今年は水難事故が絶えません。滋賀県長浜市の学童保育でプール遊びをしていた小学校1年生が溺死しました。

 26日午後1時20分ごろ、滋賀県長浜市野瀬町の多目的施設「あざいカルチャー&スポーツビレッジ」にある屋外プールで、学童保育の活動中の子どもが溺れたと、学童保育の引率責任者から119番があった。滋賀県警長浜署によると、溺れたのは同市神照町の市立神照小1年の男児(6)。男児はコースロープに覆いかぶさって顔を水に漬けた状態で浮かんでいた。ドクターヘリで病院に搬送されたが、約2時間後に死亡が確認された。

 同署は男児の死因を調べるとともに、関係者への聞き取りを進めて安全管理態勢に問題がなかったか調べる。

 この学童保育は「キッズパーク放課後児童クラブ」で、長浜市の委託を受けた同市の民間事業者「イケダ光音堂」が運営している。運営者側の説明では、当時、学童保育の活動で男児を含む小学1年~6年の45人の子どもが遊泳しており、4人の引率者がプール内とプールサイドから監視していた。子どもたちは午後1時ごろに水に入り、男児はコースロープをくぐったりして遊んでいるところを目撃されていた。同1時8分ごろ、ロープに覆いかぶさったままの男児に気付いた人がいたが、この時は救助せず、他の子どもが男児の様子がおかしいと声を上げたため、引率者が水から引き上げた。男児は既に意識がなかったという。

 プールは長さ25メートルで、浅い部分(水深60センチ)と深い部分(同110センチ~130センチ)に分かれている。男児は身長約120センチで、水深約120センチの箇所で発見されたという。

 多目的施設は2014年に閉校になった上草野小の施設を活用している。市が所有し、日本水泳振興会に無償貸与している。現場はJR高月駅の東約8キロの山間部。

https://www.kyoto-np.co.jp/articles/-/1075223

 26日午後1時15分ごろ、滋賀県長浜市野瀬町の複合施設「あざいカルチャー&スポーツビレッジ」の屋外プールで「おぼれている男の子がいる」と、利用していた民間の放課後児童クラブ(学童保育)の引率責任者から119番通報があった。県警によると同市神照町の小学1年、田中大翔(ひろと)さん(6)が救助され病院に運ばれたが、死亡が確認された。

 児童クラブや長浜署などによると、子ども45人を職員4人で引率し、26日午後1時ごろから施設の25メートルプールに入った。職員のうち2人がプールサイドで監視し、残り2人は水中で子どもと遊んでいたという。

 同8分ごろ、田中さんがうつぶせで浮いているのを別の子どもが見つけ、引率者が救助した。

 田中さんは身長約120センチで、泳げるかどうか児童クラブは確認していなかった。発見場所の水深は約120センチだった。

 施設は、全国数十カ所のスポーツ施設を管理運営する株式会社・日本水泳振興会(東京)が、閉校となった小学校を市から借り受けて営業。同社によると、プールを団体の貸し切りにする場合、安全管理は団体が担うこととしており、同社の従業員は現場にいなかったという。

https://digital.asahi.com/articles/ASR7V5X2YR7VOXIE062.html

学童保育(放課後児童クラブ)とは、授業終了後や長期休業中の小学生が遊びや生活を行う場所とされています。長浜市は学童保育事業の一部を事故を起こしたキッズパーク放課後児童クラブに委託しており、同市を経由して申込手続等を行います。

放課後児童クラブとは
https://www.city.nagahama.lg.jp/0000000481.html

長浜市というと琵琶湖畔や長浜城というイメージが強いのですが、事故が発生した「あざいカルチャー&スポーツビレッジ」は旧浅井町の山間部にあります。「あざい」という名の通り、有名な戦国武将である浅井長政の本拠があった小谷城のすぐ麓にある施設です。

同施設は閉校された旧上草野小の跡地を利用しています(最終年度の児童数は51人)。「泊まれる学校」がアピールポイントです。関東では「さる小」が有名ですが、関西にもあるとは知りませんでした。

事故が起きたプールは小学校内になく、隣接した場所にあるものです。グーグルマップで確認したところ、幹線道路を挟んだ西側にありました。

目をこらすとプールが2色に見えます。上側の狭い部分が浅く(水深60センチ)、下側の広い部分が深く(同110センチ~130センチ)となっていると考えられます。水中で出入りできない様に、柵が設けられています(空撮映像で確認)。

亡くなった男児は1年生、身長は約120センチです。深い部分では足が届きません。1年生の水泳の授業は水に親しむのが主目的です。原則として深い部分は使わない筈です。

こうした学年及び身長の児童ならば、低い部分のみで水遊びを行うものです。が、男児はコースロープをくぐったりして遊んでいるところを目撃されていました。浅い部分ではなく、深い部分で遊んでいました。しかもコースロープは浅い部分から離れた場所に設置されていました。即座に監視員が浅い部分へ移動させるべきでした。

浅い部分があるにも関わらず、足が届かない児童がどうして深い場所で遊んでいたのでしょうか。監視員の人数云々以前の問題です。

放課後児童クラブの園長は記者会見で「甘え」と述べました。

「例年このスタンスでやってたからいけるだろうという自分の中の甘えが、このような大きい事件を招いてしまった」

https://news.yahoo.co.jp/articles/6a5782b672fe4b68b84a64bc2063bd317ee74423

コロナ禍の3年間はプールを利用せず、4年ぶりに利用した際に低学年の児童は浅い部分を使うといったノウハウが失われていたのかもしれません。