(4/21さらに追記)
被害に遭った女児の供述の信用性につき、朝日新聞が詳細に取り上げています。
判決は、基本的に1日3食をとってきた娘が3日間も絶食したのは「相当に異常で危機的な状況」なのに、娘の説明は単調であいまいな部分が多いと指摘。娘がこの間に会った祖父らに空腹を訴えておらず、絶食の時期について供述が変遷していることも踏まえて、「必要な食事をとらせなかった」という検察側主張を退けた。
下剤についても裏付ける客観証拠がない上、司法面接での検察官の質問には、低血糖になりやすい持病で入退院を繰り返してきた娘が別の入院時の記憶と混同していないか留意した様子がないと言及。娘が積極的にうそをついたと疑う事情はないにしても、供述をそのまま信用することはできないと結論づけた。
https://digital.asahi.com/articles/AST4L1JPFT4LPTIL005M.html
供述の変遷や客観的な証拠の欠如を指摘しています。被害女児の供述が信用できず、加害や被害を裏付ける客観的な証拠が無ければ、加害者の行為を立証するのは難しいです。
しかし、母親は女児に下剤を渡した行為や、金銭的に困窮していた事情は言及されていません。こうした事実は本当に無かったのでしょうか。
(2025/4/21追記)
大阪地裁で判決が言い渡されました。強要未遂罪は有罪としましたが、詐欺罪・暴力行為等処罰法違反は無罪としました。
入院中の当時8歳の娘に食事を摂らないよう強要しようとした母親に、大阪地裁は4月21日、執行猶予の付いた有罪判決を言い渡しました。一方で、故意に低血糖症に陥らせて入院させ、共済金をだまし取った罪については、無罪としました。
大阪府大東市の縄田佳純被告(35)は、暴力行為等処罰法違反や詐欺、強要未遂の罪に問われていました。
(起訴内容)
▽2023年1月、当時8歳の娘に必要な食事を与えず、故意に低血糖症に陥らせて入院させ、翌月に共済金計14万円をだまし取った罪(詐欺罪・暴力行為等処罰法違反)
▽同じく2023年1月に複数回、娘に故意に下剤を飲ませた罪(暴力行為等処罰法違反)
▽2023年2月、入院中の娘に“食事をすれば養育を放棄する”とLINEや電話などで脅し、絶食させようとした罪(強要未遂罪)(以下省略)https://news.yahoo.co.jp/articles/86cb8ce64184cbb9b4c83bd69c09a59c21096b9e
難しい判断だったと思います。ただ、一点だけ強い疑問を有した箇所があります。裁判長が「検察側が立証の核としていた、司法面接での被害女児の供述は、虚偽供述を疑わせる事情はないものの、正確な記憶に基づく供述であるかに疑問を抱かせる事情が多く、供述を的確に裏づける医学的証拠などもない」とした部分です。
大人と比べて子供の記憶は曖昧です。実生活でも実感します。「虚偽供述を疑わせる事情はない」「供述を的確に裏付ける医学的証拠などもない」と指摘されてしまうと、子供が供述や証言を行う他事件にも影響が生じます。
何よりも「子供の供述だから正確な記憶か疑わしい。」という一言で切り捨てられかねません。具体的にどういった部分に疑問を抱かせる事情があったのかが気掛かりです。
被害に遭った女児はこれからどの様に生活していくのでしょうか。裁判長は「あなたと被害者が何気ない日常生活に戻れることを期待しています」と説諭しました。正常な親子関係に戻って欲しい気持ちと、それは難しいのでは無いかと感じる気持ちが交錯しています。
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小学生の娘を低血糖状態に陥らせ、共済組合から共済金を騙し取った母親が逮捕されました。
小学生の娘に十分な食事を与えず低血糖症にさせたなどとして傷害の罪で起訴された大阪 大東市の34歳の母親が、入院で支払われる共済金をだまし取ったとして、詐欺の疑いで逮捕されました。
警察によりますと、娘は、5年前から同じような症状で40回余り入院しているということで、詳しいいきさつを調べています。調べに対し、母親は容疑を否認しているということです。
