(3/21追記)
自らも小規模の保育施設を運営している保護者会長が、新聞社の取材に応じました。子の対応に憤っています。

 通所園児のおよそ3分の1に当たる19人が心理的虐待などの被害に遭っていた埼玉県熊谷市立吉見保育所(同市向谷)の不適切保育問題。保護者会会長の黒川範仁さん(49)が毎日新聞の取材に応じ、説明会を開かず保護者と向き合おうとしない市の姿勢を「不誠実極まりない」と厳しく批判した。自身も保育士として保育業務に携わる経験を踏まえて「今回のケースから学ばない限り、同じような事態は再び起きる」と警告する。

https://news.yahoo.co.jp/articles/fa714afdac2227fb49ee42e145500959ef325bae

保育所長や主任保育士の暴言等を止められなかった背景として、「公立保育所の人事権」を指摘しています。

 私は3歳児未満を対象にした小規模の保育施設を運営しています。感じるのは私立、公立とでは働く保育士の立場が違うという点です。私立保育施設の保育士であれば、嫌なら辞めて別の施設を見つければいい。けれども、人事異動がある公立だと、人事権を握る所長らに逆らえない空気があるようです。

 今回問題なのは、22年度から長期にわたって暴言などが日常的に行われていたというのに、止める保育士がいなかったことです。他にも保育士がいたのに、傍観していただけ。公立保育所の体質的な問題もあるのではないかと見ています。だから検証が大事なんです。吉見保育所から何を学ぶかが問われています。

保育所内の職務分掌については保育所長に権限があるでしょうが、別の保育所や市役所保育課等への異動に関する権限もあるのでしょうか(要請等は可能だとしても)。

むしろ「公立保育所の狭い社会」が引き金になったのかもしれません。

熊谷市内に公立保育所は12箇所あります。保育士の人事異動は保育所や保育関連部局が専らでしょう。人事異動の幅が狭く、人間関係は濃密だと考えられます。

となれば、保育職の幹部職員の行為を止め、更には市役所等の介入を求めるのは大きな勇気が必要です。たとえ介入等が行われても、「あいつは仲間をチクった」と陰口を言われかねません。

同じ保育所で働く別の保育士は「見て見ぬふりをするのが一番の保身」という判断に至ったのでしょう。残念な話です。

(1/25追記)
関係者の処分が発表されました。

不適切保育を主導かつ園児を平手で叩いた保育所長(当時)は停職6月、同じく主導した主任保育士(当時)は停職3月、0-1歳児クラスを担当していた会計年度任用職員5名は文書注意、その他管理監督者・市長・副市長が減給とされました。

https://www.city.kumagaya.lg.jp/shicho/kaiken/R5/1gatuteirei.files/yoshimihoikusyosiryo001.pdf

保育所関係で処分されたのは管理職2名と会計年度任用職員5名です。管理職が不適切保育を行っていても、立場が弱い会計年度任用職員は反論するのが難しいでしょう。雇用されている自分の立場が危うくなります。

こうした職員を巻き込んで不適切保育を行った管理職2名を重い処分としたのが合理的です。

0-1歳児クラスには主任保育士以外の正規職員が配属されていたとの報道はありません。管理職とパート職員では大きな権力勾配があります。間に立てる職員がいたら違っていたかもしれません。

しかしながら、会計年度任用職員であっても正規雇用されている保育士に相談する、熊谷市役所へ通報するといった方法も取り得ました。他の保育所等では職員の通報を切っ掛けとして虐待や不適切保育が明らかになった事例が少なくありません。

再発防止策ととして、熊谷市は市立保育所の全保育室に見守りカメラを設置・ケアや交流機会の増加、職員対応の充実を図る方針です。

https://www.city.kumagaya.lg.jp/shicho/kaiken/R5/1gatuteirei.files/yoshimihoikusyosiryo001.pdf

引っかかったのは「保護者送迎方法の変更」「公開保育、懇談会の実施」です。

不適切保育が行われているのであれば、知能が発達した1歳児は保育士から距離を取ろうとするでしょう。その様子を保護者が見たら、違和感を覚える筈です。が、もしも保護者が保育室に入っていなければ、そうした様子に気づくのは難しいです。

