令和6年能登半島地震は未だ被害の全容が掴めていません。決して十分ではなかった道路網が地割れ・土砂崩れによって数百箇所も寸断され、救助や市絵活動等が全て滞っています。

学校や保育所等の被害も甚大です。石川県内の小中学校は71校が始業式を延期し、そのうち43校が再開するメドが立っていません。

 石川県教育委員会は7日、能登半島地震の影響で、県内の公立小中学校の25%に当たる71校が3学期開始の9日以降も休校し、うち43校が再開のめどが立っていないと明らかにした。校舎などが大きな被害を受けたのが主な理由としている。

公立小、中281校のうち休校を続けるのは輪島市、珠洲市、能登町など9市町にある小学校49校、中学校20校、義務教育学校2校。

高校でも被害が目立ち、公立47校のうち18校が9日以降も休校し、うち17校は始業日が決まっていない。特別支援学校も1校2分校が未定だ。

https://news.yahoo.co.jp/articles/c5e8e65bbdda386ebb8be4f69d4cc7d23c22ecb7

主たる理由は校舎の損壊・避難所化・教職員の被災です。ライフラインも断絶しています。

能登町教委の担当者は「多くの教職員が家や車を失った。学校が避難所になったり、校舎が損傷したりし、学校までの道路事情も悪い」と苦境を説明した。

https://news.yahoo.co.jp/articles/6bca8c727fa4042090cc974d5b915c56f6b9b19d

幼稚園や保育所等も同様です。避難所となっている旧保育所の園庭もあります。

校舎を応急復旧ないし他の公共施設を暫定的に学校とする、避難所を移転する、教職員の衣食住を確保するには、相当の時間が必要です。

地域によりますが、年度内の再開が困難な学校は少なくないでしょう。学校の再開は極めて重要ですが、被災者の生活支援を最重要視するのはやむを得ません。

とは言っても、学校や保育所等が再開しなければ、親は行動できません。何よりも子供の教育や成長を阻害してしまいます。

既に現地では話が出ているでしょうが、ここは思い切って「(一時的な)転校・転園」を積極的に考えるフェーズになっています。

学校等が再開しない被災地で窮屈な生活を送るよりも、日常通りの生活を過ごせる地域にて学校へ通う方が明らかに望ましいです。

既に石川県は同趣旨の通知を発しています。

6日開かれた石川県の災害対策本部会議で、多くの学校が週明け9日から予定している新学期の始業日を遅らせるなど、状況に応じ柔軟に対応するよう県の教育長あてに通知を出したことを報告しました。

また、地震で、紛失した教科書について再び給付を受けるための費用を国が負担することや、被災した児童・生徒がタブレットを利用してオンラインで授業に参加できるよう、週明けをめどに検討を進めていくことをあわせて報告していました。

このほか、被災した児童・生徒が転校を希望する場合は、円滑に進められるよう配慮することや入学試験の方法や日程についても柔軟に対応するよう通知を出しているということです。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240105/k10014310041000.html

文部科学省から通知が出ています。

令和6年能登半島地震における被災地域の児童生徒等の就学機会の確保等について(通知)
https://www.pref.ishikawa.lg.jp/saigai/documents/20240107monkatuuchi.pdf

石川県かほく市は同趣旨の案内をウェブサイトに掲載しています。

令和6年能登半島地震によって、かほく市外からかほく市に避難しており、市内の小中学校への転校を希望される方は、かほく市教育部学校教育課までご連絡をください。

かほく市に住民票がなくても避難していることが証明できれば、かほく市の学校に転校することが出来ます。(以下省略)

https://www.city.kahoku.lg.jp/002/210/211/d010973.html

問題は住居です。既に一部の自治体は民間賃貸住宅や公営住宅を2次避難所として活用する方針を示しています。

賃貸型応急住宅の供与について(みなし仮設住宅)
https://www.pref.ishikawa.lg.jp/kenju/chintaigata.html

「きょう来たい避難者も何とかする」愛知県知事 県営住宅を無償提供
https://www.chunichi.co.jp/article/832152

地震被災者に京都府と京都市 公営住宅計40戸 無償提供へ
https://www3.nhk.or.jp/kansai-news/20240105/2000080997.html

名古屋市が被災者向けに市営住宅など60戸を無償提供
https://www.chunichi.co.jp/article/832405

被災者受け入れへ都営住宅100戸程度用意 使用期限当面6か月
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240105/k10014310781000.html

こうした公営住宅等へ一時的に転居すると共に、子供も転居先の学校等へ入学・入園するのは一つの考えです。子供に取ってはメリットが非常に大きく、被災地に掛かる様々な負担も軽減されます。

もしも大阪で大地震が発生し、学校や保育所等が長期に渡って再開しない状況をシミュレートしてみました。

我が家は別の地方にそれぞれの実家があります。そちらに子供だけでも転居し、現地の学校や保育所等へ転校・転園するのがベターではないかと考えています。

この文章が被災地に届くかは分かりませんが、ぜひ検討して下さい。