(事故当日の給食、ウズラの卵はおでん(右下)の具材として利用されていた。朝日新聞より。)

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(追記)
子供達との間でも話題になりました。子供は次のように話していました。

「先生から『ゆっくりしっかり噛んで食べて下さい』と話があった。」
「ウズラの卵は大好き。無くして欲しくない。」
「給食でも大人気。おかわりがあるとじゃんけんで盛り上がる。」
「昔からずっとあった。最近も給食で食べた。」

現在のところ、学校や大阪市教委から「ウズラの卵の提供を見合わせます。」といった連絡はありません。

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本当に痛ましい事故が起きてしまいました。

福岡県みやま市の市立小学校にて給食を食べた小学1年生が食事を喉に詰まらせ、搬送先の病院で死亡が確認されました。

 26日午後0時40分ごろ、福岡県みやま市の市立小学校の関係者から「生徒が給食中に(のどを)詰まらせて息ができない」と119番があった。みやま市消防本部や市教育委員会によると、小学1年の男子児童(7)がドクターヘリで県内の病院に運ばれたが、死亡が確認された。

 市教委によると、26日の市立小の給食はご飯▽牛乳▽みそおでん▽海藻サラダ――だった。市教委は、みそおでんの具に使われたウズラの卵を詰まらせ窒息したとみている。

https://mainichi.jp/articles/20240226/k00/00m/040/177000c

 福岡県みやま市教育委員会は26日、市内の小学1年生の男子児童(7)が給食をのどに詰まらせ、死亡したと発表した。献立のおでんに入っていたウズラの卵を詰まらせ、窒息したとみられるという。

 市教委によると、26日昼に教室で給食を食べ始めた男児が吐きそうなそぶりをみせたため、担任の教員が背中をたたいたが、吐くことができず、自分で立っていられない状態となったという。隣の教室の教員らとともに心臓マッサージや人工呼吸を実施し、ドクターヘリで病院に運ばれたものの、死亡が確認された。

 ウズラの卵は長さ3センチ、直径2センチで、これまでも給食でたびたび使われていた。市教委は当面、給食でのウズラの卵の使用を控えるほか、大きな食材は小さく切って食べるといった指導を徹底するとしている。

 みやま市の待鳥博人教育長は「起きてはならない事故が起きてしまった。大変重く受け止めている」とのコメントを発表した。(以下省略)

https://digital.asahi.com/articles/ASS2V6DLKS2VTIPE00N.html

お悔やみ申し上げます。

ウズラの卵は小さくて子供でも食べやすいです。一方で滑りやすく、歯で噛もうとしてもそのまま飲み込んでしまいそうになる事もあります。

この様に「飲み込みやすい具材」は子供にとって危険が伴います。2015年には大阪市で小学1年生が学校給食で提供されたウズラの卵を飲み込んでしまい、死亡した事故も起きました。

 大阪市立小学校1年の女児が給食のおかずをのどに詰まらせて意識不明の重体となっていた事故で、女児が入院先の病院で死亡していたことが29日、市教委への取材で分かった。

 市教委によると、女児は24日に死亡した。女児は11日午後、給食でおかずの「鶏肉と野菜のうま煮」を食べている際に、のどを詰まらせた。学校からの119番で駆けつけた救急隊員が搬送中の救急車内でウズラの卵を取り出したが、女児は意識が戻らない状態が続いていた。市教委は各学校に事故が起きた場合の対処法などをまとめた注意喚起の通知を出すという。

https://www.sankei.com/article/20150929-4ICNET2LF5KA3HE64AMHUI4SKU/

他にもブドウ・節分の豆・ミニトマト等が窒息しやすい具材として指摘されています。

自宅でこうした具材を未就学児に提供する際は、半分ないし4分の1に切り分けて提供しています。保育所等でも同じ様に対処していると聞いています。

しかし、小学生以上にはそのままの形で提供しています。ウズラの卵も同様です。半分に切り分けてしまうと、おでんや中華料理の具材として機能しなくなってしまいます。

学校では「よく噛んで食べる」「お茶や牛乳等を適切に飲む」といった指導を行っている筈です。それにも関わらず、こうした事故が起きてしまいました。

ウズラの卵は子供に大人気な食材です。大阪市では過去に死亡事故が発生しましたが、現在は学校給食で提供しています。令和6年3月の献立でも用いられています。

https://www.city.osaka.lg.jp/kyoiku/cmsfiles/contents/0000596/596595/6-3-3.pdf

一定のリスクがある食材をどの様に取り扱うかは難しい問題です。学校給食に於けるゼロリスクを追及すると、利用出来る食材が限られてしまいます。

だからといって、学校給食に於ける事故を容認する訳にはいきません。死亡事故を起こさないのを前提としても、そのバランスは難しいです。