公開保育も同様です。1歳児(多くは既に2歳児、満3歳に近い園児もいる)は自分に嫌な事をする人間から逃げます。やはりおかしいと気づけます。

不適切保育等を行わない、行うのを未然に防ぐのに重要なのは「情報公開」です。

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(12/25追記)
初回投稿で示唆した通り、やはり保育所長が園児に暴行を加えていました。また、約1/3の在園児が暴言等の被害に遭っていました。

 同課は調査を基に、「全部DNA」「バカ頭」などといった所長、保育士による15の発言を心理的虐待などに当たる不適切発言として公表した。また、23年5月ごろ、所長が2歳の女児に対して内ももを強くたたく身体的虐待があったとした。

 被害園児19人のうち、主任保育士が担任を務める0~1歳児クラス(14人)が10人を占めた。同クラスに関わる保育士はほかに5人。そのうち4人が心理的虐待に関与していた。2人は不適切な言葉を発し、もう2人はうなずくなど同調していた。所長、主任保育士に比べ、関与の度合いは低いとしている。

https://news.yahoo.co.jp/articles/80d52ce1f1c60c81b791bba617e2a6633d6d124c

熊谷市が心理的虐待と判断した発言です。これ以外にも数多くの暴言があったと容易に想像できます。

・あのバカ頭だから。あのお父さんだし。
・○○やるよ、これ。これやるよ。
・いい加減にしなさい! ○○はいじられる人生なんだからしょうがない。
・全部DNA。
・家でろくなもの食べてない。
・牛舎みたいなにおい
・あの肌着のおばさん何だろう。
・ダメチン
・(うんちが出た報告を受けて)ほら、あーあ。あー。なんで言わないん。
・無駄に飲むな薬! 無駄に飲むなよ!
・〇〇また食べさせてもらってんのー。あかちゃんね。だめだね。
・あーだめー、危ない。出てるじゃん!(子の泣き声)
・こんな態度が悪い、威張ってるんだろうね、家でも。
・何なん、何様なん?
・〇〇(動物)の鳴き声は何なの? 何の動物ですか。聞かれたことに答えられないんじゃ困るよ。勝手なことはしゃべるくせに。

https://news.yahoo.co.jp/articles/80d52ce1f1c60c81b791bba617e2a6633d6d124c

酷いです。3時間かかった保護者説明会で暴言が飛び交うのも当然です。言われた親は激怒します。

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熊谷市立吉見保育所(埼玉県)の保育所長・主任保育士・他数名の保育士が園児に暴言を吐く等の心理的虐待を行っていたばかりではなく、親を侮辱する様な発言をしていた事が明らかになりました。

https://www.youtube.com/watch?v=A1dELz8Sgyk

 埼玉県熊谷市向谷の市立吉見保育所(園児約60人)で、女性所長と保育士が責めるような大声で0~2歳の園児に心理的な虐待を加えたとして、同市が調査していることが14日、明らかになった。市保育課は所長と主任保育士を業務から外し事実関係の確認を進めている。

 同課によると11月29日、保護者から提供のあった録音データに、園児を激しくののしり、しかりつける所長らの音声が録音されていた。市は12月9日に保護者に経緯を説明した。「暴力はなかった」(保育課)としているが、不適切保育があったと判断している。

 関係者によると、子どもの様子がおかしいと保護者が不審に感じ録音。親を侮辱するような言葉も確認された。保護者からは被害が複数の園児に及んでいることや身体的な暴行を疑う声も上がっているという。

https://mainichi.jp/articles/20231215/k00/00m/100/036000c

吉見保育所は熊谷市向谷にあります。関西からだとJR熊谷駅をイメージしますが、約4kmほど離れた田園地帯の一角にあります。荒川支流沿いです。

気づいたきっかけは、0-2歳児クラスに通っている園児の祖父母の「違和感」でした。頭をなでようとすると孫が警戒するのです。

――虐待を疑ったきっかけは。

 ◆0~2歳児の「ひよこ組」に通わせている保護者の間で、保育の仕方がおかしくないかという声が広がりました。何かというと「発達障害」などとレッテルを貼りたがることへの不信感もあったかと思います。

