(追記)
6人で買い物に来たにも関わらず、誰も喜寿生ちゃんを見ていませんでした。「自分達とは別グループで行動している」と勘違いしていたそうです。

これは26日正午過ぎ、北九州市八幡西区にある商業施設の駐車場に止められた車の中で市内に住む0歳の男の子、中山喜寿生ちゃんが心肺停止の状態で見つかったものです。

喜寿生ちゃんは約1時間後に病院で死亡が確認されました。

警察によりますと喜寿生ちゃんは午前10時ごろ両親や兄姉など計6人で商業施設に到着しましたが、両親は別々に車を降り、別れて買い物をしていたため、お互いが「喜寿生ちゃんと一緒にいると勘違いしていた」と説明していると言うことです。

https://news.yahoo.co.jp/articles/9560309a46117a0163d8f09dff70704cfe990221

 県警折尾署によると、26日は両親と長男(5)、長女(3)、二男の男児、知人の計6人が3列シートのワゴン車で施設を訪れていた。父親(26)と知人が車を降りた後、午前10時ごろに母親(26)が長男と長女を降ろして施錠。窓は閉め、エンジンは切った状態だった。母親らは、運転席すぐ後ろのチャイルドシートにいた男児に気付かなかったとみられる。

 午後0時半ごろ、父親が男児を連れていないことに気付いた母親が車に戻り、車内でぐったりしている男児を発見。119番したが、救急隊が到着したときには既に心肺停止状態だった。

https://news.yahoo.co.jp/articles/b908c561f651503a8241c4eebc7f9ce59b41a24f

寝ている喜寿生ちゃんを寝かせたまま離れたのでは無いそうです。

この弁明をそのまま受け止めると、先に降車したグループは「喜寿生ちゃんは後のグループと車内で待機しているか一緒に行動している」と判断する一方、後で降車したグループは「喜寿生ちゃんは先に降車したグループと一緒に行動している、車内にはいない」と判断したものと思われます。

であれば車内は閉め切り、クーラーは掛かっていなかったと考えられます。酷暑の車内は温度が急上昇し、喜寿生ちゃんはあっという間に命を失ってしまいました。

気になるのは後で降車したグループの判断です。車内を再確認しなかったのでしょうか。

ここまで書いたところで、川崎幼稚園(静岡県牧之原市)の幼稚園バスから園児を降車させるのを忘れ、熱中症で死なせた事故を思い出しました。

【ニュース・10/3追記】川崎幼稚園(静岡県牧之原市)で3歳園児が死亡 園バス内放置で熱中症か

最後に大人が降車する際に車内確認するのを怠っていたという構図は同じです。しかもチャイルドシートは確認しづらい、運転席の真後ろにありました。

母親は5歳児と3歳児の相手で精一杯です。多くの子供と一緒に行動していると、どうしても1人1人に対する注意は減ってしまいます。ぐっすりと眠っていたら0歳児の声は聞こえません。「喜寿生ちゃんは父親と一緒に行動している」と早合点したのでしょう。

先に行動した大人2人も嘆かわしいです。子供3人を母親1人に任せ、大人2人だけで行動するのは自分勝手です。

3列シートのワゴン車ともなると、外部から中の様子は見えません。チャイルドシートすら見えなかったでしょう。暑さで体力が落ち、泣き叫ぶ声も元気が無かった筈です。

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残念な事故が再び起きてしまいました。炎天下の駐車場に寝かせられていた8か月男児が死亡しました。熱中症の疑いが持たれています。

6日午後1時ごろ、北九州市八幡西区のコストコホールセール北九州倉庫店の駐車場に停められていた車内に生後8か月の男の子が放置されていると消防から警察に通報がありました。男の子は病院に運ばれましたが約40分後に死亡が確認されています。

病院で死亡が確認されたのは北九州市小倉北区井堀の中山喜寿生くん、0歳です。26日午後1時頃、母親から消防に「生後8か月の男の子が息が苦しそう」「顔面が蒼白だ」と通報がありました。消防が駆けつけたところ、北九州市八幡西区のコストコホールセール北九州倉庫店の駐車場に停められていた車の中で中山喜寿生くんを見つけたということです。

警察によりますと、現場には父親と母親がいましたが、中山喜寿生くんは車内に放置されていた可能性が高いということです。警察が父親と母親に当時の状況など詳しく聞いています。

https://news.yahoo.co.jp/articles/141d7126ead9ec03f9fdc52db5988dd4e5d37dec

コストコホールセール北九州倉庫店は非常に大きな商業店舗です。建物面積はすぐ東にある野球場並み、駐車場面積は陸上競技場と運動場並みです。

コストコは会員制の商業店舗です。公共交通機関から距離がある店舗が専らで、一度に非常に多くの買い物をする客が多いので、利用者の大半は自動車で来店します。

事故が起きた昨日は土曜日と言うこともあり、非常に多くの利用客で賑わっていました。駐車場は満車に近い状態でした。

こうした車内に子供が寝かせられていたら、周囲の買い物客はなかなか気付きません。屋外は非常に暑いので、いち早く店舗内に入ろうとします。帰りは両手に多くの荷物を抱えているので、車内の様子に気を配る余裕はありません。

更に生後8か月であれば、身長は70センチにも達していません。首が据わったばかりなので、恐らくはベビーシートに寝かせられていたでしょう。車外からは全く見えません。

実は敢えて車内に放置し、親だけで買い物に出掛けたのではないかと考える理由があります。多くの商業店舗と異なり、コストコではベビーカーの貸出は行っていないそうです。

コストコにベビーカーの貸し出しはありません。

自宅からの持ち込みは可能ですが、来店者数が多いと身動きが取れなくなるのでおすすめしません。

ひとり座りができない子どもがいるときは、カートを押せるように両手が空く抱っこ紐を持参するといいでしょう。

https://mamasnote.jp/costoco/

自動車での移動に慣れていると、車内にベビーカーや抱っこ紐を持ち込むのを忘れてしまいがちです。両手で抱っこしながら買い物をするのも大変です。であれば、「よく寝ているし、短時間なら車内で寝かせていても大丈夫かな」と思い込んでしまったのかもしれません。

しかし、その判断は誤りでした。

当日の最高気温は32.9度でした。連日の様に35度を越える感覚に慣れていると「たったの32.9度か」と思いがちです。

しかし、強い直射日光に照らされた車内は、あたかも熱せられたフライパンに似た様な状況です。冷房を切った車内は大人ですら短時間も耐えられません。子供や乳幼児なら無理です。

どの様な理由であれ、子供を車内に置き去りにする感覚は全く理解できません。私は間違いなく店舗内に連れて行きます。子供を連れて行けない店舗には週末は行きません。

過去に帰省した際に子供が熟睡していたので、祖父母が「このまま寝かせたまま、大人だけで入店したら?」という話をした事とがあります。即座に「本気で言ってるの?もう二度と帰省しないよ?」と言い返しました。

今夏は史上最悪の酷暑だと感じています。こうした日に8か月の乳児を車内に放置したら、結果は自明です。ごく僅かな時間でもNGです。

どうしても寝かせておきたいならば、両親のいずれかが車内で待機すべきでした。