非常に重い番組でした。子供と一緒に見入ってしまいました。
いのちを守る学校に 調査報告“学校事故”
8729人。学校管理下で死亡または障害を負った子どもの数だ。日本スポーツ振興センターの2005年度以降のデータベースを元に学校事故を分析すると、浮かび上がってくるのは「同じような事故を繰り返す」実態。窓からの転落事故、運動会の事故、熱中症…。どうすれば子どもたちを事故から守り安全な学びの場を実現できるのか、データと現場への取材から再発防止の方策を探る。
https://www.nhk.jp/p/special/ts/2NY2QQLPM3/episode/te/N5Q76W31WY/
以下、番組要旨です。
・16年前に学校の部活動中に熱中症となり、女の子が重い障害を負った。
・2005年以降、死亡した子供が1614人、障害を負った子供が7115人、合計8729人(日本スポーツ振興センターの学校等事故事例検索データベースによる)。
・給食での窒息死、窓からの転落など、同じ事故が繰り返されている。教訓が活かされていない。
・
・事故の多くは授業・休憩時間、及び部活動で発生している。
。給食中の窒息による突然死が多い。うずら卵、ミニトマト、ブドウ、白玉団子などを詰まらせた。7人が死亡(幼保を含む)。
・ゴールポストにぶら下がったら倒れ、下敷きになった。2人が死亡。
・「コピペ事故」
・中高での体育の時間における心臓系突然死
・中学3年生が体力テストのシャトルラン中に倒れた。
・突然死は506件、特に5月に多い。「持久走」「5月」。
・5月は気温が高くなり、熱中症的要素が加わる。
・中3や高1は成長真っ只中、自律神経の調整が難しい。
・持久走で無くなった3割が、走った後や休憩中に倒れていた。
・窓からの転落によって30人が死亡、44人が障害を負った。
・窓付近に置かれた本棚やロッカー等を足場にし、窓やてすりに寄りかかり、転落した事例が多い。
・子供は大人を小さくした物ではない。
・新しい事故はない、どこかで起きた事故の繰り返し
・学校の安全管理が教職員に委ねられている。
・専門的知識も必要だが、忙しい教職員だけの対応に限界がある。
・自治体を越えた情報共有や対策共有が難しい
・教訓が広がらず、同じ様な事故が他地域で起きている。
・学校運営や安全対策は自治体の責任、国は直接指示等を出せない
・名古屋大学の内田先生「国が教育の内容に介入するのは避けるべきだが、子どもの安全は国が責任を持つべき」
・運動会(練習を含む)で84人が死亡、351人が障害を負った。
・むかで競争の練習中に転倒し、後続する生徒が止まれずに次々を頸部を圧迫した。
・運動会には共通基準が無い。学校や地域毎に独自のやり方で行われてきた。
・龍野高校2年生のテニス部の活動中に重い障害を負った。今も意思疎通が難しい。詳細はこちら。
・学校から1km離れたテニスコートを利用、最後の練習としてのランニング中に倒れた。
・部員が手分けして助けを求め、市役所職員が119番通報及び学校へ連絡した。救急搬送時は心停止状態だった。奇跡的に一命を取り留めた。
・30度を超える炎天下で事故が起きた。
・定期テスト明けの初練習、顧問は最初30分だけ立ち会って離れた。
・兵庫県に対して損害賠償を求め、最終的に2.3億円の賠償が認められた。
・部活動中の死亡事故196件の内、突然死が133件、頭部外傷が40件、熱中症が23件を占めている。
・学校や自治体による詳細調査義務はない。文部科学省のページ(学校管理下における重大事故事例)で公表されているのは13件。
・アメリカはデータを集約し、調査分析を行っている。
・アメフト練習で死亡した選手の内、半数が練習開始初日及び2日目だった。
・アイスバスを準備している。熱中症はすぐに冷やせば救命できる。
・データを集めて分析し、ツール作りに活かせれば学校事故は減らせる。
・大阪教育大学附属池田中学校では、生徒自らが校内の危険箇所を調べ、ピクトグラムで警告を発している。
・都立上野高校では脳しんとうに対する勉強会を実施した。
特に子育て世帯や学校教職員の方には是非視聴してもらいたいです。非常に良い番組でした。見逃し配信(NHKプラス)は5月14日(日)までです。
(感想等は追記します)