北九州市立小学校でのクラスター発生を受け、文科省がPTA団体へ緊急のお願い(事務連絡)を出しました。

「学校の臨時休業中においても子供の感染事例は一定数生じており、その多くは家庭内での感染と言われています。学校内での感染拡大を防ぐためには、何よりも外からウイルスを持ち込まないことが重要であり、このためには各家庭の協力が不可欠です。」を強調しています。

「新しい生活様式」を踏まえた御家庭での取組について(協力のお願い)

各団体におかれましては、日頃から家庭における教育や学校・家庭・地域の連携に積極的にお取り組みいただいておりますことに感謝申し上げます。

今般の新型コロナウイルス感染症対策に関連しては、本年3月5日付け及び3月26日付け事務連絡を通じて、様々なご協力をお願いさせていただいたところですが、新型コロナウイルス感染症については、今後も持続的な対策が必要になると見込まれております。

学校の教育活動を実施するに当たっては、感染リスクはゼロにはならないということを前提として、子供たちや教職員の新型コロナウイルス感染症の感染リスクをできる限り低減することが必要です。

このため、文部科学省において、新型コロナウイルス感染症対策専門家会議において提言された「新しい生活様式」(別添)を踏まえ、「学校における新型コロナウイルス感染症に関する衛生管理マニュアル~「学校の新しい生活様式」~」を作成し、令和2年5月22日に都道府県教育委員会等へ発出しました。

本マニュアルにおいては、「学校の臨時休業中においても子供の感染事例は一定数生じており、その多くは家庭内での感染と言われています。学校内での感染拡大を防ぐためには、何よりも外からウイルスを持ち込まないことが重要であり、このためには各家庭の協力が不可欠です。」とし、学校と家庭の連携が学校内での感染拡大防止のため必要であるとの考えをお示ししております。

新型コロナウイルス感染症から子供たちを守り、お子様が安心・安全な学校生活を送ることができるよう、各御家庭においても「新しい生活様式」を踏まえ、下記のような取組にご協力いただきたいと考えております。

つきましては、各団体におかれては、貴管下の団体や会員である保護者の方々等に対し、各御家庭における取組の御協力を呼び掛けていただきたく、よろしくお願い申し上げます

○ 御家庭全体で「新しい生活様式」を実践していただき、感染症対策に取り組んでいただくようお願いいたします。

・学校生活の中でいかに感染防止を徹底しても、仲の良い友人同士の家庭間の行き来や、家族ぐるみの交流を通じて感染が拡大してしまうと、学校全体の教育活動ができなくなってしまうこともあります。特に会食の際には対面を避けるなど、「新しい生活様式」を参考にして工夫いただき、学校の外でも感染が広がらないように御配慮をお願いいたします。

○ 学校での集団感染を防ぐために、お子様の登校を控えるべき場合について御理解いただき、御家庭においても御協力いただくようお願いいたします。

・毎日、登校前にお子様の健康観察(発熱等の風邪症状の有無の確認)をお願いいたします。

・感染がまん延している地域においては、学校からの依頼に基づき、同居の御家族に発熱等の風邪症状が見られる場合にも、お子様の登校を控えるようお願いいたします。

https://www.mext.go.jp/content/20200601-mxt_kouhou01-000004520_1.pdf

各地の感染事例を見る限り、小中学生や高校生、保育園児や幼稚園児が感染した事例の大半は、家庭内で保護者等から感染したと推測されています(例外的に同級生から感染)。

文科省「学校外での子供同士等の交流は配慮を(=極力避けて欲しい)」

学校での感染拡大を防ぐには、文科省が指摘する通り「学校内での感染拡大を防ぐためには、何よりも外からウイルスを持ち込まないこと」が大切です。

ただ、文科省がPTA団体を通して各家庭へ協力を求めているのは「学校外にて子供同士等で感染しない様にして欲しい」とするものです。

文科省は「学校生活の中でいかに感染防止を徹底しても、仲の良い友人同士の家庭間の行き来や、家族ぐるみの交流を通じて感染が拡大してしまうと、学校全体の教育活動ができなくなってしまうこともあります。特に会食の際には対面を避けるなど、「新しい生活様式」を参考にして工夫いただき、学校の外でも感染が広がらないように御配慮をお願いいたします。
」としています。

「仲の良い友人同士の家庭間の行き来や、家族ぐるみの交流」とは、学校外で仲の良い子供や家族で遊ぶ事を差しているのでしょう。こうした際には細心の注意を払って欲しいとしています。