逮捕されたのは、大東市のパート従業員、縄田佳純容疑者(34)です。
警察によりますと、ことし1月、当時8歳の小学生の娘を入院させ、共済金6万円を東京の共済団体からだまし取ったとして詐欺の疑いが持たれています。
縄田容疑者は、娘に成人用の下剤を飲ませたほか、十分な食事を与えず低血糖症にさせたとして、傷害の罪で起訴されていました。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230718/k10014134151000.html
実の娘の体調を崩させ、遊興費に費やす目的で共済金を詐取していたとは、信じられない程に酷い母親です。関連する出来事を時系列でまとめました。
| 年月日 | 出来事 |
| 2016年〜17年頃 | 縄田容疑者が夫と離婚した。 |
| 2018年1月~12月 | 娘は年間9回入院した。 |
| 2018年2月 | 縄田佳純容疑者が下剤を処方され始める(以後、約20回に及ぶ)。 |
| 娘の学資保険に医療特約を付けた。 | |
| 4月頃 | 娘に下剤を投与し始め、入退院を繰り返すようになる。 |
| 2019年1月~12月 | 娘は年間11回入院した。 |
| 2019年頃 | 縄田佳純容疑者と病院で会った知人は「入退院を繰り返している」と違和感を持った。 |
| 別の知人は「ご飯食べてないと見て分かるぐらいに娘がガリガリだった」と感じた。娘にお菓子を与えたら、凄く喜んでいた。 | |
| 2020年1月~12月 | 娘は年間12回入院した。 |
| 娘が入院した際、病院が尿を採取した。後に尿内から縄田佳純容疑者に処方された下剤と同一成分が検出された。 | |
| 2021年1月~12月 | 娘は年間8回入院した。 |
| 2021年春 | 現に居住しているアパートに転居した。 |
| 2021年4月 | 娘が学区外の小学校に入学した。縄田容疑者は学校に「娘は難病を患っていて、検査のために入退院を繰り返している」と説明した。体重は正常値の範囲内だった。 |
| 2021年4月~9月 | 入院の為、学校を何度も欠席した。縄田容疑者は「検査のため」と答え、学校は診断書の提出を求めなかった。 |
| 2021年10月 | 入退院しなくなる(知人男性からの資金援助が始まったから?) |
| 2022年1月~12月 | 娘は年間1回入院した。 |
| 2022年1月頃? | 知人男性から毎月数十万円の資金援助を受け始める。 |
| 2022年10月18日 | 大東市に「食事を食べさせていない」「入退院を繰り返している」との匿名メールが届いた。 |
| 10月19日・20日 | 食事や家庭内の状況等につき、大東市が小学校から聞き取りを行った。縄田佳純容疑者が学校に「娘は難病に指定された病気がある」と学校に説明していたことから、大東市は入院の原因が虐待ではないと判断した。 |
| 10月20日? | 大東市は家庭訪問を行ったが、内容を確認できなかった。母親は「難病」と弁解した。 |
| 10月23日 | 大東市に「子どもが一人で留守番をさせられている・母親が子どもに罵声を浴びせている・夜に子どもがベランダに出されていて大声で罵声を浴びせられている」等とする匿名メールが届いた。 |
| 11月8日 | 大東市は軽度のネグレクト(4レベルで最も下)と判断、要保護児童に登録した。市は見守り対象として学校間との連絡を行いながら対応を行っていた。 |
| 2022年夏から12月頃 | とある男性と交際していた。交際費用は男性が負担していた。複数の男性と何度も交際したいたという。 |
| 2023年1月 | 知人男性から毎月数十万円の支援を受けていたが打ち切られた。原因は浪費。ブランド品・エステ・外食・旅行等に多額を費やしていた。 |
| 1月19日 | この日の食事は学校での給食(約600キロカロリー)のみ。娘が菓子等を食べていいかと携帯電話で訊ねたが、縄田容疑者は「やめとき」「やめといたほうがいいって。吐いたら大変やで」と返信した。 |
