大阪府では新型コロナウイルスの感染者が爆発的に増加しています。

そこで大阪府は「若者への対策強化」を検討しています。具体的には中学・高校の部活動短縮や練習試合中止、大学のオンライン授業、20時以降の繁華街で帰宅を促すものです。

 13日に初めて1000人を超える感染者が確認された大阪府では14日午後に対策本部会議を開き、学校でのクラブ活動の自粛を要請するなど対策を強化する方向で議論することにしています。

 大阪府では13日に過去最多となる1099人が新たに感染しました。

 変異型ウイルスによって若者でも重症化するリスクがあることなどを踏まえ、府は14日夜に対策本部会議を開催して若い世代への要請を発信する方針です。

 会議では中学校と高校でのクラブ活動について、練習時間を1時間に短縮することや練習試合の中止などを検討します。

 大学に対しては、対面での授業を中止してリモートで実施するよう要請する方向で議論するということです。

 また、15日以降、午後8時前後に大阪市内の繁華街を出歩く若者らに対して不要不急の外出自粛を呼び掛けることなども決定する方針です。

https://news.yahoo.co.jp/articles/ff065b1a1fdf311a584ae0025a4e0797643b9cc9

「対策は正しいが緩く、他の年代との均衡を欠いている」と感じました。

中学校や高校で発生したクラスターの大半は「合唱」や「部活動」に起因しています。
【コロナ・12/1追記】市川中学校(兵庫県)関連で33人感染クラスター、授業参観を兼ねた合唱コンクールで拡大か
春高バレー参加3チームでクラスター発生、全国で高校部活動クラスターが相次ぐ

こうした活動により強い制約を設けるのは正しい方法です。ただ、効果が弱い対策も盛り込まれています。

「部活動は1時間に短縮」する方向ですが、短時間であっても近い距離で激しい呼気を伴ったり、更衣室や飲食中に大声で会話をしたら簡単に感染してしまうでしょう。

感染防止を期待するのであれば、1時間では無く「全面的に中止」とした方が良いでしょう。

練習試合も同じです。「合同練習」という形式でかいくぐる学校も現れるでしょう。他校への感染拡大を防ぐなら「他校との合同練習・試合等の一律禁止」とすべきです。

「万全な感染対策を行えば問題ない」という意見もありますが、それが徹底して行えていなかったのが現実です。部活クラスターは本当に多いです。

様々なクラスターを見る限り、部活動での感染対策には限界があります。特に高校生や大学生が屋内で行うスポーツ(バレーやバスケ)ではクラスターが多発しています。入念な感染予防を行ったとしても、感染者が紛れ込んだら感染拡大は防げません。

部活動はあくまで「課外活動」です。最優先は授業です。部活動によって休校となって授業が滞る事態は避けて欲しいです。それこそが本末転倒です。

但し、同じ大阪府内で聖火リレーやフィギュアスケート大会が行われています。部活はダメで聖火リレーはOK、確かに矛盾しています。

また、小中の部活で発生したクラスターはすぐには思い出せません。高校と比べて少ないですね。

大学のオンライン授業は「学生が集まる機会を減らしたい」のが狙いでしょう。

新年度の開講に伴い、様々な大学で多くの学生が集中して「密」が形成されている報道が相次いでいます。そうした瞬間を切り取った報道も少なくないでしょう。

大学で感染が拡大する場面は「講義以外」です。講義中に感染が広がった事例は殆どありません。大学内外での飲食・サークル活動・宴会・部活動・寮生活が原因です。

この1年間、大学生には様々な強い要請が行われてきました。オンライン授業が続き、中には精神を病んでしまった学生もいます。楽しいはずの学生生活が全然楽しくなかったのは同情します。

しかし、一部の大学生の交友活動や余暇活動が目に余っています。このご時世に大宴会を行うなんて信じがたいです。オンライン授業を強く要請し、学生が集まる機会を減らすのは仕方ありません。

多くの学生は常日頃から感染予防に気を遣っていたでしょう。残念ながら、一部学生による常軌を逸した行動により、広く網を掛けざるを得ない状況となってしまいました。

なお、吉村知事は「部活動は原則として自粛を要請したい、公式戦は学校の判断、オンライン授業を積極的に行って欲しい、一斉休校は行わない」とコメントしています。

保育所等の一斉休園も検討されていませんね。感染爆発の中、保育を行って下さっている先生方に頭が上がりません。

30代~50代への対策急務

一方、見逃せないのは「他の年代への対策との不均衡」です。4月上旬は学生の感染者が非常に多かったと聞きましたが、ここ数日は30代~50代の感染者が急増しています。

http://www.pref.osaka.lg.jp/attach/23711/00376026/0413.pdf

4月13日の感染者は10代87人・20代222人でしたが、30代162人・40代178人・50代164人でした。序盤の感染拡大は学生が牽引したかもしれませんが、現在は企業等で働く社会人が広げています。

また、1人暮らしも多い学生や若手社会人と異なり、社会人は家族と同居している人も多いです。会食等で感染して家庭内へ持ち込み、一家全滅する事例が続発しているそうです。

感染者数を見る限り、若者や学生ばかりをスケープゴートとしてやり玉にあげるのは間違っています。社会人や企業等へも強力な要請等を行う必要があります。

報道等では「テレワークの要請を徹底する」としています。が、様々な理由を付け、テレワークに応じていない企業が少なくありません。特に大阪で多い中小企業や工場等ではテレワークを導入するのが難しいという話を聞きます。エッセンシャルワークも難しいでしょう。

テレワーク導入を要請するのは、街中での人流を抑制し、特に感染拡大に繋がる会食する機会を強く減らすのが目的とされています。

であれば、社会人等にも学生並み、いやそれ以上に強い要請等を行うべきです。でなければ均衡が取れません。

とある在阪企業では社員へ「会食厳禁、外食は1人で黙って食べる、できれば外食も控えて欲しい」という強い指示が行われたと聞きました。

感染拡大の原因を若者に押しつけるのは間違っています。

百貨店・テーマパークにも休業要請?


休業要請の範囲が少しずつ明らかになってきました。吉村知事は飲食店のみならず、百貨店やテーマパークにも休業を要請したい意向だそうです。(ミヤネ屋による)

大阪の百貨店といえば高島屋・大丸・阪急百貨店・阪神百貨店・伊勢丹が、テーマパークはユニバーサルスタジオジャパン(USJ)や海遊館が思い浮かびます。

人流を徹底的に抑制するならば、こうした集客施設に休業を要請するのも仕方ありません。様々な興業やイベント等もより強い規制が行われる可能性があります。

(追記します)