 3カ月ほど前、私の両親から「孫の頭をなでようとすると、身をすくませる。何かあったの?」と言われました。私も妻も子どもに手をあげたことはありません。何かあるのではと思ったのです。

https://mainichi.jp/articles/20231218/k00/00m/040/168000c

園で頭をなでようとしつつ、何らかの虐待行為が行われていたのでは無いかと保護者が疑いを持ちました。

また、保育士が「発達障害」というレッテルを貼るなど、同じクラスの保護者の間で「保育の仕方がおかしい」との声が広がりました。

そこで保護者がICレコーダーを子供に持たせた所、様々な暴言が発覚しました。

0~2歳の園児に対し、「バカ頭」と言い放つ不適切保育や、大声を上げて泣かせる心理的虐待を行っていたとして、埼玉県熊谷市が市立吉見保育所を調査していることが13日、わかった。市は中心的な人物だった可能性があるとみて、田谷美保子所長(51)と、主任保育士の女性(49)を保育業務から外した。

 市保育課などによると、2人は11月下旬から12月上旬にかけて、園児に向かって「ダメ。バカ頭。あのお母さんだもん。あのお父さんだし」と言ったり、ぐずった園児に対して「これやるよ?泣かすか」と脅すような言葉を投げかけたりした。「○○ちゃんはいじられる人生だからね」といった発言もあった。

 11月29日に市への通報があり、保育室内の状況を録音したデータから、田谷所長らの発言が不適切保育にあたると判断した。今後、音声データの確認や、保育士全員のヒアリングを行って詳しく調べ、他の保育士の関与も調査する。

 市は今月9日、保育所で保護者に対し、不適切保育や心理的虐待が行われていたことを説明した。同席した田谷所長は「本当に申し訳ない。反省している」などと謝罪した。市は年内に保護者向けの説明会を再度開き、当時の詳しい状況や、今後の対応などを説明する。

 保護者の一人は読売新聞の取材に対し「あり得ない。何をやったのか明らかにしてほしい」と不信感をあらわにしていた。

 吉見保育所は2015年に開設。0~6歳児約60人を預かっている。

https://news.yahoo.co.jp/articles/7ab80c6457f0c39ed122176bbfbae969c6113ebb

ICレコーダーにはこの様な暴言が録音されていました。

【保育所長等の発言】

「ダメ。バカ頭。あのお母さんだもん。あのお父さんだし」
「これやるよ?泣かすか」
「○○ちゃんはいじられる人生だからね」
「しょうがないDNAだから」
「気の毒、気の毒、本当に気の毒。全部DNAなんだよ。何を考えているんだよ、あのお母さん」
「家でろくなもの食べさせない」
「これやるよ。泣かすよ」
「臭い。牛舎のにおいがする」
「何なん、何様なん?」

これはショックを受けます。子供が毎日の様に過ごしている保育所でこうした暴言が当たり前の様に使われているのに加え、保護者もバカにしています。多くの保護者と保育所との信頼関係は完全に破壊されました。

いくら保育所長や保育士が謝罪しても、過去の発言は消えません。田谷美保子所長が「事故がないよう必死に対応してきた。何を言っても信じていただけないとは思いますが、十分に反省しています。申し訳ありませんでした」と謝罪しても信用できません。

保護者を小馬鹿にする発言をし続けていた保育士等と適切な関係は築けません。保育所は保護者の勤務先・年齢・住所等といったデータを有しています。これらを悪用したとも考えられます。

少なくとも保育所長・主任保育士・暴言等を吐いた他の保育士を全て保育所から異動させ、厳重な処分を行う必要があります。

現時点では「暴言だけ、暴行は無かった」とされています。しかし、祖父母に対して孫が身をすくめる動きは、何らかの暴行が行われていたと示唆しています。子供は正直です。