厚生労働省から人口動態統計速報(令和5年6月分)が公表されました。出生数や婚姻数の急減、そして死亡数の急増が見て取れます。
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/geppo/s2023/dl/202306.pdf
これによると、2023年上半期の出生数は371,052人でした。昨年同期が384,942人だったので、3.6%も減少しています。
更に急減しているのは婚姻数です。2023年上半期は246,332件に留まりました。昨年同期が265,593件だったので、7.3%も減少しています。
要因ははっきりしています。コロナ禍による出会いの機会の消失です。婚姻の前提には、多くは出会いや交際というプロセスがあります。
しかしながら、コロナ禍によってこうした行動に大きな支障が生じてしまいました。当時はやむを得なかったとは言え、大人数が集まる宴会やパーティ、そして飲食店が目の敵にされていました。どこで出会い、どこで関係を進めていけば良かったのでしょうか。
婚外子が極めて少ない日本では、婚姻数は出生数の先行指標となります。来年以降も出生数が激しく減るのは避けられません。
反対に死亡数は増加し続けています。2023年上半期の死亡数は797,716人でした。昨年同期が777,213人だったので、2.6%も増加しています。
高齢者の増加、団塊の世代の引退、そしてコロナ禍による超過死亡あたりが主な原因でしょう。
今後の日本は婚姻急減に伴う超少子化社会を迎えます。親世代が過ごした時代とは全く異なる時代が子供達にやってきます。小学校の児童数が学年を追う毎に減少している、保育所等が急激に入所しやすくなっている等、変化は既にひしひしと感じてます。
ただ、現時点では未だ高校・大学の上位校では激しい選抜が行われています。少子化で競争が緩和されたと思いきや、数少ないプレーヤー間の競争が明らかに苛烈な物になっています。現在の15歳・18歳人口は未だ100万人を越えています。
反対に中位以下の高校・大学での入試競争は大幅に緩くなっていると感じています。選抜よりも「入学者の囲い込み」が重視されています。
今後はこうした競争も年々緩くなっていくでしょう。この先の受験生人口は更に減少します。現在の未就学児が15歳・18歳になる頃には、高校や大学もより減っているでしょう。特に地方の受験生は選択肢が非常に少ないという問題が顕在化します。
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