確かに学校外での家庭間の交流を通じて子供が感染した事例もあります。

北九州市立葛原小学校に通う男児(158例目)は、先に感染が判明した八幡西区に住む30代男性(99例目)との濃厚接触が確認されています。

30代男性の濃厚接触者に「家族・同僚家族・友人家族」とあるので、感染した男児は同僚家族ないしは友人家族に該当するのでしょう。

また、富山市立神明小学校での感染事例では、学校外で家族同士が交流した為と指摘されています(但し、感染した保護者がおらず、担任教師が感染しているのと矛盾している)。

【コロナウイルス・5/1追記】富山市立神明小学校でクラスター?、児童4人・教員1人が感染、体育館の学校行事で大合唱

子供感染事例の大半は保護者から

しかし、子供の感染事例の大半を占めるのは保護者からの感染です。その保護者は職場(特に医療機関)で感染した事例が少なくありません。

北九州市立守恒小学校に通う女児(106例目)は、北九州市立総合療育センターで働く母親から感染した可能性が高いとされています。

また、接客を伴う飲食店(いわゆる夜の街)で父親が感染し、家庭内で子供も感染してしまった事例もありました。

いったん子供が感染してしまったら、いくら学校内外で気をつけても感染拡大を避けるのは容易ではないでしょう。子供は「密」になります。

「学校外から学校内へウイルスを持ち込まないこと」を防ぐには、保護者の感染を防ぐ、そして保護者自身も体調管理を適切に行うのが最も重要です。

保護者の行動変容と体調管理が大切

保護者の感染を防ぐには保護者の行動変容、具体的には感染しやすい場所(特にクラスターが発生しやすい場所)への立ち寄りを極力避ける様に求めるべきです。スポーツジムや接待を伴う飲食店が代表的です。

ただ、医療従事者に医療機関での就業を避ける様に求めるのは非現実的です。一部の保育所等では医療従事者の子供の登園を拒否したという悲しい話も聞きました。

同時に保護者自身の体調管理も必要です。小学校や保育所等では先生が子供の体温や体調を確認していますが、保護者の体調等を確認する項目はありません。

子供と同じ様に保護者も毎朝検温し、その内容(体温が平熱か否かという程度)を子供の健康カード等に記入する項目があった方が良さそうです。

北九州市立守恒小学校で感染が確認された女子児童のケースでは、医療機関で働く母親が約2週間に渡って発熱していました。

 市によると、守恒小で最初に感染が確認された10代の女子児童は5月12日以降、37度前後の発熱が続いていたが、登校再開日の25日には熱が下がり、同日から4日間登校。登校前に37度台の熱がある日もあったが、登校時の検温によるチェックでは36度台で引っかからなかった。感染が判明したのは、同じ時期に熱発し、症状が約2週間続いていた母親の感染が分かったからだった。

https://www.nishinippon.co.jp/item/n/612960/

学校が保護者の体調等を確認できていれば、女子児童の登校を見合わせたり、強い注意を払うと言った措置が可能だったでしょう。

既に一部の学校では、家族の体調不良を確認された子供を早退させているそうです。

 市立小中学校では体温や体調不良の有無を記した健康チェックシートを提出させており、感染の再拡大を受けて、家族が体調不良を訴えた段階で子どもを早退させるようにした学校もある。

https://www.nishinippon.co.jp/item/n/613283/

学校再開後、うちの子は元気に登校しています。ただ、話を聞く限り、学校内や登下校中に子供同士で「密」になる場面が少なくないと感じました。

いくら先生が注意しても、休憩時間や移動中といった大人の目が離れる場面では接近してしまいがちです。いくら教室で机を離す等の対策を行っても、感染拡大は防ぎきれないでしょう。

感染した子供が登校登園したら、学校や保育所等での感染拡大は不可避です。先生方が様々な対策を行っても、感染拡大を一定程度減衰させる効果に留まるでしょう(重要な効果ですが)。

休校休園を避ける為には、大人がしっかりと気をつけるべきですね。

もしも「スポーツジムで感染した保護者から子供が感染し、校内感染が広がった」という事例に巻き込まれたら悲惨です。

毎日の体調管理&感染予防を

新型コロナウイルスの感染を防ぐには、接触感染や飛沫感染や「三密(密室・密閉・密着)」を避けるべきでしょう。

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咳や微熱がある方は外出せず、自宅で待機するのが不可欠です。学校や保育所等では毎朝の検温結果を報告する様にされています。

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短縮授業は未だ続きそうです。多くのコンテンツがインストールされている、子供向け電子書籍・タブレットは遊びながら学べるアイテムです。