令和6年能登半島地震が発生してから8日が過ぎましたが、未だ被害の全容が明らかになっていません。現地の道路事情がこれほど悪いとは思いもしませんでした。

今日から全国各地の学校で3学期が始まりました。大阪でも始まりましたが、宿題が終わっていなかった中学生の子供は昨晩遅くまで机に向かっていました。

しかし、被災地の多くの学校では3学期が始まるメドが立っていません。それどころか、日々の生活にすら困窮しています。

全国ニュースでは被災地における学校や教育活動について詳しく報じられていません。最も詳しく報じていたのが、1月8日に放送された荻上チキ・ Session(TBSラジオ)における認定NPO法人カタリバ代表理事の今村久美さんへのインタビューでした。

子供達の過ごし方や学校に関するインタビューの要旨は下記の通りです。

・珠洲市の避難所にて支援活動を行っている。
・珠洲市や能登半島全体から金沢等への移住を行政も推奨している様子だ。
・避難所で保護者が子供の行動を制止するのに疲れている、未来のことを考える時間が持てない。
・中学生や高校生等も交えて、子供達の居場所を作っている。
・受験生の多くは金沢に引っ越したのではないか。
・保護者が行政の仕事をしている為に引っ越せず、避難所の片隅等で勉強している子が居る。
・家族に高齢者が居て、移動できずに留まっている受験生もいる。
・珠洲市からは共通テストの為に合同バスを出す。
・追試験を受験する為に自分が移動するのは無理と判断し、本試験を受けるという声もあった。
・今年の受験を諦めて来年頑張るという子が出てきたら、応援するシステムが重要。
・家族のケアの為に残ると判断するケースも出てくると思う。
・避難所運営に携わっている先生方が休めずに疲弊している。
・先生は子供のケアや学校再開も考えねばならず、業務が倍になっている。
・避難所運営と学校再開を同時に行うのは現実的にどうなんだろう。
・学校から被災者を移動する調整等も必要となる。

https://www.youtube.com/live/OFt8gQdFMYM?si=YKo1Ih6_QEVz3drP&t=8890

避難所の様子を取り上げる全国ニュース等にて、「いくら過疎化・少子化が進んでいる地域であっても子供の数が少なすぎる」と感じていました。

不自由な避難所生活にて小さな子供と一緒に過ごすのは極めて大変です。学校等が再開する見通しは全く立っていません。一定の子育て世帯が金沢等へ移動したのは合理的な判断です。

一方で保護者の仕事等の事情により、被災地に残らざるを得ない子供もいます。保護者は激務の筈です。子供のケアに手が回らず、放置状態となっているかもしれません。

共通テストは非常に悩ましいです。また、1月下旬から2月に掛けては私立大学の試験が本格化します。受験に必要なコストは非常に高いです。出願数を減らしたり本命校しか受験しないといった動きも生じるでしょう。

先生方の負担も甚大です。どうしても目先の避難所運営が優先されてしまい、労力を学校再開へ向けるのは難しいでしょう。

ただ、日本各地の自治体から避難所運営要員が応援に送り込まれています。教職員が避難所運営から解放されれば、ようやく学校再開に向けた準備が進むでしょう。

とは言え、学校へ避難している被災者をどうするか、損壊したインフラや学校施設をどうやって修繕するかは、とても学校のみの判断では出来ません。基礎自治体やより大きな団体を巻き込んだ調整等が必要となります。

中には学校再開まで数ヶ月掛かったり、他の学校や公共施設を間借りして再開する学校もあるでしょう。子供の教育機会を重視するのでしたら、「被災地の外へ転居する」のが最善です。

上記インタビューの通り、既に金沢市や県内各地に移動した子育て世帯が少なくないのでしょう。