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(11/29追記)
「資産要件があるのでは?」という話を頂いたので、大学等に確認しました。

「現在行っている国制度での無償化には資産要件があるが、令和6年度以降に実施する予定の無償化には資産要件はない。詳しくは第2回戦略本部の資料を見て欲しい。」との事でした。

令和5年度第2回大阪府戦略本部会議では「資料「大阪における高校・大阪公立大学等の授業料等無償化制度(案)について」」が配布されました。

これには「所得・資産要件の制限なし」と明示されています。

https://www.pref.osaka.lg.jp/attach/2920/00458340/01_230825_mushouka.pdf

注意すべきなのは「府内3年以上の在住要件」でしょう。

また、2024年度の大阪公立大学入試には多くの志願者が集まり、入試難易度が上昇すると指摘されています。神戸大学との差が縮まりそうです。

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小中学生の保護者の間でも話題に上がりました。

大阪市立大学と大阪府立大学が合併して創設された大阪公立大学は、令和6年度から順次授業料・入学料を無償化、令和8年度(現高校1年生が入学する)には全学年で無償化する方針です。対象となる学生は大阪公立大学(大学院を含む)・⼤阪公⽴⼤学⼯業⾼等専⾨学校で学ぶ大阪府民です。

https://www.pref.osaka.lg.jp/attach/2920/00453623/kaigishiryo_2.pdf

無償化に際しては「所得や資産、世帯の⼦どもの⼈数に制限なく」という一文が添えられています。国の高等教育の修学支援新制度には世帯収入や資産要件が設けられていますが、本制度では設けられていません。

数年後に大学へ進学するであろう子供を大阪で育てている家庭にとっては、極めて魅力的な制度です。現在の大阪公立大学の授業料は年間535,800円です。この金額は大半の国公立大学と同額です。私立大学の平均的な授業料が100万円~150万円程度である事を考えると、国公立大学の授業料の安さは群を抜いています。

大阪公立大学は関西では難関大学の一つです。一般的な感覚としては、京大>阪大>神大>公大>その他主要国公立・関関同立、という位置づけです。

関関同立と公大の両方に合格した場合、多くの受験生は公大へ進学します(関関同立が第1志望ならば、そもそも2月下旬に試験が実施される国公立大は受験しませんが)。

親としては、「関関同立へ進学するよりも、もう少し頑張って公大へ進学して欲しい。」が本音となります。学部4年間で400万円以上も違います。

一方で受験生における公大と神大の位置づけが逆転するとは考えにくいです。神大へ合格できる学力があれば、たとえ4年間の授業料を負担してでも神大を受験・合格してもらいたいです。更に無償化の対象は大阪府民なので、京都府民や兵庫県民には関係ありません。

この制度を利用するには、大阪公大の入学試験に合格しなければなりません。上記の通り、合格するには相当の学力が必要です。

文理学科を設置している大阪府立高津高校の利和5年度入試合格者速報によると、同高校から国公立大学へ合格したのは207人(うち現役166人)でした。約半数が合格しています。その中で公大に合格したのは50人(現役42人)です。


https://kozu-osaka.jp/course/%E5%B9%B3%E6%88%9031%E5%B9%B4%E5%BA%A6%E5%85%A5%E8%A9%A6%E5%90%88%E6%A0%BC%E8%80%85%E6%95%B0%E9%80%9F%E5%A0%B1

同高校の学生数は1学年360人です。ざっくりとした話となりますが、高津高校から公大へ合格するには校内順位が上半分に入っていなければ難しいです(もちろん入試なので逆転等はありますが)。普通科上位校では校内上位~トップクラスが求められます。

高津高校は大阪府が力を入れている進学校です。開成教育グループの資料によると、偏差値67です。公立中学校の学力水準にもよりますが、中学校の校内順位が上1割に入っていなければ厳しいです。

これだけの学力を身につけるには本人の素養に加え、学校外の教育費支出が欠かせません。事実上、高所得世帯ほど無償化を受けやすくなります。おかしな話です。

私立高校授業料無償化にも共通しますが、こうした無償化政策は家庭の合理的な意思決定を歪めます。「タダより高い物は無い」という言葉を改めて思い出したいです。