あと2週間で地獄の様な夏休みがやってきます。子供にとっては学校から解放されて楽しい毎日ですが、親にとっては本当に辛いです。

一方で夏休みには多くの宿題が課されます。中でも「読書感想文」は重い宿題です。任意提出となっている学校もありますが、我が家がお世話になっている学校は「提出必須」です。

今年の読書感想文には頼もしいパートナーがやってきました。泣く子も黙る「ChatGPT」です。入力した文書に対し、Aiが独自の文章を生成して回答します。いわゆる「生成AI」です。

しかし、文部科学省は警戒しています。「初等中等教育段階における生成AIの利用に関する暫定的なガイドライン」を発表し、生成AIの利用に関する考え方を示しています。その中には長期休業中の課題に対する物もあります。

暫定的な考え方として、生成Aの利用が効果的か否かを判断基準としています。その上で具体的な例を挙げています。

https://www.mext.go.jp/content/20230704-mxt_shuukyo02-000003278_003.pdf

様々な学習における途中過程での活用を推奨する反面、最終的な成果物での利用には否定的と言えます。差し当たっては無難な内容です。

長期休業(夏休みや冬休み)の課題における活用についても指摘しています。

こちらも素案の補充や「たたき台」として利用するのは一案としながら、生成AIによる生成物を事故の成果物とするのは否定的です。

では、夏休みの課題を生成AIで作成した場合、どういった成果物が出力されるのでしょうか。最も重い課題である「課題図書を読んだ読書感想文」をChatGPTに出力させました。

最初の壁となったのは、ChatGPTが有している知識は2021年9月までの物という点でした。つまり、それ以降に出版された図書に関する情報は有していません。

2022年6月に出版された「ライスボールとみそ蔵と」を出力させようとしたのですが、「情報を持っていません」とあしらわれました。

https://chat.openai.com

ただ、同じ2022年6月に出版された「秘密の大作戦! フードバンクどろぼうをつかまえろ!」は情報を有していました。判断基準が分かりません。

指示文(プロンプト)を入力するにはコツがあります。一般的な質問だと大人が書いた様な感想文が出力されます。「誰が書いた文章か」「どこに提出するのか」「何文字以内か」が重要な要素となります。

実際の入出力例はこちらです。

(質問)
「秘密の大作戦!フードバンクどろぼうをつかまえろ!」という本を読んだ感想を、小学6年生が学校へ提出する様な文章で800字以内で書いて下さい。

(出力例1)
【タイトル】「秘密の大作戦!フードバンクどろぼうをつかまえろ!」読後感想

私が読んだ「秘密の大作戦!フードバンクどろぼうをつかまえろ!」は、とてもワクワクする冒険と友情の物語でした。この本はフードバンクという社会的な問題にも触れながら、子供たちの頭脳と勇気が試される大冒険が描かれています。

物語は主人公のリオくんを中心に展開されます。彼はフードバンクから盗まれた食べ物の謎を解くため、仲間たちと一緒に大胆な作戦に挑みます。私はリオくんの勇気と頭の良さに感銘を受けました。彼のリーダーシップや冷静な判断力は本当にすごいと思いました。

この本ではフードバンクについても詳しく説明されています。フードバンクが貧困に苦しむ人々に食べ物を提供する場所であることを初めて知りました。読んでいるうちに、私もフードバンクの活動に協力したいと思うようになりました。食べ物を無駄にせず、誰かが助けてくれるかもしれないことを考えると、少しの配慮が大切なんだと感じました。

ストーリーの展開もとても面白かったです。謎解きの要素があり、読者も一緒に考えながら物語を進めていくんです。私は登場人物たちと一緒にヒントを追いかけ、どんどん真相に近づいていくことができました。そのプロセスで、協力やチームワークの大切さを学びました。仲間同士の信頼関係や助け合いが物語全体を支えていました。

この本を読んで、冒険と友情の素晴らしさを実感しました。また、フードバンクの存在やその重要性を知ることができました。社会的な問題について考える機会を与えてくれた本だと思います。

「秘密の大作戦!フードバンクどろぼうをつかまえろ!」は、小学6年生にとってとても楽しい読書体験となること間違いなしです。冒険とミステリーの要素が詰まったこの本は、友達や先生にもオススメしたいです。一緒に読んで、フードバンクの大切さや協力の意義をみんなで考えてみるのもいいですね。

私はこの本を読んで、自分も勇気を持って困難に立ち向かうことの大切さを学びました。また、フードバンクへの関心が高まり、何か手助けできる方法を考えるようになりました。この本を通して、たくさんのことを学び、成長することができました。

(出力例2)
『秘密の大作戦!フードバンクどろぼうをつかまえろ!』を読んで、私はとても感動しました。この本は冒険と友情の素晴らしい物語であり、同時にフードバンクの大切さについても考えさせられました。

物語は、主人公のリオくんと彼の仲間たちがフードバンクから盗まれた食べ物を追いかける冒険を描いています。彼らは困難な問題に立ち向かいながら、協力し合って進んでいきます。リオくんは勇敢で頭の良いリーダーであり、仲間たちもそれぞれの特技を活かしてチームを支えます。彼らの団結力と友情は本当に素晴らしく、私も彼らのように信頼できる仲間と一緒に冒険したいと思いました。

この本はフードバンクという社会問題についても教えてくれました。フードバンクは食べ物を必要としている人々に提供する場所であり、私たちが忘れがちな貧困と飢餓の現実を改めて知ることができました。フードバンクの仕組みや役割について詳しく説明されており、読むうちに自分自身が何か手助けできることがあるのではないかと考えるようになりました。

物語の展開はとてもスリリングでした。謎解きの要素があり、読者も一緒に考えながら物語を進めることができます。ヒントを追いかけながら、どんどん真相に近づいていく様子がとてもワクワクしました。予想できない展開があり、飽きることなく一気に読み進めました。

この本を通じて、フードバンクの重要性や協力の大切さを学びました。また、主人公たちが困難を乗り越えて成長していく姿に感動しました。私も彼らのように勇敢に立ち向かい、自分の力で困っている人々を助けることができる大人になりたいと思います。

『秘密の大作戦!フードバンクどろぼうをつかまえろ!』は、心躍る冒険と深いテーマを持つ素晴らしい本です。読んでいて楽しく、同時に社会的な問題について考える機会も与えてくれました。私はこの本を友達にもオススメしたいと思います。皆さんもぜひ読んでみて、冒険の世界とフードバンクの大切さを体感してください。

私自身はこの本の中身を読んだ事はありませんが、一目見た感想文としてはよくできています。この出力例を骨格とし、本の中から抽出した具体例を付加等するだけで、立派な感想文となります。

生成AIの出力文をそのまま提出するのは御法度です。そもそも、この出力内容が書籍の中身に準じた物か裏付けが取れていません。

一方で感想文の構成例としては十分です。こうした構成を小学生が1人で作り上げるのは難しく、保護者が手伝うのも大変です。

読書感想文を作成する際に困るのは「お手本が無い」ことでした。しかし、ChatGPTが出力した文章はお手本になり得ます。文章全体の構成や感想の書き方は参考になります。

真っ先に思いついた活用例は「お手本」です。論文を書く際に先行事例を読み込んで参考にする様に、ChatGPTが出力した文章を「お手本」として参考にします。こうした例があれば、自分の考えを文章化するのに効果を発揮します。

文部科学省や教育委員会がどの様な指摘を行っても、学校や教育の場で生成AIの活用が広がるのは避けられません。であれば、子供の考えをより深めるのに活用していきたいです。