早くも7月がやってきました。学校によって若干の差はありますが、もう2週間もすると1学期が終わってしまいます。本当にあっという間でした。

学期末で気になるのは「子供の通知表」です。親世代は「相対評価」で評価されていましたが、現在の大阪府内の公立中学校は「絶対評価」で評価しています。ただ、学校毎の評価のブレを防ぐべく、府内の全ての中学校が参加するチャレンジテストの結果を基に、評定平均を一定範囲内に収めるものとしています。


https://www.pref.osaka.lg.jp/attach/6221/00450741/R6_rifuretto.pdf

こうした制度設計の結果、大阪府内の中学生の評定は親世代が驚くほどに高くなっています。

現在の中学3年生が中2だった当時の大阪府全体の主要5教科(国語・数学・英語・理科・社会)の評定平均は3.50、副教科(音楽・美術・技術家庭・保健体育)は3.55となっています(対象は中3ですが、中1・中2もこの評価基準に引きずられる)。

https://www.pref.osaka.lg.jp/attach/6221/00450741/R06_tyousasyo_heikin.pdf

主要5教科を見てみると、5が24%、4が26%もいます。合計すると50%となります。主要5教科で5が付いても上位1/4に過ぎません。そして、中央値より上の成績ならば、概ね4や5となります(厳密には学校毎で若干の違いはある)。

一方で3は32%もいますが、2は12%、1は6%と少なくなっています。1から3を合計しても50%にしかなりません。つまり、「評定3」は中央値より下という扱いとなっています。「3だから真ん中」ではなく「3だから真ん中よりした」です。

中央値より上だと4や5が付く事により、成績上位層では評定の差が見えにくくなります。たとえば1学年200人が在籍している学校であれば、学年1位も学年48位も「5」が付く可能性があるのです。

結果として親世代よりも遙かに良い評定が取りやすくなっています。オール5が珍しくないという話も納得です。

反対に文理学科に代表される上位進学校の合格者選抜は当日点が重視されます。オール5やそれに準ずる成績であっても、文理学科を受験できない(受からない)という話も聞きます。