事前案内】
https://www.city.osaka.lg.jp/kodomo/page/0000613699.html

今後の予定&運営支援のお願い

今年も各区毎の申込状況等を分析し、様々な情報等を掲載する予定です。

「○○区の情報を早く知りたい」「××保育所は昨年より入りやすいの?」等のリクエストがありましたら、記事へのコメントや問い合わせからお寄せ下さい。現在も体調不良が続いています。お時間を頂く場合がありますが、ご了承下さい。

同時に、皆様に運営支援へのご協力をお願いしています。

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