| 1月20日 | 給食を避ける為、学校を欠席した。この日は何も食べなかった。 |
| 1月21日 | この日の食事は祖父母から与えられた梅の駄菓子3個のみだった。 |
| 1月22日 | 入院前に病院から渡されていた測定器で娘の血糖値の低下を確認した。病院の駐車場や自宅で下剤(ピンク色の変な薬、センノシド?)を飲ませた。 |
| 娘に食事を食べないように指示し、ケトン性低血糖状態で入院させた。 | |
| 縄田容疑者は資金援助を受けていた男性とは別の交際相手と旅行の計画を立てた。友人を岩盤浴に誘った。 | |
| 入院面会中、医師等の隙を見て娘に下剤を飲ませた。 | |
| 1月25日 | 入院面会中、医師等の隙を見て娘に下剤を飲ませた。 |
| 1月27日 | 退院した。 |
| 2月1日 | 再び入院した。 |
| 2月2日 | 1月分の共済金として6万円が振り込まれた。 |
| 2月5日 | 縄田佳純容疑者が入院中の娘に電話し、 「泣くなって、うっとうしいから」 「食うなよ、寝とけ」 「夜も食べんとしんどいって言って寝とき」と告げた。スピーカーホンでの会話を看護師が耳にし、病院幹部に報告した。 |
| 2月5日~8日頃 | 縄田佳純容疑者が娘に「しんどくて食べられないって、ちゃんと言いや」 「朝ごはん食べれない、しんどいって言うとき」とメールした。 |
| 2月6日 | 病院が子ども家庭センターへ通告した。 |
| 2月9日 | 子ども家庭センター(児童相談所)が一時保護をし、大阪府警に通報した。 |
| 娘「しんどくない時も急にママからピンク色の変な薬を飲まされる。気持ち悪くなって、げー(嘔吐)する」 | |
| 3月29日 | 娘に食事を取らせない強要未遂容疑等で縄田容疑者が逮捕された。 |
| 4月19日 | 娘を下痢にさせた傷害容疑で再逮捕された。 |
| 6月19日 | 娘を低血糖にさせた傷害容疑で再々逮捕された。 |
| 7月18日 | 共済金を騙し取った詐欺容疑で再再々逮捕された。 |
| 娘は5年前から同じような症状で43回入院していて、縄田容疑者は合わせて約570万円を受け取ったとみられている。 |
一連の経緯からは、数年にも渡って娘を「金づる」として利用していた痕跡がうかがえます。
親一人子一人の家庭なので、生活は決して楽ではない筈です。パート収入や児童扶養手当等では、毎月の生活費はギリギリだった筈です。
それでも遊びたいあまり、共済金を騙し取ったのでしょう。娘に何度も下剤を飲ませたり、食事を食べさせず、低血糖状態に陥らせました。
一方で知人男性から毎月数十万円にも及ぶ資金援助(端的に表すと愛人手当?)を受け始めると、途端に入院しなくなりました。代わりに知人男性と飲み歩いたりし、娘をほったらかしにする生活が続きます。
しかし縄田容疑者の浪費ぶりに知人男性すら呆れてしまいます。また、他に交際する男性の影がちらついていたのでしょう。約1年に渡って続いた資金援助を打ち切ります。
浪費生活に慣れてしまった縄田容疑者は狼狽えます。生活レベルは急に落とせません。再び娘を入院させ、共済金を騙し取ろうと画策します。下剤を飲ませ、学校を休ませ、何度も入院させました。娘がいない隙に遊び歩く計画を立てました。
しかし、縄田容疑者から娘への指示を遂に看護師が耳にしました。以前から何度も入退院を繰り返す娘の病状に不信感や違和感も持っていた筈です。縄田容疑者からの「食べるな」という音声で、確信へと変わりました。
翌日には児童相談所へ通告、そして早々に娘は保護されました。
縄田容疑者の余罪は多数に上ります。大東市・大阪府・健康保険組合等が負担した医療費については未だ立件されていません。今後は償還請求も行われるでしょう。
実刑は免れません。

本当に悲しい事件ですね…
いつか和解できるといいですね。
これはあまりにも悲しい事件です。けれども私は縄田佳純さんは元々、神の子、仏の子であると信じています。
やはりそうですよね。縄田さんだって元々純粋なんだし…何かあったのでしょうかね?