殆ど報じられていませんが、能登半島地震では多くの保育所等も被害に遭っています。施設等の損壊に加え、働く保育士等も被災者となっています。現地で保育を継続するのは困難な状況となっています。

被災前までは現地の保育所等を利用していても、現在は被災地を離れている子育て世帯は少なくありません。しかしながら、避難先で保育所等へ入所しようとした際に「二重在籍」と断られたケースが生じているそうです。

そこでこども家庭庁は、「在籍する保育所等の再開までの一時的な利用や被災の状況等を踏まえた一時的な利用として、転園手続は行わずに、いわゆる「代替保育」として取り扱うといった運用が考えられます。」との通知を発しました。

https://www.cfa.go.jp/assets/contents/node/basic_page/field_ref_resources/23d4d14b-12f4-439a-9b22-64671504c7c9/93c33a4a/20240110_23d4d14b-12f4-439a-9b22-64671504c7c9_38.pdf

従来の保育所等に在籍したまま、避難先の保育所等を利用出来るとする趣旨です。「一時的な二重保育の容認」とも言い換えられます。

命からがら被災地を脱出しても、「(被災して保育が行えない)保育所等に在籍しているので、避難先の保育所等は利用出来ません。」との判断は不合理です。

ただ、避難先の保育所等を利用したくても、既に定員を充足していたら入所できないのが原則です。これについても例外を認める通知が発せられています。

既に金沢市やかほく市には多くの子育て世帯が避難していると報じられています。避難先の近くにある特定の保育所等に申込が集中していると容易に想像できます。

一定の限度はあるでしょうが、「既に定員に達しているのでお断りします」と安易に断らず、被災者に寄り添った判断が求められます。

関西で南海トラフ大地震が発生した際も同様の取扱いが行われると考えられます。もしも大阪から逃れざるを得ない時は、この通知を思い出す様にします。